blogを書けと言われたので「BOSS KATANA MK2」の話。
最初にハッキリ申しておきます。
BOSS KATANA-HEADはすでに次世代機が発表されております。
ノブ位置を始めとしたユーザー目線の改良がされたヤツぅ!
もう、MK-Ⅱではないッ!
ちっ(舌打ち)。
おっと気を取り直して。
うちのはKATANA MK2のHEADモデルです。
うははは。時期を逸した感じですがおつきあい下さい。
KATANAアンプとは。
BOSS KATANA -HEAD MK2 は所謂 ソリッドステートアンプヘッドです。
チューブ(真空管)は一本も使用されておりません。
そしてコンボモデルもありますが、わたしのはアンプヘッド。
でも5インチの小さなスピーカーがついているので、ヘッドだけでも音が出ます。
ある意味、コンボアンプ?
スピーカーの口径なりの音ですが、ボリュームを上げると結構良いサウンドなんです。
マイキングしてPAに送ってもいいかも(それより直でPAに送ることが可能だから、そっちの方が良いかなぁ。キャビネットシミュレータも実装されていますし、各種設定も可能なのでギタープロセッサと似たような使い方もできますね)。
おっと。BOSS公式から引用します。
〈KATANA MkIIは、その卓越したサウンドと高い汎用性から好評を得ているKATANA Ampシリーズのコア・プラットフォームをブラッシュ・アップし、新たなサウンドとエフェクト、機能を搭載した正統進化モデルです。5つのアンプ・タイプに新しいバリエーションを追加し、合計10種類のサウンドを搭載。また、本体で同時に使用できる内蔵エフェクトを3つから5つへと拡張しました。さらに、マルチ・エフェクターやアンプ・シミュレーターとの接続に最適化したPOWER AMP IN端子、2台のKATANA MkIIを接続してステレオ出力できるSTEREO EXPAND機能、エディター・ソフトウェアの一新など、ユーザビリティも大幅に向上しました〉
平たく言うと(発売当時)流行のギターイクイップメントの流れを汲んだ設計がされている! ってことだと思います。ライブから自宅練習、DAW用途に加え、ギタープロセッサなどデジタル機器のパワーアンプとしての使用、他諸々の多岐にわたる場面に活用できるようになっている、と言えるでしょう。
実際、どんなシーンにも対応できるアンプ、だと感じます。
……機材知識のない私の感想ですので、そこは加味してご判断下さい。
音はどうなの?
BOSS独自の「Tube Logicテクノロジー」で、真空管アンプ特有のダイナミクス……。
とのことですが、確かにチューブアンプのサウンドっぽさは感じます。が、やはりソリッドステートなんだなー、というところがありますね。
若干硬い感触が伝わってきます。とは言え、フルチューブに寄せてきたサウンドデザインですので、いい音だと感じるもの確かです。
ギター繋いでスイッチオンだけで高クオリティの出音が飛び出しますし、チューブを温めなくてよいので、とても気が楽なのもナイスなポイントでしょう。
またアンプヘッドタイプなので繋ぐキャビネットごとにサウンド傾向が出てきます。12インチ×4でマスターをグイッと上げると「お!」って感じの音になりますよ。もちろん12インチ×1発でもライブで使えるはず。
で。
面白いのはアンプモデルが5種類×2パターンで、10のバリエーションが存在すること。
アコースティックチャンネルはエレアコ用(?)なので除外するとして、クリーンからブラウンまで4チャンネルを、バリエーションスイッチで2系統に切り替えられます。
バリエーションスイッチの方向性は〈特定の周波数帯域を持ち上げ、若干のゲインアップ〉じゃないかと思うのですが、いかがでしょう?
チャンネルによっては〈トレブリーさが強調される〉こともありますし、また〈中域の太さを加味したような感じに変わる〉こともあります。
この辺りはギターやFQのセッティングも関係してきますので、是非体感して欲しい! 結構面白い感じですよ。
※アンプタイプを切り替えるノブ。バリエーションスイッチも見える。
ホコリとか傷とかは見なかったことにして下さい……。
※EQ部分。あ。12時からセッティングを開始する癖があります。
※エフェクト部分。リバーブ以外のノブが二重になっている。
あとパワーコントロールのワット数で音が変わります(当たり前か)。
※スタンバイから100Wまで。キャビネットレゾナンス切り替え、メモリしたセッティング呼び出しもここで。
スタンバイモードの次から、0.5W、50W、100Wに切り替え可能です。
日本の住宅事情だと0.5Wがベスト?
50W以上にした音が好みなのに!
