波乱の幕開けの令和6年の展望 | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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木曽の清流に映え、心触れ合う躍動都市;愛知県一宮市に活動拠点を置く、尾張エクセルです。保守政権を応援しつつ、経済・社会・軍事防衛まで、地域や国内、海外の気になる出来事や話題を、独断と偏見溢れる一味違った目線でブログ提供します。

2024(令和6)年は波乱の幕開けだった。元日には震度7の「能登半島地震」が発生。
翌日;1月2日の夕刻にはその救援に向かう海上保安庁の飛行機が、羽田空港C滑走路で
日航機と激突炎上し、海保職員5人が死亡した。しかし、着陸直後に海上保安庁の航空機
と衝突し炎上した日航機は、幼児8人を含む乗客367人と乗員12人の計379人は、
全員が機体から奇跡的に脱出して、いずれも命に別条はなかった。まずはよかった。

 
1月15日現在、能登地震では死者が222人、26人の安否不明者もおり、2万人近く
の被災者たちが避難所生活を送っている。今後も国を挙げて被災地支援をしなければ…。
自衛隊は7千人規模で被災地支援に全力を挙げている。現地では、道路が寸断されている
ため、航空機49機と艦艇9隻を最大限活用しているのが特徴だという。
寸断されていた道路が一部復旧したため、自衛隊は陸路でも入れるようになったが、孤立
集落へ人員や物資を運ぶ手段の中心となっているのはヘリコプターである。しかし、能登
空港が使用可能になって、輸送機による車両や大量の物資空輸も可能になろう。さらに、
海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」に搭載するエアクッション艇;「LCAC」が、道路の
復旧作業のための重機を輪島市の海岸に陸揚げするなどの映像もTV報道で流れている。
今回は自衛隊がこうした映像を積極的に出している印象がある。奥ゆかしいのは日本人の
美徳かもしれないが、やはりこういうPRは大事である。現場の隊員が頑張っている姿を
「背広組」はもっとアピールすべきだし、防衛省の政務三役経験者などは なぜもっと自分
のSNSなどで発信をしないのか。
 
岸田文雄首相は1月14日に、能登半島地震で被災した石川県を訪問した。小松空港から
自衛隊のヘリコプターで被害が大きかった輪島、珠洲両市の状況を上空から視察し、輪島
市立輪島中学校や珠洲市立緑丘中学校の避難所を短時間訪問し、被災者から意見を聞いた
という。また、金沢市の県庁で馳浩知事らと対応を話し合った由。
首相は自ら確認した現地の状況やニーズを対策に反映させる。避難所での衛生環境の向上
や健康管理を徹底し、県内外の旅館やホテルを活用した2次避難所に、一時的に移るよう
に高齢者らへ促す。…だが、そうスムーズにはいかないだろう。
ところで、岸田内閣の支持率だが、共同通信社の1月13~14日の全国電話世論調査で
案の定、少しだけ上昇したという。「大災害時にリーダーへの期待が集まるのは当然」と
いうことを割り引くと、3回連続の20%台の支持率27%という数字は予断を許さない
だろう。せっかくの震災地への初視察が、あまり評判はよくないらしいようである。
 
災害や事故で得た教訓を未来に生かすために政治は何をすべきか。だが昨年は、岸田内閣
の支持率が複合的な要因で下がったうえに、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件
が起きて、政治に対する信頼は地に落ちている。
「岸田さんは、3月の予算が上がるまでで終わり」などとの声も上がり、首相交代は時間
の問題と見られていたが、それどころではなくなったのではないか。震災の復興、新たな
地震への備え、羽田空港の管制の強化など政治がやるべきことは山積しているからだ。
政治資金規正法の改正や派閥のあり方なども決定することも、相当 厄介な仕事であろう。
現在の自民党には、トップを代える余裕はないと小生は思う。
自民党総裁任期は9月末で、そして来年は衆院の任期10月末で、参院が7月末である。
「岸田文雄首相は総裁選には出られず、新首相で衆参の選挙を戦う」と見られていたが、
ポスト岸田の名乗りは上がらず、このままでは総裁再選も視野に入るのではないだろうか。
今年の日本政治は、「次」がなかなか決まらない不安定な状況が続くことだろう。
 
閑話休題。今年の世界は波乱要因が多いだろう。その最大のものは11月に行われる米国
大統領選挙だろう。予備選挙が始まって、共和党はトランプ候補がリードしているようだ。
トランプが勝てば世界は再び混乱するだろうし、81歳のバイデンが勝っても、4年後は
85歳で職務を全うできるのか甚だ不安だ。どちらが勝っても「ただではすまない」かも。
何より心配なことは、トランプ復活の場合に、岸田首相は 安倍晋三元総理のようにうまく
「あしらえる」のか、ということである。安倍元総理は、トランプとうまく付き合ったが、
トランプも最初のうちは「在日米軍は撤退」など無茶苦茶ことを言っていたのを思い出す。
今度も、何を言ってくるかわからない。岸田首相以外にも、トランプを「あしらえる」こと
ができる政治家が、今の日本にいるのだろうか。
一方で、欧州では移民の受け入れ過剰によって治安や財政の悪化が深刻な問題になり、極右
政権が誕生したり、与党の支持率が下がるという現象が起きている。
2024年の世界は、特に民主主義国家で「政治の弱さ」が目立つ年になるのではないか。