JR東日本の「みどりの窓口削減凍結」に… | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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JR東日本が、4月30日発表の「2024年3月期決算および経営戦略説明資料」に
よると、自社新幹線のチケットレス利用率は 2024年3月期で56.4%、きっぷの
「えきねっと」取り扱い率も55.2%と 過半数となった由。2028年3月期までに
チケットレス利用率を75%に、きっぷの「えきねっと」取り扱い率を65%にすると
いう目標だという。
オンライン予約への移行は着々と進み、「もう非効率な窓口はいらない」と考えていそ
うである。しかし、他の交通手段に逸走した窓口利用者がいた為に、相対的にチケット
レスやオンライン予約の比率が上がった結果なのかもしれない。
5月7日には、JRグループの旅客会社は大型連休(4月26日~5月6日)の、新幹
線と特急の利用状況を発表した。前年同期に比べて102%の微増、新型コロナの感染
拡大前の2018年と比べると95%の回復となった。
コロナ禍の2020年は大幅な減便があって、それでも乗車率0%の列車があったとか、
プラットホームに行列がないなどと報じられていた。それから4年経過して、漸く列車
や駅に賑わいがが戻ってきたようである。
需要が回復した副作用として、大型連休前に「みどりの窓口」などJRのきっぷ売り場
は大混雑となったという。今年の「みどりの窓口」の大混雑の理由は、鉄道旅行需要が
コロナ禍以前のレベルまで回復した一方、「みどりの窓口が激減している」からである。
JR東日本では2021年5月時点で、440あったみどりの窓口が、現在は209に
なった。半減しており、混むわけである。駅の窓口廃止を急ぎすぎたのだろう。
「みどりの窓口」がなくても 「指定席券売機」,「多機能券売機」,「話せる券売機」が
あるというけれど、利用者はまだインターネット予約や指定席券売機に慣れていない。
各券売機のインターフェースも不親切だ。技術者の先走りで、利用者目線が足りない。

 
JR東日本が、5月8日の定例社長会見にて 「みどりの窓口の削減方針を凍結する」と
発表した。「お客さまにご迷惑をおかけした」と謝罪の言葉もあったという。
「デジタル化・チケットレスへの移行」を目指すて有人窓口の削減してきたが、繁忙期
の混雑が深刻化して利用者から苦情が殺到した由。
ひとまず凍結して良かったと思う。だが、凍結だけでは今まで通りなのである。大混雑
を解消するなら、むしろ増やさなくてはいけないだろう。
既に廃止したみどりの窓口のうち、今も設備が残る10数か所を「臨時窓口」としての
復活も検討しているようである。
「使い勝手の悪いネット販売システム」の改修を怠って、拙速に取り組んだ「デジタル
戦略の誤算」の結果であろうが、顧客目線に立った改善が欠かせないと思う。
小生は、窓口を減らすことには反対である。もし減らしていくのであれば、「指定席券
売機では窓口と同じサービスレベルを維持すべきだ」と思う。まさか「窓口に並ぶ人々
は機械に慣れない年寄りばかりだ。そのうちにいなくなる」とでも思っていないのか。
クレジットカードを使えない人,使わない人,機械の操作が苦手な人は、まだまだ たくさ
んいるのだ。
JRは、「指定席券売機を用意すれば、お客さまがすべて窓口から移行できる」と考え
ているのだろうが、実態は「窓口しか使えないお客さまを切り捨てる」ことになるのだ。
これは商売のやり方だけではなく、公共交通のあり方としてもおおいに問題である。
デジタル化は時代の流れである。だが、やみくもに「緑のまどぐち」削減を進めたせい
で、残った窓口は長蛇の列だ。券売機の前では、若者も困惑している。IR東が、窓口
縮小計画の凍結に追い込まれたのは当然ではないか。
どうせ改革に挑むのなら、「鉄ちゃん」を唸らせるような「最長片道切符もお手の物」
という、アプリや券売機を開発したらいかがだろうか。