「キリング・ファミリー 殺し合う一家」(2017・アルゼンチン/ウルグアイ/スペイン/フランス) 59点
El otro hermano / The lost brother (Spanish)
3/16 シネマート新宿「シネ・エスパニョーラ2017」


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シネ・エスパニョーラ2日目にて最終作品。
両親の離婚後、別居し疎遠になっていた母親と弟の死の一報を聞き、保険金を受け取る為に見知らぬ田舎町にやって来た主人公のハビエル。
弟と母親は、内縁の夫モリナに猟銃で殺され、犯人のモリナはその後自殺したと言う。

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モリナの友人で元軍人のドゥアルテが、家族を殺されて不憫なハビエルに変わって手続きの一切を代行してくれると言い、ハビエルは保険金が降りるまでこの町に留まる事を勧められる。

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モリナの元妻と息子、ハビエルにとっては義理の弟とその母親にあたる家族を紹介されるが、義理の弟ダニエルとドゥアルテは怪しい誘拐ビジネスに手を染めていた。

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結構ダークなハナシなんだけども、かなり淡々と時に軽快に進んでゆく。
コメディ要素は一切無い。決して。

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主人公ハビエルも義理の弟ダニエルも、やらなければならない仕事や自分の意志もやりたいことも特に無さそうだ。
ダラダラと面倒くさそうにしながらもドゥアルテの言いなりで何でもやる。

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そんなドゥアルテは兎に角、金の匂いに敏感。嗅ぎつけては群がるハイエナのよう。
周囲に居る弱者を言葉巧みに誘い、犯罪に加担させては自分だけ利益を得る。

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誘拐や人殺しや拷問を気負わずアッサリやり遂げるドゥアルテが、まるで調子の良いビジネスマンのように見える。それが逆に恐い。まるで悪びれず日常茶飯事のように犯罪が行われていている。

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スペインの田舎町、ってトコがまたリアルに感じられて。
結局、金の為に動いていたのはドゥアルテだけでなく、主人公もまた保険金欲しさにこの町にやってきたんだったな。
知り合い同士、家族でさえも金欲しさに命を奪い合う。お前らロクな死に方しないよw




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↑義理の弟のダニエルが河相我聞に似てて、心の中でずっと “我聞” と呼んでましたw

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[参考画像:河相我聞]



さて今回で「シネ・エスパニョーラ2017」はおしまい。
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作品も見られたし、マリオ・カサスという俳優にも出逢えて大満足!全体的にクオリティが高かったと思います。
次回から通常営業に戻りますww


④「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」(2017・スペイン) 71点
El bar / The bar (Spanish)
3/15 シネマート新宿「シネ・エスパニョーラ2017」


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コレ今回のスペイン映画祭で一番面白かったヤツ!(まだもう1作品残ってるけどw)
ソレもそのハズ!「刺さった男」(2012)「スガラムルディの魔女」(2013) のアレックス・デ・ラ・イグレシア監督最新作。


[↓アレックス・デ・ラ・イグレシア監督2作品劇場感商事の感想]


この監督の作品、ワタシは本作も含め3作品しか見たコトないんだけど。
なんだか一番マトモだったような?ww

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この監督、毎回毎回シチュエーションが突飛で。
ローマ遺跡の真ん中で鉄骨に刺さったまま全編、だったり。
郊外の魔女村での一夜だったり。お国柄?と思ってしまうんだけどw

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今回は期せずしてバルに閉じ込められてしまった行きずりの8人。
どの国でも、都会でも田舎でもあり得るシチュエーション。
観客が誰でも想像つきやすいというか、身近に起こりうるハナシ。

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それだけに、登場人物の行動や物語りの展開に集中できる。
ややや、本作も充分に突飛なハナシではあるんだけれどもw

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サスペンスフルな展開のワリに最初からコメディ乗りで、場内は何度も爆笑の渦w
副題の「街角の狙撃手と8人の標的」は何なのか?を書いちゃうとネタバレなので書きませんが。
オープニングタイトルに既に大いなるヒントがあるのだけれど、ワタシは苦手な映像だったので九割方目ぇ瞑ってましたww

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でもネタバレが解けたトコロで面白さ半減なワケでもなく。
ワンシチュエーションによる人間たちの心理ドラマがメイン。
「12人の優しい日本人」的な (ココは敢えて「12人の怒れる男」(1957) では無く)、それぞれ表の顔に隠れた欲や自己防衛本能による奇行がジワジワと炙り出される可笑味が妙にハマってしまって、ワタシも劇場でゲラゲラ大笑い。



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そして又↑コイツにやられた!!
「ザ・レイジ」「インビジブル・ゲスト」のマリオ・カサスがココにも!?

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コレも調べるまで全然気付かずww
なにコイツ〜〜?!と思って調べてみたら、↓コレ全部マリオ・カサス!

