「立春(りっしゅん)」は二十四節気において春の始まりとされる日で、「節分」の 翌日である。2024(令和6)年の立春は2月4日。 |
立春とは、二十四節気において、春の始まりであり、1年の始まりとされる日である。 期間としての意味もあり、この日から、次の節気である「雨水(2月19日)」の前 日までである。 |
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立春の前の日が「節分」である。節分とは季節が始まる前の日のことを指していたが、 現在では、立春の前日だけを「節分」と呼んでいるようだ。節分の日には、豆まきを 行って邪気や厄を払い、年の数だけ豆を食べて1年の無病息災を願う。また 昨今では 「恵方巻き」も欠かせない存在である。 |
立春の朝に禅寺では門に「立春大吉」の邪気を追い払うと言われる縁起の良いお札を 貼る。これは、曹洞宗開祖の道元禅師の「立春大吉文」という書の法語が起源という。 |
立春の日に、お寺や民家の軒先で見られる「立春大吉」と書かれた紙。これは禅寺の 習慣で、魔除けのために貼られたお札である。なぜ魔除けになるのかというと、表か ら見ても、裏から見ても「立春大吉」と読めることから、鬼が門から入って振り返っ たときに、同じお札の文字が見えるため、「まだ入っていない家があっちにある!」 と勘違いして、入ってきた門から出て行ってしまうためだといわれている。 |
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「二十四節気」をさらに3つに分けた「七十二侯」は、「立春」の間に 以下のように 移り変わる。 |
①初侯:東風解凍(はるかぜこおりをとく)2月4日頃 |
東風(はるかぜ、こち)とは、春から夏にかけて吹く東寄りの風のこと。東風が吹き、 氷が解ける頃という意味である。東風が吹くと寒さが緩むため、「春を告げる風」と して春の季語になっている。 |
菅原道真の「東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘るな」という歌で 有名である。 |
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②次侯:黄鶯けんかん(うぐいすなく)2月9日頃 |
鶯が鳴き始める頃。春先に「ホーホケキョ」と優雅にさえずる鶯は、「春告鳥」とも 呼ばれ、その初音(はつね)を昔から心待ちにしてきた。 |
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③末侯:魚上氷(うおこおりをいづる)2月14日頃 |
割れた氷の間から、魚が飛び跳ねる頃。冬の間、水の底でじっとしていた魚たちが、 水温が上がってくると浅いところに移動し、飛び跳ねる様子を表している。 |
閑話休題。「旧正月と立春とは 時期が似ていて混同しがち」だが、同じではない。 |
旧正月は、月の満ち欠けに基づいた暦「太陰太陽暦」において、1月1日のことを 指す。一方で立春とは、太陽の運行によって決められた 二十四節気においての春の はじまりの日のことである。 |
ちなみに2024年の旧正月は2月10日である。 |
「暦のうえでは春」とはいえ、春が産声をあげたばかりで寒い日が続く。立秋以降 の暑さを「残暑」というように、立春以降は「余寒」となる。 |
また、立春から春分の間に初めて吹く 南寄りの強風を「春一番」と呼ぶ。気象庁で は、風速8m以上の風が吹き、前日より気温が上がった時に春一番を発表している。 |
ところで、「雛(ひな)人形は 立春を迎えたら飾り始めてもよい」といわれている。 ひな祭りには、春の訪れを祝う意味があるために、暦の上で春になる立春を過ぎれば よいからである。立春は期間であるから、立春初日でも、その後の都合のよい日でも 構わないそうである。 |