大きな政治は復活するか | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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木曽の清流に映え、心触れ合う躍動都市;愛知県一宮市に活動拠点を置く、尾張エクセルです。保守政権を応援しつつ、経済・社会・軍事防衛まで、地域や国内、海外の気になる出来事や話題を、独断と偏見溢れる一味違った目線でブログ提供します。

小生が愛読する日経新聞の6月13日付朝刊のマーケット総合欄の「大機小機」に
掲載された記事には、なかなか興味をひかれたので、一部加筆の上で紹介する。
通常国会が閉会。9月の自民党総裁選や、解散時期次第では、年内か来年秋までに
行われる衆院選、来年夏の参院選が続く。選挙ラッシュの今後1年余りで「大きな
政治」は復活するだろうか。
岸田文雄首相の支持率低迷は、派閥のパーティー問題が直撃したせいだけではある
まい。国会答弁にすきはないが、外交・安保は別として国内政策が「小さな政治」
に終始しているからだろう。
その一例をあげれば、社会保険料の実質的な引き上げで 、ども政策の財源を確保
することがある。個人や企業が負担する健康保険料の一部を「子育て基金」に拠出
するのだが、負担が増えないと強弁するほど有権者の将来負担への疑問は膨らむ。
防衛費増額の財源も、歳出削減では足りず、結局は先々の法人税などの増税も当て
込んでいる。今月から原則1人当たり4万円の定額減税が実施されるのだが、負担
が増える保険料引き上げの一方で、足元の負担軽減のために減税を急ぐというわか
りにくさは、ありがたみを半減させる。
子ども政策にしろ防衛予算にしろ、子育てのしやすい社会や国民の安全を実現する
という目標がある。国民に「便益を増やすために負担を求めたい」と率直に説明し、
理解を得ることが大きな政治だろう。
遡れば2012年に当時の民主党政権が自民党、公明党との3党合意で「社会保障
と税の一体改革」を実現して以来、大きな政治は表舞台に出ていない。

「アベノミクス」も、3本目の矢の構造改革を実現できなかった。国会での追及が
あら探しにとどまる野党にも責任がある。

 
再び大きな政治が問われるテーマが待つ。それは、社会保障審議会で始まった20
25年の「年金改革の議論」である。
2つの大きな論点がある。
1つは将来の年金の給付水準の低下を抑える為に、59歳までの年金保険料の支払
期間を64歳まで延長するかどうか。
もう1つは専業主婦ら会社員に扶養される配偶者を対象にした「国民年金の第3号
被保険者制度」を廃止するかどうか。
今のままなら現役世代の収入に比べた年金の受取額が落ち込むし、公平性からみて
専業主婦の特別扱いには限界がある。現状の課題を説明して、国民に改革を呼びか
ける指導者は出ないものか。
「選挙に負ける!」と、口をつぐむのは言い訳にはならない。