カマラ・ハリス副大統領は、アメリカの政治家として新しい時代を象徴する存在である。
彼女は「女性初、黒人初、インド系アメリカ人初の副大統領」として歴史的な地位に立つ。
しかし、彼女の評判は必ずしも芳しくはない。 |
ハリス副大統領は、バイデン政権発足から3年半が経過しているが、政権内で与えられて
いる担当政策は複雑であり、具体的な成果にはつながっていないままだ。彼女の影響力は、
十分に発揮されていなかったと言えるだろう。しかし、民主党は バイデン氏が大統領選挙
戦からの撤退表明後に、どうやら正式な民主党代表候補に祭り上げられたようである。
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一方、ハリス副大統領は「不法移民問題など政権の難題を特命的に担当してきたが、期待
されたほどの実績を上げていなかった」との評価もある。歴代の副大統領は長い政治経験
を持っており、議会対策を担当することが多い中で、ハリス氏は、上院議員を1期務めた
だけであり、「経験不足」との評判がついている。 |
さらに、彼女が大統領に次ぐ地位に登り詰めた初めての女性であることや、インドとジャ
マイカの移民家庭出身なことも、一部の有権者に違和感を与えている可能性があるのだ…。 |
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<〇良い評判> |
①歴史的な存在;初の女性副大統領、アフリカ系およびインド系アメリカ人 |
②多様性の象徴;多様なバックグラウンドを持ち、アメリカの多様性を体現 |
③強力なリーダーシップ;カリフォルニア州司法長官や連邦上院議員としての経験 |
④社会正義の擁護者;単一医療保険制度や大麻の合法化、不法移民の市民権への道など、
社会正義に関する政策を支持 |
⑤外交経験;副大統領として、欧州や中南米、東南アジアなどへの外遊を通して外交経験 |
⑥バイデン政権のパートナー;バイデン政権の副官として、インフレ削減法やコロナ観戦
症救済資金を含む政策の可決に貢献 |
⑦若い世代へのアピール力;次世代のリーダーとしての期待・ |
<●悪い評判> |
①メディア対応の不適さ;記者会見やインタビューでの攻撃的な態度で、「冷淡や傲慢」と
いうネガティブなイメージ |
②移民問題での失言;初外遊でのグアテマラ訪問中に、「アメリカ国境に来ないで」とか、
「来ても追い返されるだけ」と不愛想に発言して批判を浴びた |
③管理能力への疑問;副大統領室の混乱や幹部スタッフの辞職が続出し、2021年には
政策チーム幹部が一斉に辞職 |
④民主党内からの批判;特に左派からの支持が低く、政策上の厳しい踏み絵を踏まされる |
⑤不人気の高さ;世論調査での支持率が低く、不支持率が高い |
⑥女性・少数派への偏見;初の女性副大統領、アフリカ系およびインド系アメリカ人という
歴的な存在だが、その多様性が一部有権者からの偏見や差別の対象に |
⑦副大統領の特性・大統領職の継承、上院議長の兼務、特使としての外交活動、特定の政策
課題の主導~いずれも大きな成果なし |
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バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明したことを受けて、ハリス副大統領は7月21日
に声明を出した。 |
この中で「私は、アメリカ国民を代表し、バイデン氏の大統領としての並外れた指導力と、
数十年にわたる我々の国に対する貢献に感謝する。バイデン氏が成し遂げた偉大な功績は、
アメリカの現代史において比類のないもので、『2期を務めた、他の多くの大統領の功績を
凌ぐ』ものだ」として、バイデン氏を称えた。 |
その上で、バイデン氏が民主党の大統領候補としてハリス氏を支持したことについて「バイ
デン大統領の支持を得られたことを光栄に思う。この指名を勝ち取るつもりだ…」として、
党の候補者の指名獲得に意欲を示した。 |
そして「わたしは全力を尽くして民主党を、そしてわれわれの国を結束させ、トランプ氏を
打ち負かす」としている。 |
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誰が次のアメリカ大統領がなるかは、日本の政治、外交、経済に与える影響も大きく、日本
の指導者ばかりでなくて小生も高い関心を払わざるを得ない問題であろう。 |
そうした中で、「もしトラ」という言葉が流行って久しいが、1期目と同じように国家的な
エゴとでも言うべき「アメリカ第一主義」を掲げて、「関税の大幅引き上げや反・カーボン
ニュートラル政策」を公約する一方で、具体策を言わずに、ロシアのウクライナ侵略やイス
ラエルのガザ地区への攻撃を「電話1本で終わらせて見せる」などと広言して憚らない トラ
ンプ氏が再び米国大統領の座に就くことになれば、世界と日本が大変な混乱に巻き込まれる
ことはおおいに危惧すべき点である。 |
これに対して、選挙戦からの撤退を表明したバイデン氏に代わって、民主党の大統領候補と
して急遽、トランプ氏と対峙することになったハリス氏が、「いったいどれぐらい信頼でき
る人物なのか?」という点も、おおいに気になるところである。 |
尤も、マスコミはここ数日間に、ハリス氏を持ち上げた報道ばかりを繰り返しているところ
には、小生は胡散臭い匂いを感じるのであるが…。 |