blogを書けと言われたので「水無月の祓」の話。

 

 六月が始まりました。

 六月末には「夏越の祓」があります。

 夏越の祓とは、半年に一度の大祓です。ってことは半年の間の汚れを祓う訳ですね。

 穢れというのは、知らぬうちに堪るものでございます。

 で、この夏越の祓は別名〈水無月の祓〉とも称します。

 水無月にやる祓なので。

 

 そもそも水無月(夏越)の祓は古事記・仲哀天皇の段に一五〇〇年前より行われてきた宮中祭祀です。

 これは天下万民の穢れを祓う祭祀になりますので、大祓になります。

 そして、旧暦の六月末の行事なので、現代の六月末とは違う時期に行われていたのです。

 だから古代から水無月の祓なんですねー。

 

 

 

 現代の水無月の祓。

 

 現代では新暦の6月末に行われます。

 この時期、神社さんへ足を運ぶと大きな茅の輪が設えられているのを目にした記憶がありませんか?

 これが夏越の祓の茅の輪くぐりするための茅の輪です。

 穢れを祓うための所作の説明が、茅の輪近くの説明看板などもあるはず。

 この通りに茅の輪を潜るだけで穢れは祓われます。

 元々は蘇民将来から、ってことで前にも書きました。

 

 

 この茅の輪から茅を持ち帰れば縁起物である、という話もあります。が、それは穢れを祓った茅を持ち帰ることになるので駄目だ、って話もありますね。確かに形代に穢れを移したら、後は流す、お焚きあげするなどして手元には置きませんからね。とか言いつつ、神社さんごとにこの説明が変わります。「茅の輪の茅(茅の束)を持ち帰ると疫病や災難を避ける」というものから「茅を持ち帰ると穢れを持ち帰ることになるので避ける」というものまであるのです。

 この辺りはお詣りした神社さんの説明に従うのが吉でしょう。

 

 

 

 

 水無月とは。

 

 

 六月と言えば梅雨。

 梅雨時期はよほどなことがない限り、水が無いということはありません。

 そもそも旧暦の六月は現代で言う七月ですから、夏が始まっている時期です。当然の如く、梅雨の長雨のような状態ではなく、水が無い炎暑の月である、という説があります。

 或いは春先の田植えを終えて、農作業は皆尽くしたの〈皆尽(みなづき)〉であった、ともいうようです。

 でも盛夏の辺りは田んぼに草が生える時期に入っていますから、やることはまだまだあるのですけどね。

 

 和風月名の名と共に記された説明は旧暦の季節に合致しています。

 例えば、八月は葉月ですがこれは「木々の葉が散る季節」とあります。

 現代では九月のことだと分かるはずです。

 このように新暦と旧暦を比べると実に面白いと思います。

 

 

 

 大祓へ行こう。

 

 新暦で言えば、半年。

 旧暦で言えば、五ヶ月。

 タイミングも良いですし、大祓へ行きましょう。

 なじみの神社さんで夏越の祓をやっているか確認してから足を運ぶのが吉。

 なんだかんだで神社さんへ行くと気分良いですしね。

 一年の後半へ向けて心機一転! って感じでもよいですし。

 

 わたくしも茅の輪をくぐるぞ!