「THAAD配備」で、中・韓の「蜜月」に亀裂も… | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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米・韓両政府が7月初めに、北朝鮮の核・ミサイルの脅威増大に対抗するために、在韓米軍

への、地上配備型迎撃システム;「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備を正式決定したこと

に対して、中華人民共和国(中共)は即座に「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。

「お決まりの外交用語だ」とはいえ、この問題が持ち上がって以降、南支那海情勢を巡って、

緊迫する米中関係への跳ね返りにとどまらず、近年 蜜月が続いていた中・韓関係にも亀裂

が走っていることは否定できないだろう。

中共の反発は、「秋田沖の日本海に落下した北朝鮮による新たな弾道ミサイル発射(8月3

日発射)」に対する「国連安保理の対北朝鮮非難声明案が中国の難色で見送られた」など、

北朝鮮への圧力を強める国際包囲網づくりにも綻びを来しそうな雲行きだ。韓国の朴槿恵

大統領は去る8月15日の植民地解放記念日;「光復節」の演説で、「THAADの配備決定」

について、中共を念頭に「北朝鮮の無謀な挑発から韓国国民の生命を守るために選択した

自衛権的な措置だ」と力説したが、中共の習近平指導部の怒りは収まる気配がないようだ。

 

「THAAD」は、ミサイル発射装置や早期警戒レーダー;「Xバンドレーダー」などで構成され、

北朝鮮の弾道ミサイルを大気圏内に再突入する段階で撃ち落とす。レーダーは北朝鮮だけ

でなく、中共やロシアの国内まで探知可能だとして、中・ロは 「北東アジア国家の戦略的な

安全保障上の利益と地域の戦略的バランスを大きく損なう」などと非難を繰り返している。

 

そもそも、韓国が同盟国である米国の働き掛けによって「THAAD配備」に動きだしたのは、

北朝鮮が年明けに4回目の核実験を強行し、その後もミサイル発射などの挑発行動を繰り

返したためであって、米・韓両国は3月から配備に向けての公式協議を開始した。米・韓の

当局者は機会ある毎に、「北朝鮮以外の第3国には向けていない(朴大統領)」、「あくまで

韓国防衛のシステムで、中共・ロシアを狙うことはない(米国防総省高官)」と強調しており、

中・ロに理解を求めているが、全く聞く耳を持たないようである。

中共の大々的かつ執拗な韓国批判キャンペーンに対し、韓国;青瓦台の高官は「わが国の

純粋な防衛的措置を問題にする前に、挑発を重ねる北朝鮮に対して もっと強く問題を提起

するべきだ」と中共側に注文を付けた。

公平にみて 本末転倒の主張を続けるのは、北朝鮮の核・ミサイル開発で断固とした対応を

怠ってきた中共の方だろうと小生は感じる。

閑話休題。「矛盾」という言葉は、中国の故事に由来するのである。北朝鮮の危険極まりない

文字通りの「矛」に対して、標的にされる側はやむなく「盾」で備えようとする。「矛盾」を解決し

ようとするならば、「北朝鮮が開発をやめようとしない 核など大量破壊兵器への対処」が先決

なのではないだろうか。「矛」の開発や増備をやめようとはしない北の狂人に対し 「盾」を準備

して備えることは、国家としても止むを得ざる行為であろう。