あ。ヘッドホン端子も付いているので、内蔵スピーカーやキャビから音が出したくないケースのときは是非ご活用下さい。
あと、本アンプもギター本体のトーンが顕著に出ます。
ギターを持ち替える楽しみ、と言えましょうか。
この辺りもまた、チューブっぽさなのかもしれません。
4つのチャンネル。
クリーン → ソリッドステートらしい癖のないクリーン。
クランチ → ゲインで調整することでロックンロールからパンクまでいけそう。
リード → ハードロックからメタルまでカバーできる歪みサウンド。
ブラウン → EVHなブラウンサウンド? 滑らかで心地よい歪み。
こんな感じでしょうか?
プラスバリエーションスイッチによるサウンドキャラクター変化もあります。
どんなスタイル、楽曲にも対応できるといっても過言ではないでしょう。
涼やかなクリーンから激烈ヘヴィサウンドまでカバーも可能。何故なら各種エフェクターが内蔵されているので、様々な音作りも自由自在だからです。
もちろんセンドリターン端子完備なので、外部エフェクタも繋げられます。
ひゅーっ。コイツぁスゲエや!
おっと。忘れてはならないのが〈ボリューム〉です。
Gainの右隣のノブですが、ここをいじくり倒して見て下さい。音の密度やサウンドキャラクターが変わりますから。だいたい12時くらいから前後させると分かり易いかも知れません。是非お試しあれ。
また、どのチャンネルもギター側ボリューム、或いはボリュームペダルの開け閉めにもきちんと反応してくれるのも嬉しいポイントです。この辺りもフルチューブっぽい?
ギター側でコントロールしながら、クリーンで心地よく弾いてもよし、クランチでブルースっぽく決めてもよし、リードでハードロックなソロを叩き込むもよし、ブラウンでゴリゴリのメタルプレイをカマしてもよし。
そんな感じです。
自由自在なサウンドクリエイトのために。
BOSS製品には「BOSS TONE STUDIO」と言うPC用アプリケーションが存在します。
※各種パラメータが表示された「BOSS TONE STUDIO」。
各音作りからパッチの構成、グローバルEQなど事細やかな設定が可能なアプリです。
例えばこのKATANAをPCに接続し、当アプリを起動すると連携させることが可能。
UIはそれなりに分かり易いので、扱いも簡単です。それなのに面白いほど細かい設定を組めますし、KATANA本体にメモリさせることすらできます。
※どのようなルーティング(機器構成)にするか選べる。
※カスタムセッティング内でラインアウト用ほか様々な設定もできる。
家でじっくり音作りをして、ライブ会場へ持ち込む。
小さなノートパソコンとKATANAをセットで持って行き、現場で音作りする。
どちらも可能です。この辺り、痒いところに手が届くアプリと言えましょう。
加えて、対応フットスイッチ(わたくしは持ってない)やエクスプレッションペダルがあるなら、それらとも連携したセッティングももちろん可能!
そしてトーンセンターから各種プリセットもダウンロードできます(中にはプロギタリストが作成したものも)。音作りの参考になりますよ。
細かくは取説などを参照して頂けると幸いです。
内蔵エフェクタはBOSS。
内蔵エフェクタですが、55種類が実装されています。
BOSSのアンプヘッドですから、エフェクトはBOSSのものです(公式HPで明言されています)。ブルースドライバーとかありますし。
なのでBOSSユーザーなら大体方向性が分かると思われます。
何故、思われます、という書き方かと言えば、わたくし自身がBOSSエフェクタを2つくらいしか持っていなかったからです。なので、らしさが分からないのであります。
※内臓エフェクタ設定も柔軟に対応している。
アンプモデルを決め、それに合わせてエフェクタを並べる音作りもオーケー。
当然ですが「クリーンアンプをディストーションペダルで歪ませる」設定も可能です。アンプ側で歪ませるのとは違う味わいの音になります。
世界を飛び回るトッププロギタリストもこう言う使い方をする方いらっしゃいますよね。アンプはクリーン、歪みはペダルで! みたいな。
この辺りはプレイヤー自身の嗜好で使い分けてね! っていうBOSSからのメッセージなのでしょう。多分。
外部エフェクトも使おう。
外部エフェクト用にセンドリターン端子が装備されています。
用途に応じてギターからインプットへの経路でエフェクタを直結するか、センドリターンに繋ぐかの使い分けができるのです。この辺りは普通のアンプと同じですね。
わたくしのケースですが、ディレイペダルを「ガッツリ掛けたい」ときは直結、それ以外ならセンドリターンへ、としています。最近はセンドリターン接続が多いかも。
ただしパネルモードも完備。
PCを介さなくても、アンプヘッド側で音作りが可能です。
パネルモードにして、アンプセッティング+エフェクツ設定他をするだけ。
これでもバリエーション豊富なサウンドを作り出せます。うーん、いい!
