「レモン市場」の経済を考える | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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「レモン市場 (lemon market)」 とは、経済学において、財やサービス等の

品質が買い手にとって未知であるために、不良品ばかりが出回ってしまう

市場のことである。


そもそもレモン」とは、アメリカの俗語で 質の悪い中古車を意味しており、

中古車のように、実際に購入してみなければ、真の品質を知ることができ

ない財が取引されている市場を、「レモン市場」と呼ぶ。レモンには、英語

で「良くない」とか「うまくいかない」意味があることから、転じて「欠陥品」、

「品行が悪い(女性)」を指すようになったという。

「レモン市場」にては、「売り手は、取引する財の品質をよく知っている」が、

「買い手は財を購入するまでその財の品質を知ることはできない(=情報

の非対称性が存在する)」のである。そのために、売り手は買い手の無知

につけ込んで、「悪質な財(=レモン)を良質な財と称して販売する」という

危険性が発生するために、買い手側は 良質な財を購入したがらなくなり、

結果的には「市場に出回る財はレモンばかりになってしまう」という問題が

発生するのである。


小生は、「日本ジェネリック医薬品学会」での、経済学でいう「レモン市場」

と、実際の後発品市場を対比検証する記事を見つけて、興味深く読んだ。

「レモン市場」は、去る2001年に「ノーベル経済学賞」の受賞者;「アカー

フ」氏の論文を起源とする経済学の原理である。「アカーロフ」氏は この

原理を,中古車市場を考えることで解明しようとした。

中古車市場には、「質の良い車」と「悪い車(レモン)」が入り交じっている。

そこで問題は,その車の質について、売り手側では承知しているが買い手

側には分からないという『情報の非対称性』が介在することだ。

著者の慶應義塾大学経営管理研究科;中村教授は、「ジェネリック市場は

中古車ほどではないが多分、品質はバラバラだ。情報の非対称性も 残さ

れている」、「ジェネリックの普及に当たっては、ぜひレモン市場という点を

頭に置いて欲しい」と強調していた。


直ちに、「ジェネリック薬品=レモン」と指摘をするわけでないが、小生は、

「ジェネリック薬品」の使用にはためらい感をもつ。