バイクで巡る判例聖地巡礼①
東芝柳町工場事件の現場へ行ってみた
「東芝柳町工場事件」。
社会保険労務士なら、一度は勉強する判例だと思います。
私もこれまで、講習などで何度も説明してきました。
有期契約社員の雇止めを考えるときに出てくる、有名な判例です。
でも先日、ふと思いました。
「ところで、柳町工場って、どこにあったんだ?」
調べてみたら、川崎でした。
横浜からなら近い。
それなら、
ハーレーで行ってみよう(笑)
ということで、早朝の散歩ツーリングです。
東芝柳町工場があった場所へ
着いたのは、川崎市幸区柳町。
もちろん、今は「東芝柳町工場」という工場はありません。
現在は、キヤノン川崎事業所になっています。

判例集では何度も見てきた「東芝柳町工場」。
でも、その場所に実際に来たのは初めてです。
なんだか不思議でした。
「ああ、ここだったのか」
という感じです。
ここで、判例の話を少しだけ
東芝柳町工場事件では、2か月契約の臨時工として働いていた人たちが、契約更新を何度も繰り返した後、会社から更新を拒否されました。
そこで問題になったのが、
「期間満了なんだから、それで終わりなのか?」
という点です。
最高裁は、更新の実態などによっては、
「期間が決まっている契約だから、満了したら当然終了」
とは単純にはいえない、という考え方を示しました。
この考え方は、現在の労働契約法19条にもつながっています。
細かい法律の話をすると長くなるので、今回はこのくらいにしておきます(笑)。
50年以上前の話が、今も残っている
社労士の仕事をしていると、
「有期契約だから、次は更新しなければいいですよね」
という話が出ることがあります。
でも、実際には、
これまで何回更新してきたのか。
更新のとき、会社はどう説明してきたのか。
本人は、これからも働けると思うような状況だったのか。
そんなことも関係してきます。
50年以上前に、この川崎の工場で起きた出来事が、今の雇止めの考え方につながっている。
そう思うと、判例も少し違って見えます。
せっかくなので、もう一つの東芝へ
柳町を見たあと、そのまま川崎駅西口へ。
昔、東芝堀川町工場があった場所です。

今はラゾーナ川崎などがある場所です。
こちらは、私は工場があった頃を覚えています。
今の川崎駅西口しか知らない人には、ちょっと想像しにくいかもしれません。
昔は、駅のすぐ近くに大きな工場がありました。
今は商業施設やマンションが並んでいます。
本当に変わりました。
東芝の堀川町工場跡地が現在のラゾーナ川崎の開発につながったことは、三井不動産の公式資料でも確認できます。
判例は残る。現場は変わる。
「東芝柳町工場事件」という名前は、これからも労働法の本に残るでしょう。
でも、工場はもうありません。
街も変わりました。
判例だけ読んでいると、
「有期契約の反復更新と雇止め」
という法律の話です。
でも実際に行ってみると、
ここに工場があって、
ここで人が働いていて、
その中で起きた出来事が裁判になったんだな、と。
当たり前のことですが、少し見え方が変わります。
判例は残る。現場は変わる。
このシリーズ、思ったより面白いかもしれません(笑)。
そして、この日の散歩ツーリングはまだ続きます。
次は川崎区夜光へ。
日本食塩製造事件の現場を見に行きます。
こちらは、また少し違った景色でした。
続きます。

