円相場:1$=155円~ドル高が主導して | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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外国為替市場では、円相場が154円台にまで下落している。1990年6月以来の
「円安・ドル高」水準である。欧州の「ユーロ」や、英国「ポンド」などの他の主要
通貨も対米ドルで下げ、「ドル独歩高」の様相である。
強い経済指標で米国での利下げ観測が後退する一方で、欧州は6月にも利下げに踏み
切る可能性が高まっている。
また、中東情勢の緊迫化もドル高を促している。市場のリスク回避ムードで「有事の
ドル買い」が広がった模様である。世界最大の経済大国である米国ドルは、「基軸通
貨」と呼ばれて、危機時に安全資産として買われやすくなるためである。
足元の動きは、「円安」というよりも、「ドル高」主導である。幅広い通貨に対する
実力を統合した名目実効為替レート「日経通貨インデックス」では、米ドルの上昇率
が直近1週間で1%に迫っている。ユーロや日本円に加えてブラジルレアルなど新興
国通貨は、同期間に下落した。
足元でドル独歩高が進む背景には、主に2つの要因がある。それは、「遠のく米国の
利下げ時期」と「地政学リスクの高まり」である
。米国物価指標が市場予想を上回る
伸びを見せて、「米国連邦準備理事会(FRB)」の6月利下げ開始観測は、一段と
後退した。現在は「7月利下げ開始予想」が多く、年内の利下げ回数も3回予想から
2回へ減少しつつあるようだ。
市場では、「日銀による為替介入」への警戒が一段と強まっている。目先の焦点は、
政府・日銀が円買い介入に踏み切るのかどうか」である。ドル高が主導する局面で
介入しても効果は薄いうえに、G20開催前や期間中に実施すれば、「為替操作」と
して米国などから批判を浴びかねないのである。このため、「G20開催前や期間中
に政府は動きづらい」という観測から、為替市場では「円を売ってドルを買う」動き
が続いている。
日米の金利差から、「低金利の円を借りて高金利通貨のドルで運用して金利差利益を
稼ぐという円キャリー取引
」は続きやすいために、投機筋もドル買い持ち高を一気に
縮小するとは考えにくいのであろう。政府の新しい防衛ラインとして「155円」が
意識される中で、市場は政府の介入本気度を試しているのだろう。それにしても…。