日時:平成30年10月16日(火) 18:00~19:30
アドバイザー:中谷常二先生
出席:(社会人)10名 (学生)3名

課題図書:エーリッヒ・フロム 「自由からの逃走」 東京創元社
    5章(2-3)、6章

第5章 逃避のメカニズム
 〇自分の意見が、本当に自分に発しているのか。マーケティングの話を聞くと偽の欲求、嗜好かもしれないと思ってしまう。
 〇知らなかったら行きたい、欲しいと思わないだろう。知ろうと思って調べるとマーケティングに乗ってしまう面もある。
 〇新聞やキャスターの意見を自分の意見と思っている人もある。
 〇新聞が先か、志向が先か。小学生くらいだと家にある新聞の影響を受けやすいのでは?
 〇本当の自分の意志というのはあるのか?
 〇新聞も、読んで同意できたら納得するし、読んで反発を覚えるものもある。
 〇ハラスメント研修で心理学におけるドライバーについて学んだ。人はそれぞれ親等に影響を受けて「完璧であれ」「人のためになれ」「テキパキせよ」などの心理的衝動(ドライバー)を持っているという。自分がどういうドライバーに支配されているのかを心理テストなどで確認して、人と接する時に注意することが大切だということらしい。
 〇大阪人特有の「よう知らんけど」は、相手が傷つかないように婉曲に言う言い方?
    -- 婉曲というより、間違ったことを言っていた場合に備えての保険のようなものでは?
 〇マクドナルドの従業員満足度は80パーセント超。笑顔は自主的? そんなわけ無い?
    -- 笑顔をすることで実際に気持ちがよくなる効果もあるので、あながち作り話でもないように思う。
 〇本当の自分て何なのか? 
    -- 本当の自分をどうやって見つけるか。夢判断が正しいとは思えない。
    -- フロムのやり方は消去法的かと思う。
    -- 自分は分からないが、潜在的なものはあると思う。
    -- 犯罪に走る人の意識
    -- 人の言葉を借りて話す
    -- 最後に残るのは自分がやりたいことではないか?
 〇人に期待される自分を演じることでいいという割り切りもあっていいのでは?
    -- そうすると疲れるということをフロムは言いたいのでは?
    -- テーマパークでバイトしてニコニコすることは悪いこととは思わない。しかし、それで楽しいと思うのもニセの感情のように思う。
    -- 感情というより演技? 自分に戻ると厳しい顔をしている。
    -- 今更本当の自分を知りたいとも思わない。企業では一定の役割を演じることが求められるし、夫婦生活でも求められる役割を演じている。
 〇日本では仕事は与えられるが、欧米では自分のやりたい仕事を求めて転職する。
    -- 家族の権威主義がドイツ、日本は共通。これがファシズムの元になったという説。
    -- しかし、生まれてきた社会を変えるのは至難?

第6章 ナチズムの心理
 〇 トランプ大統領と支持者の関係はヒトラーと下層中産階級の関係と酷似している?
    -- プーチン、習近平は? 
    -- スターリンは同じだったと思う。現在の大国では同じ事は起きないだろうが、カンボジアや南イエメンを考えると似たようなことが起こっているのでは?
 〇これから日本が世界的な戦争に巻き込まれる可能性はあるか?
    -- 一人ひとりが個人として自立することが大切。
    -- 大衆操作がしやすくなってきている。
    -- 日本のファシズムは個人が率いていない。ヒトラーのようなリーダーがいなくてもファシズムが起こると考えると怖い。
    -- 日本の天皇家は権威はあるが、中世以降は方向性を示したりはしていない。
 〇日本では強いリーダーシップを持つ独裁者は長続きせず、小集団の派閥運営に長けた人が上手くいくように思う。
    -- 企業では創業者は独裁が多いが、その後はマネジメントに長けた者が出ないと長続きしない。
 〇服従するという時には必ずサディズム的な支配が存在するものか?
    -- 今のアマチュアスポーツの問題はサディズムというより単なる利権追求では?
    -- 今の石炭火力に対するバッシングはサディズム的感情の表れのように思える。
    -- サディズムもマゾヒズムも相手を道具として見ているという点では同じ問題を抱えているように思う。
 〇リーダーシップイコール独裁というわけではなく、色々な人の意見を聞いて導くのは望ましいのでは?
 〇 人間は自信がない生き物では? やりたいことはあっても自分に自信がないのでラジオや新聞、他人の言うことに影響されるのだと思う。

以上(文責 北村)