前回が砂糖だったので、今回は「塩」です。

 まあ、単純!

 そもそも、さ行は「料理の味付け・さしすせそ」ですから。

 この分で行くと、次は酢で、続いてせうゆ(醤油)……あ、味噌はそから始まらないからダメだ。

 ってことで、本編をどうぞ。

 

 塩は百肴の将、と言います。

 百の肴(酒宴のご馳走)のうち、最たるもの=将。

「塩がご馳走の主役なんだぞ!」という意味です。

 塩を少々舐めつつ、日本酒を……とかありますからねー。

 とはいえ、塩加減がきついと「えぐい」「舌が痺れるような感覚がする」「舌の両脇などに違和感が残る」ことも多々あります。

 過ぎたる物、及ばざるがごとし、でしょう。

 

 考えてみれば、塩は日々の生活に欠かせない物です。

 料理の味付けは言うに及ばず、食器を磨いたり、まな板などの防臭をしたり、カーペットに零した物を掃除するときにも役だったり、と様々です。

 そう言えば〈ビニール袋にぬいぐるみと塩を入れ、きちんと封をして振り、汚れを落とす〉なんてワザもございます。

 塩って、なんと凄い物なのか。

 

 そうそう。塩と言えばお清めにも使います。

 葬儀に参加した後、家に入る前に振りかけて貰ったり、地面に舞手貰って踏んだりして、穢れを落とすのです。

 だから、私のようにやれ心霊スポットだー、とか、曰く付き物件だー、とか、そういう所に近寄っている人間は粗塩を常備した方がよい、とかなんとか。

〈ヤッベ! マジなんかキチーし〉ってときに粗塩を振れ! ってことらしいですね。

 ……すみません。持っていったことがありません。

 ていうかー、一度持っていたことがあるんですよ。

 小さく丈夫な袋に入れ、ポケットに忍ばせていたんです。

 でも、知らないうちに破けてしまって、ポッケの中がザラザラに。

 それ以来持って行っていません。

 なんていうのでしょうか。

 結局、スポットや曰く付きの場所に行くのって、仕事なんですよ。

 そんな風に仕事で行った先で「お清めお清め!」って粗塩振るのは何となく違うかなーって思ったんですね。ええ。

 代わりに、節目節目や決まったときに寺社仏閣へ必ず足を運びようにしていますし、基本的に「毎日を明朗快活に過ごす」ようにしています。

 加えて、日光を浴びて、よく食べて、良く笑う。これでオッケー。

 いろいろあるけれど、元気です!

 

 んで、まあ、御守りとか一年経たない時点で、パンッパンに膨れ上がりますがね。

 時々「これをグッと押したらなんか出てくるんじゃろうか?」って思いますが、そこは我慢です。授かった御守りに不敬なことをしてはいけません。ええッ! いけないのですッ!

 

 おっと、話を塩に戻しましょう。

 料理をするとき、塩分量が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 しかし、塩分を摂らなさすぎるのもよくありません。

 適度に塩分(ミネラル)は摂取しましょう。

 とはいえ、昨今、味付けが濃いものが多いですよね。

 自宅で食べるものくらい、ちょっとだけコントロールしてみましょう。

 決して難しいことではありません。

 以下のことを心にほんの少し留めて、実践してみて下さい。

 

 ・塩は精製塩ではなく、天然塩と呼ばれる物を使ってみる

  ※精製塩より高いですが、美味しい塩だと使う量も抑えられますので。

   っていうか、食べて美味しいから天然塩をお薦めします。

 

 ・ドレッシングを作るとき、油と混ぜない方法をとってみる

  ※フレンチドレッシングは「塩と油、油脂を乳化させて」作ります。

   ところが油は塩味をマスキングしてしまうんです。

   サラダを食べるとき、たまにイタリアン方式でやってみては如何でしょう?

   サラダボウルに野菜を盛ったら、上からオリーブオイル、酢(ビネガー、バルサミコ酢、柑橘類の絞り汁)をふりかけ、最後に塩(天然塩や岩塩をミルで砕いた物)を思うより少なめにばらまきます。

   そのまま食べてもよし、おおざっぱに混ぜ合わせてもよし。

   ところどころで味わいが変わるので、ドレッシングと違う美味しさがありますよ。

   もちろん、ここにルッコラやチーズ、スパイスなどを加えてもいいです。

 

 ・塩は表面に振る

  下味以外で味を付ける際、可能だったら〈調理したものの表面に少しだけ塩を振って〉みてください。

  塩の粒が舌に直接当たるため、僅かな量でもダイレクトに塩味をしっかり感じ取れます。

  これにより、塩分量を少なくすることが可能なのです。

  また、スパイスと塩を混ぜることで味の方向性の変化も簡単です。

  粗挽き黒こしょうやカレーパウダーなど、いろいろ試すのもまた一興。

 

 ・汁物や麺の出汁の味付けは思ったより塩を入れない

  お吸い物なら酒、薄口醤油、塩で味を調えますが、その際〈醤油と塩の分量を思ったより抑えて使って〉見て下さい。

  鰹だしと昆布だしなどを合わせたものは、旨みの相乗効果でコクが増しますから、薄味にすることが肝要です。旨みに加え、お出汁の香りや旨みが引き立ちます。

  因みに和食的なお吸い物なら〈鰹昆布だしに酒、塩、薄口醤油〉に濃い口醤油を一滴加えることで、更に旨みが重なります、が、気をつけるのは全ての調味料を加減して加えること。

  また、吸い口(柚皮や木の芽など、所謂薬味的なもの)を工夫してみてください。

  淡い吸い地の目先が変わって、大変美味しくなります。

 

 ・味の逆算をしてみる

  調理している素材や加える調味料に含まれている〈塩や甘味〉を頭に入れ、そこから味付けを逆算していきます。

  例えば、練り物を煮ればそこから塩味や甘味、魚の旨みが出てきます。

  そんなときは〈昆布だし+濃い口醤油少々〉にして、最後、塩やみりんなどで味を調えると簡単に味が決まります。

  また、お使いの調味料や顆粒だしなどに含まれている塩分なども意識するとベターです。

  コンソメキューブなら〈塩・砂糖〉が入っていますから、実際味を付けるときは調味料を控えて加える……などなど。

 

 

 ……という風に軽く説明してみました。

 塩を楽しむ生活、如何でしょうか?

 もちろん、お部屋の中でおかしなことがあるときは、粗塩を。

 え? お前んトコ、変なことあるだろ? 粗塩してんのかって?

 ほうほう。うちはしてませんけど、何か?