民主党政権の2年間を振り返って… | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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 「どじょう宰相」を自認する 野田佳彦氏が総理大臣になった。前評判は、

すこぶる良い。第新聞・TV等のマスコミは、連日にわたって「ヨイショ」報道

である。今回の小生のブログでは、民主党政権になってからの「おさらい」

をしておこう。各種の報道を見ても、こうした「皮肉な分析」をしているところ

は恐らくは見受けられないようであるから…。


①「鳩山政権時代」

 ちょうど2年前の晩夏、あの「政権交代」が起こり、鳩山首相が誕生した。

“鳩山”という名に対する世間の期待は極めて大きく、就任当初の支持率は

軒並み70%を超えていた。今では、信じられないが…。

 その鳩山氏は、政権交代の前;2009(平成21)年5月に小沢一郎氏に

代わって民主党代表となっていた。その小沢氏は 「西松建設疑惑」関連で

公設秘書が逮捕された件で党代表を辞任していた。

 当時は既に次の衆院選では 間違いなく政権交代が行われて、民主党が

与党になるだろう…と言われていた。従って、鳩山氏は「初代民主党内閣;

総理含みで党代表に就任」していたのである。

 だが、民主党のその決定は誤りであった。鳩山氏に「首相としての資質」

に決定的に欠けていたからである。だが民主党は、首相としての資質より、

小沢氏の顔を立てることを優先したのだ。そのための「失敗」であった。尚

民主党はこの失敗に懲りてか、その後は「小沢氏の影響を排除した代表」

選んでいるのだ。


 ところで、その誤まりは、普天間基地移設問題で“結実”してしまった。

本来なら解決していたはずの問題を、鳩山首相はその解を反故にし、更に

解決不能にしてしまった…。この問題は、少なくとも民主党政権が持続する

限り、時の内閣をむしばみ続けることであろう。腹案を持っていた筈の鳩山

氏は、結局 この問題を何も解決できずに、小沢氏もろとも辞任した。


②「菅内閣時代」

 その後菅内閣が発足したが、僅か1年余で消え去ったとはいえ、この内閣

以下の3期に分けられる

 ①平成22年6~9月 首相就任より党代表選前まで
 ②平成2年9月~平成23年3月11日 震災が起こる前まで
 ③平成23年3~8月 震災後

 菅直人氏は、根っからの民主党であり、庶民出身であり、叩き上げであり、

サヨクであり、余りに鳩山氏とは違っていた。そのせいか、就任当初の菅氏

の評判は、今の野田氏の如くすこぶる良かった。何と20%にまで 低下して

いた民主党内閣支持率は、いきなり60%台に上昇し V字回復と言われた。

 菅内閣の第一の試練は、就任後すぐの7月に行われた「参院選」だった。

だが時すでに遅く、この選挙は「大東亜戦争後期のマリアナ沖海戦」だった。

鳩山氏の大失政により、民主党には 10か月前の勢いは既になく、菅内閣

負けるべくして負けた。「消費税増税;10%問題」は、表面上のことにしか

過ぎなかった。小生は、この選挙失敗は、菅氏の責任ではなかったと思う。

 次の試練が9月の党代表選だった。この時の対抗馬は小沢一郎氏であり、

「横綱同士の直接対決」となった。当初は菅氏不利も伝えられたが、結局は

党員票の多くが菅氏に流れ、意外の大差で党代表に選出された。

 参院選で負けたとはいえ、菅氏は代表選勝利により、総理としてある程度

の「地固めはできた」といってもよいだろう。「民主党は懸命な判断をした」と

よいのかもしれない。

 が、その直後に起きた「尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件」で、菅内閣は、

処理に失敗した。仙石氏と共に「サヨクの馬脚」があらわれてしまったのだ。

多くの国民は、この事件で「菅氏のサヨク的性格」を垣間見てしまい、呆れ

果てたといってもよいだろう。

 そして本年3月は 「東日本大震災」が起きた。この処理、特に「福島第一

原発事故処理」で菅首相は迷走に迷走を重ねて、各方面からのブーイング

浴びたのは記憶に新しいだろう。内閣支持率は、10%台にまで落込み、

長期政権を狙っていた強気の菅氏も、さすがに総理の椅子を明け渡さざる

得なくなった。だが、6月から8月までの「粘り腰」と称される「権力の座」

へのしがみつき(=執念)は、大したものだとコメントしておこう。


③「そして野田首相へ…」

 前回の代表選に引き続き、民主党は小沢系を排除することに成功した。

「最初の選挙で小沢系に花を持たせ」ておいて、「決選投票で実を取る」と

いうなかなかの絶妙さだった。

 野田氏は、民主党の理性を具現する存在といってよい。小生も、民主党

議員の中では、野田氏を一番評価していた。菅氏よりも遥かに若いのに、

「軽薄なイメージ」がこびり付いていた菅直人氏とは異なり、心技体ともに、

重厚で落ち着いている印象がある。

 余計なことは言わず、黙々と仕事をする。そういえば、かつての小沢氏も

こんな人間だったはずなんだが…。さらには、誰かさんみたいに「敵を徹

底的に攻撃」したりはしないから、野党からの受けもよい。

 ダサい自らを「どじょう」に例えたことも、「うまい戦術」であったといえよう。

恐らく「金魚」に例えられたのは、前原氏だろう。柔道をやっていたらしいが

寝技はどうもあまり得意ではないようだ。実直にポイントを重ねていくつもり

だろう…。

 ただ、いかに野田氏が実直にやっていこうにも 民主党の凋落は避けられ

ないだろう。それは、民主党の戦略が間違っているから…。結局は 民主党

延命治療だろうが。

 戦争においては「戦略の誤まりを戦術で補うことはできない」という有名な

鉄則がある。民主党は、野田佳彦氏を代表に選ぶことにより 戦術としては

成功したが、そもそもの「戦略の誤まり」を正すことはできない。

 仮に今すぐに「衆院解散・総選挙」をすれば、野田人気によって、あるいは

ぎりぎりで民主党も勝てるかもしれない。しかし、震災の影響もあり、やはり

少なくとも来春あたりまではそれは不可能であろう。


 「ルーピ鳩山」氏も「ダメ菅」氏も、滑り出しは順調だった。さて、半年後に、

恐らく来年の春頃には、今の「野田人気」はどうなっているのだろうか?


 さて、本日;9月13日には臨時国会が召集されて、野田佳彦総理大臣が

所信表明演説をする。これからの展開が、小生は楽しみである。