※パネルモードとは、アンプ側のノブやスイッチだけでパラメータやエフェクタを設定するモードのこと。
まあぶっちゃけると私はパネルモードだけで使っています。
普通のアンプヘッドの扱い方ですね。
私はボリュームペダルとディレイ、たまにワウペダルくらいしか足下に置きませんから、後はアンプ側でセッティングを出しちゃいます。
あ。あと、先述しましたが(現物の)キャビネットとの組み合わせによってかなり出音が変わります。だからキャビが変わる度に微調整しないといけません。
極個人的なセッティング。
極個人的なセッティングですが。
選んだアンプモデルで音を出しながら、ゲインとボリューム位置をを雑に決めます。
そして、3つのEQの調整をしたのち、プレゼンスを思ったより多めに上げます。
ってのも、プレゼンスって全周波数帯域に影響しているっぽいんですよ。
単に超高音の帯域を上げるだけじゃない、といいますか。
だからプレゼンスを加えていくと、全体的に張りが出てきます。
KATANA-HEADの場合(というよりプレゼンスノブが付いたアンプ全般)、このプレゼンスの扱いがポイントになるようです。
特に8弦ギターの低音弦側の解像度を上げるには、プレゼンスが重要になります。
結構大事なんですよ。ほんと。
で、大体の方向性を決めたら、ゲインとボリューム、EQを再び微調整します。
※以前ギターショップの店員さんに言われたのは「お客さん、ミドルをガッツリ上げるンすね!」の台詞。
ドンシャリにしてないだけだと思います。はい。
あ。あとリードやブラウンアンプは思い切ってゲインアップするのが好きですねー。
フルチューブのようにボリュームへの追随っぷりがよいので、ギター側ボリューム(か、ボリュームペダル)による歪みコントロールも容易なんですよ。
だから「ハイゲインからクリーンクランチ程度の幅で可変させられる」程度でゲインを上げます。KATANAだと2時から3時の間くらいまで上げてOKな感じ?
逆にクリーンアンプならゲインを9時辺りにして、アンプボリューム(マスターに非ず)をグイッと上げるのが良い感じ。必要ならば内臓エフェクトでコーラスとかリバーブを足したりします。
因みにどのアンプモデルでもブースタ的なディストーションは掛けていません。
プリブースト代わりに使おうかな、そのうち……。
※ソロモードのパラメータ画面。カスタマイズの幅は広いです。
そしてCAB RESONANCEも繋いだキャビに作用するみたいなので(取説参照)使い分けてみたらよいかもしれません。3タイプあるので、お好みでどうぞ。
便利なアンプヘッド BOSS KATANA-HEAD MK2。
ともかく便利なアンプヘッドです。
ソリッドステートなのでそこまで取り扱いに気をつかわなくてよいですし。
極端な話、ギター、ギターケーブル、チューナーがあればあとはこれひとつで大丈夫。
もし現場にキャビネットがなくても、内蔵スピーカーにマイキングするか、ラインでPAに送るかで解決できます。
またギタープロセッサ用のパワーアンプとして使うのもあり。
更にAUX端子に外部音源を繋ぎ、再生しながらプレイすることも可能です。これでちょっとしたイベントに対応も簡単。
問題はこれを持ち運びする気力があるかないかだけでございます。
もの凄く余計なことを書くと
〈アンプよりHXSTOMPを持って行ってPAへラインで送り、外音と中音にして貰う〉
〈或いは現場にあるアンプにHXSTOMPを繋いで音作りをする〉
〈KATANA-MINI持って行って、マイキングする〉
ほうが、重量的な意味で楽です。
HXSTOMPならアンプを始めとしたセッティング選択肢はKATANAより多くなりますしね。
でも100Wのアンプヘッドを使うことの意義、魅力が十分にあるのも確か。
BOSS KATANA-HEADはその辺りをキチンと押さえています。
だからあとはプレイヤー本人のチョイス次第、かな?
1台目に入手するアンプヘッドはフルチューブのものがお勧め。
例え小型でも弾くとフルチューブの感触がありますから、ギターを始めた初期から体感しておくに越したことはございませんことよ。おほほほ。いやマジで。モノホンのチューブサウンドは気持ちいいっす(なんて言うわたくしであるが、フルチューブを入手したのはギターを弾き始めた初期ではないっす。げげ)。
ですが、このKATANA MK2シリーズ。2台目のアンプ(ヘッド)によい機種だと思います。なんせ、DAWからギタープロセッサのパワーアンプにまで使えますからね。フルチューブでもDAW対応した機種はありますけれども。
あ。あとおまけに100Wアンプでも価格帯もなかなかナイスですヨ。
流石BOSSだ! っていうアンプヘッドですので、見かけたら是非音を出してみて下さい。
ってことで、締め。
mk2