国民の信頼失った首相の退陣は当然だ | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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木曽の清流に映え、心触れ合う躍動都市;愛知県一宮市に活動拠点を置く、尾張エクセルです。保守政権を応援しつつ、経済・社会・軍事防衛まで、地域や国内、海外の気になる出来事や話題を、独断と偏見溢れる一味違った目線でブログ提供します。

小生も正会員である公益財団法人「国基研:国家基本問題研究所」の「今週の直言」に
去る8月19日付けで、小生が敬愛してやまない国基研理事長の櫻井よしこ氏が、以下
の論文を掲載されたので、一部加筆の上で今回のブログにて紹介する。
再選の可能性を模索した岸田文雄首相が自民党総裁選出馬を断念した。評価すべき実績
は少なくない。それでも不出馬の決断は正しいだろう。国民の信頼を回復できないまま、
岸田首相が低支持率に喘ぎ続けた理由は明らかだ。
2021年10月の政権発足以降、岸田氏は 衆参両院の選挙で圧勝して、次なる選挙の
心配をせずに、日本をまともな独立国家にするための「憲法改正や皇位継承安定化」に
心置きなく取り組める「黄金の3年間」を得た。
だが、岸田氏は天が与えた貴重な3年を無駄にした。
<進まなかった憲法改正と皇位継承安定化>
我が国は今、かつてない危機の中だ。米国の力は依然として世界一だが、大国の権威は
どこに行ったのか。次期大統領が誰であれ、米国は、かつての強くて権威ある国には戻
れまい。「米国が世界の秩序,安全,普遍的価値観に責任を持つ時代は戻らない」との
覚悟が必要だ。
百年に一度の大変化の前にあって、日米欧は最大の脅威である中共に備えなければなら
ない。中共,ロシア,北朝鮮,イランは連携を強化し、戦後秩序の塗り替えを目論む。
彼らは核使用を戦略に取入れ、宇宙も深海も制覇しようとする。その上で中国共産党の
価値観への従属を求めるだろう。この戦いに敗れた時 私たちは過酷な運命に直面する。
歴史を振り返れば、我が国は白村江で「百済」と連合し 「唐・新羅連合軍」と戦った。
蒙古襲来を防いだ。キリスト教伝来時 イベリア半島諸国との「宗教戦争」にも勝った。
日清・日露戦争、大東亜戦争も戦った。対外的危機が生ずる度に、我が国は 軍事力と
現実直視の才覚でこれを克服してきた。
精神的には白村江の戦いのあと、国家防衛の決意を固めた。古事記,日本書紀を編纂し、
中華世界と訣別した。それから1300年以上たち、私たちは 改めて中華世界と対峙する
時代を迎えている。にも拘わらず、我が国は歴史上初めて自らの持てる力を発揮しよう
とせず、第三国に国家の安全を依存する。
「連合国軍総司令部(GHQ)起草の憲法の下、自ら「自衛隊を軍隊ではない」と規定
して、軍事力の正当な行使を困難にする警察法体系の下で、岸田首相は「非核三原則や
専守防衛」を強調し続けた。
他方、国民に向かって首相は「憲法改正を自分の任期内に実現する」と誓った。我が国
の国柄の基盤をなす皇室の皇位継承安定化のための法整備も再三公約した。だが一歩も
進んでいない。首相の発言は「自らの支持基盤を維持しようとするだけのもの」だった。
その言葉には、「もはや信を置けない」と認識した保守層が離れ、ついに戻らなかった
のは当然だ。
<次の指導者は国家再生に命を懸けよ>
この国難は、憲法改正なくして乗り越えることは難しいが、岸田首相は 最重要の問題を
先送りし続けた。世論にばかり気を取られ、眼前の課題にこだわり続けた。
日本が直面する国家存続危機の深刻さを認識できないのは、おそらく 岸田氏が歴史観も
国家観も欠落させているからだ。
岸田氏の後継たる新指導者は、我が国の歴史を貫く自主独立の精神、道義国家としての
価値観に基づき、日本国再生のため命懸けで憲法改正に取り組むべきだ。