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……段々トム・ハーディに見えてきましたよw
嗚呼、ちょっとこのスペインのトムハ、追ってみますかな。

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③「クリミナル・プラン 完全なる強奪計画」(2016・スペイン) 57点
Plan de fugat / Escape plan (Spanish)
3/15 シネマート新宿「シネ・エスパニョーラ2017」


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この作品に関しては、本国スペインの公開よりも約1ヶ月も早く、日本が世界初公開だそうで。
随分ガンバったなシネマートよ!w

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プロの金庫破りビクトルは、スイス銀行の3000万ユーロを奪う計画をロシアンギャングから持ち掛けられる。

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首都マドリッドで繰広げられる、ギャングと一匹狼と警察の三つ巴!
……と思いきや、コレって潜入捜査もの。
……と思いきや、実は!?
ってゆうどんでん返しクライム・アクション。

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その展開がチョイと説明不足というか…
知らん俳優さんばっかりだし、展開も分かり辛いしで
たぶん全貌の半分くらいしか理解してないんじゃなかろか、ワタシww

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でもね、ソコを深く追求しなければ結構楽しめるクライムアクション。
セリフやテロップで説明するのは野暮とばかりにビジュアル重視でゴリ押しするので、
アレコレ推理するというよりも、テンポも格好良い!と気楽に楽しめば良いのかな



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素敵ハゲ親父たちとスペイン美女、結構ベタな作りが格好良い画面に乗せて展開される爽快なクライムアクション!
……とばかり思っていたら!

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また出た!スペイン俳優カブり!
先日の「ザ・レイジ」のお兄ちゃんが、今回は刑事!主人公ビクトルの潜入捜査を署内から支える司令塔。

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↑上が「ザ・レイジ」でのダメ兄貴。
↓下「クリミナル・プラン」では警察幹部。
この変装 (?w) は反則でしょう〜
ルイス・トサル。先日「未体験ゾーンの映画たち2017」開催中に見た「バンクラッシュ」(2015) にも出演してたらしく……全然憶えてナ〜イw

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②「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」(2016・スペイン) 64点
Contratiempo / The Invisible Guest (Spanish)
3/15 シネマート新宿「シネ・エスパニョーラ2017」


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IT長者の実業家ドリアが山奥のホテルで目覚めたとき、愛人が同じ部屋で殺されていた。
裁判で無罪を勝ち取るために、ドリアは敏腕の弁護士グッドマンに事の全貌を打ち明ける…

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ひとつの密室殺人事件を発端に、二重三重にも展開される駆け引きと嘘。
こういう引っかけものって、見ている間は深くは疑わないようにしてるのだけど。(なるべく引っ掛かって楽しみたい派なのでねw)

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……まぁ大オチは分かっちゃうよね〜〜!!ww
だとしても予想外の展開が何度も何度もあって。

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副題の「悪魔の証明」ってのは犯人の裏の顔って意味なのかな〜“悪魔”って程でも無いよな〜
なんて思っていたのですが。
「悪魔の証明」とは「存在しない事実の証明」という意味らしく。
弁護士が考えた“無罪放免”で逃げ仰すための理論らしい。

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結局は主人公と弁護士が部屋で喋ってるだけのワンシチュエーションものに回想を差し込んだ作りなのだけど。
視点が変われば回想シーンも変わってきたり。
そもそも主人公を全面的に信じで良いの?とか弁護士側の切り口に「そうきたかー!」と膝を叩いたり。
ジワジワ楽しめる作りになってました!

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それよりも何よりも!
この日ほんの何分か前に見た「ザ・レイジ」の主人公と今回の主人公が同じ俳優だった!!
↑コレがこの映画一番のどんでん返しww
やぁ〜〜全然気付かんかった!さっき調べてて、初めて知りましたよ〜〜〜(まだニワカには信じていないw)

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↑上が昨日のブログ「ザ・レイジ」の主人公、↓下が今回の主人公。
ギャングのペーペー(末っ子)と大金持ちの青年実業家(IT長者)の演じ分けが凄いw
どちらもマリオ・カサスさん2016年の作品……おぬし、役者よのぉ〜〜

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現代スペイン映画の祭典「シネ・エスパニョーラ2017」が3/25から2週間限定でシネマート新宿にて開催中。
初日+2日目で全5作品を一気見して来ました!


①「ザ・レイジ 果てしなき怒り」(2016・スペイン) 58点
TORO (Spanish)
3/15 シネマート新宿「シネ・エスパニョーラ2017」


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主人公は三兄弟の末っ子、アンダルシアのギャング団から抜け出したい青年トロ。
ボスの命令で強行した強盗が失敗し長男が死亡、次男は逃げ仰せたが三男のトロだけが捕まり、これを機にギャンクから抜ける決意をする。

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5年の刑期の後に仮釈放され堅気に働くトロの元に、次男のロペスが助けを求めて来る。
ギャングの金を横領していたことがバレ、娘を人質に取られていると言う。

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はじめは裏切った兄ロペスに反発していたトロだったが、可愛がっていた姪を見捨てる訳にも行かず渋々協力するうち、ギャングにも見つかり共に追われる身となる。

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スパニッシュ・ハードボイルド・バイオレンス・アクション。
お笑い要素一切ナシで男の美学炸裂!な画のオンパレード。

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ハナシはオーソドックスでノスタルジックだが、画ヅラは決して古臭くない。
スペインの乾いた空気感も手伝って、ハイセンスでスタイリッシュ。

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……でもな〜〜いかんせんハナシの抑揚がイマイチで、どうしても眠くなるw
格好良過ぎて無駄な画が多いのよね。

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アクションや雰囲気が良いだけに惜しい!
ボスの小道具とかな。そういうビジュアルセンスは抜群だった。



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……にしてもこの末っ子トロ、気が短くてすぐキレる。
キレたら手が付けられない暴れん坊。
これきっと、お兄ちゃんの事件無くても堅気で居られた期間は短かったと思う!ww