4月から、メンタルクリニックでの心理士業務をしたことで、発達凸凹の方々とのカウンセリングが増えていて、それに伴って、学びの質も深まっています。

先日は、ASD(アスペルガー)の方の60分のカウンセリング。

(通常、1枠は30分ですが、話したい方や時間が必要な方は、2枠で実施できる仕組みです)


まず、目が合わない。

序盤の20分間、ひたすら、明後日の方向に向かっての独白。

そして、最初から、タメ口。

止まらないグチ・不満・しんどかった過去の思い出話。

前任者やいろんな引継ぎ資料にも、「傾聴、受容に徹すること」みたいな内容があり、前半は、とにかく、傾聴に徹しました。


流れが変わったのが、その方が、

「これは、精神学的知見として、合ってるか、わからないんだけど、、、」

と、つらい時期に、演劇のような、着ぐるみのような、そういうものに取り組んだ結果、つらさが消えた、というお話に対して、

「ちょっと、お話してもいいですか?」

と割って入って、

「引きこもりの若者が、着ぐるみを着て、募金活動を行うという企画に参加したところ、そこから、引きこもりを脱することができたケースがあるんです。そういう意味では、それはあると思いますよ」

と伝えたタイミングから。

そこで、初めて、目が合って、目の奥がキラリと光り。

そこからは、ばっちり、アイコンタクトを取りながら、話を伺うことができるようになりました。

とはいえ、それでも、40分までは、グチと批判のオンパレード。


時折、

「本当にすごい分析力ですね!」

「客観的に見る目がすごいですよね!」

「それは○○でしたね!」

「○○のようなイメージが浮かびます」

「あなたにとって、○○ってすごく大事なものなんですね!」

などなど、承認や共感、価値観や共感、直感からのイメージなどもお伝えし、相手の世界に入って話を聴くことを続けた結果、

「そうなんだよ。本当に、これまでは地獄のような世界で、今は天国にいるような感じなんだよ」

とのお言葉。


そこで、

「せっかく、今、豊かな状況なので、これからの残りの人生を、より豊かに生きるには、どうしたらいいか、一緒に考える時間にしませんか?」

と提案したところ、話の方向性が一気に変わり、まず一つ、実践項目を決めて、60分のカウンセリングが終了となりました。

※本人が特定されないように、内容はかなりぼかして書いています。

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前回は、そんな60分も含む、9名10枠の対応。

どちらかと言えば、グレーゾーンと呼ばれる状態の方の方が、苦しんでいるケースが多い印象。

(自他ともに、どうしていいかわからない、諦めきれないところもあるのかもしれませんね)

そこに対する特効薬、は、さすがにないかもしれないけれど、関わった方々が、より豊かに、日々を過ごせるようになるように、さらに学び、何かを伝えられるようになります!

「すべての人が、その人らしく輝ける社会の実現」を目指して。

今ここで、できることに心を込めて。

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『僕の妻は発達障害』の7巻、8巻が同時発売!



「これはもしや!?」と思ったら、やっぱりな内容が、巻末に書かれていました。

それはさておき。

ナナトエリさんと亀山聡さんという、素敵なご夫婦。

2人3脚で描かれたマンガだからこそ、こんなにも愛に溢れた作品になったんですね!

ステキなマンガ、ありがとうございました!

そして、次回作にも、期待しています✨