相続人がいなくなった私有地は、最終的に国に帰属します。
これを法律的にいうと「国庫に帰属する」といいます。
詳しく説明すると
① 相続人がいない場合の流れ
- 土地所有者が死亡
- 遺言もなく、相続人もいない
↓ - 家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任
↓ - 管理人が公告(「相続人はいませんか?」と呼びかける)
↓ - 誰も名乗り出なければ、その財産(=土地)は
➡ 最終的に国庫に帰属(国のものになる)
これが「民法第959条」に基づく手続です。
② 法的根拠
民法第959条(相続人のない場合の財産の帰属)
相続人のないことが確定したときは、その相続財産は国庫に帰属する。
つまり、「誰も相続できない財産」は、国が最終的な受け皿になります。
③ すぐに国のものになるわけではない
「相続人がいないから即、国の土地になる」わけではなく、いくつかの段階を経て国に帰属します。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 所有者死亡 | 誰も相続しない状態 |
| ② 相続財産管理人の選任 | 家裁で申立(利害関係人などが行う) |
| ③ 公告・清算 | 管理人が債務整理や公告 |
| ④ 相続人不在確定 | 誰も現れない |
| ⑤ 国庫帰属 | 財産が国の所有になる |
④ 関連制度:令和5年施行「相続土地国庫帰属制度」
別の制度として、
「不要な土地を相続した相続人が国に引き取ってもらう制度」もできました。
(令和5年4月から施行)
これは「相続人がいるけど、土地を手放したい」場合の制度です。
「相続人がいない」ケースは、
こちらではなく前述の「民法959条」に基づく国庫帰属になります。