先日、
「頑張りすぎてしまって、手が抜けたい。もっと楽に生きたい、楽しみたい」
というお悩みをお抱えの方とのコーチングセッションがありました。
その方の了解を得ましたので、どんな内容だったのか、
対話形式で、ざっと、下記にまとめてみます。
コーチングの場のイメージも湧いたり、同じような課題を抱える方が、
少しでも楽に生きられるヒントになれば嬉しいです。
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コーチ(以下「こ」)
「今日は、どんなことをお話しになりたいですか?」
クライアント(以下「く」)
「はい。なんだか頑張りすぎてしまって、疲れてしまって・・・。
もっと上手に、手を抜けたらいいんですが、完璧主義な自分がいて、つい、頑張ってしまうんですよね。。。
もっと、楽に、楽しく、イキイキと生きていきたいんですが、それができない、というか。
つい、頑張って、息切れして、バテて、ダウンして、寝込んで・・・。その繰り返しで。。。
こんな自分でも変われるのかな、何とかしたいなと思って、今日はお願いしました」
こ「それはしんどいですね。つい頑張りすぎてしまう。完璧主義の自分が出てきてしまって息切れしてしまう」
く「そうなんです」
こ「完璧主義な自分のことを考えると、どんな気持ちになったり、何か浮かぶイメージとか、ありますか?」
く「なんだか、ものすごく頑張っている、肩肘張っている、肩に力が入って力んでいる、そんなイメージが浮かびます」
こ「へ〜、なるほど。なんか、よくわからないんですけど、ものすごく険しい表情を浮かべているような感じですね?」
く「そうですね。鬼の形相というか、阿吽の像のような、怖い顔をしている感じです」
こ「そんな自分を思い浮かべてみて、どんな気持ちになりますか?」
く「嫌ですね。なんで、そんなに頑張ってるんだろうって思います。もっと力を抜けばいいのにって」
こ「そうなんですね。そんな風に感じて、どんなお気持ちですか?」
く「悲しいですね。人生を楽しめていない自分が悲しいです」
こ「悲しいんですね」
く「はい。絶望というか、下を向いてしまう感じで、生きる気力がなくなっていきます」
こ「生きる気力がなくなっていく感じなんですね。。。しんどいですね。。。
今、体に意識を向けてみると、何を感じますか?」
く「脱力感。虚無感ですね。胸にぽっかり穴が空いたような。
ブラックホールに吸い込まれていくような、そんな感覚を感じています」
こ「その、胸に空いた穴、あるいは、ブラックホールに吸い込まれていく感覚を、しばらく感じてみてもらってもいいですか?」
く「はい」
・・・・1分ほど、感じてもらう・・・・・
こ「今は、どんな感じですか?」
く「手足の脱力感がすごいです。手足が重く、気だるい感じを感じています」
こ「その感覚を、もう少し、感じてもらってもいいですか?」
く「はい」
・・・・今度は2分ほど、感じてもらう・・・・・
こ「今は、どんな感じですか?」
く「先ほどより、少し軽くなった感じがします」
こ「その軽くなった感じを、しばらく感じてもらってもいいですか?」
く「はい」
こ「今は、どうですか?」
く「だいぶ軽くなってきました。羽が生えて、空を飛ぶような感覚を味わっています」
こ「いいですね! その感覚で、空を飛び回っているイメージを、もう少し、味わってみてもらってもいいですか?」
く「はい」
こ「今は何を感じたり、何をイメージしたりしていますか?」
く「空って、飛べるんだなぁって。空を飛んでもいいんだなぁって感じですね。
今まで、なんだか、自分で自分を縛り付けて、自分を飛べなくしていたような気がします」
こ「そうなんですね。今はどんな気持ちですか?」
く「軽いですね。明るい光が差してきたような気がしています」
こ「素敵ですね! 本当に、表情にも軽さが出てきていますよ!
その軽い感じで、改めて、これまでの自分を眺めてみると、何を感じますか?
やめたいこと、やってみたいこと、何か気づくこと、感じることはありますか?」
く「そうですね。体が強張った時には、この軽さを思い出してみて、この軽さを感じる時間を持ちたいですね」
こ「いいですね! それをやったら、どんな変化が起こりそうですか?」
く「そうですね。もうちょっと肩の力を抜いて、リラックしした自然体の自分で、物事に向き合えそうです」
こ「その結果、どうなりそうですか?」
く「サクサクと物事が進みそうです。もっと自由に羽ばたけそうですね」
こ「いいですね! もっと自由に羽ばたけたら、どうなりそうですか?」
く「まだ見ぬ世界を、たくさん、味わえそうですね! 人生がもっともっと豊かになりそうです!」
こ「いいですね! 例えば、今日からそれが実践できた先の理想の10年後って、どんな状況になっていそうですか?」
く「そうですね・・・。今のダメなところが、色々と改善されて、本当に、豊かな日々を過ごしている自分がいそうです」
こ「今のダメなところというと、具体的には?」
く「お酒を飲みすぎてしまうこと。
つい間食してしまうこと。
ダラダラしてしまうこと。
物事から逃げる癖があること。
妻や子どもにイライラしてしまうこと。
物事に手をつけるのが遅いこと、などでしょうか?」
こ「それらが改善された状態って、どんな状態なんでしょうか?」
く「メリハリがありますね。日々軽いですし。決断も早く行動も早い。だからこそ、とびまわれる感じ、でしょうか?」
こ「いいですね!
そういった現状に対して、自由に飛び回っている自分で何か行動を起こすとしたら、何か、したいことはありますか?」
く「まずは、家族に、笑顔で向き合いたいですね。『ありがとう』をしっかりと伝えたいです」
こ「いいですね! 他には何かありますか?」
く「気づいたら、すぐすることを、常に意識して行動したいですね」
こ「いいですね! 例えば、どんなことですか?」
く「ものを捨てるとか、部屋を片付けるとか。出したものを置き去りにして、そのままにしてしまう傾向があるので・・・」
こ「そうなんですね。それがすっきりしたら、どんな変化がありそうですか?」
く「何もない空間で過ごせたらいいですよね! ミニマリストに憧れているので。
本当に、どんどん軽やかに過ごせるようになりそうです」
こ「いいですね! 表情も、本当にいい笑顔をされていますよ!」
く「ありがとうございます!」
こ「ここまでお話をされてみてどうですか?」
く「だいぶすっきりしましたし、早く行動を起こしたいですね! 未来の自分が楽しみになりました」
こ「いいですね! それでは、改めて、振り返りの質問になりますが、何から始めますか?」
く「そうですね。この軽やかな感覚を忘れないようにしたいですね」
こ「どうしたら、忘れられないと思いますか?」
く「そうですね。羽の生えた天使の画像でも探して、どこか部屋の見えるところに貼っておきます。
そして、1日3回は、そのイメージを思い浮かべて、軽やかな気持ちを味わって過ごします」
こ「いいですね! ぜひ、その画像、見つかったら、メールで送ってもらえますか?」
く「はい。いい画像を探します」
こ「では、楽しみにしていますね!」
く「はい、ありがとうございました」
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そうして、送られてきたのが、こちらの画像でした。
キラキラと光っていて、軽やかなクライアントさんのイメージとぴったりの画像です。
僕が、コーチングで、クライアントさんの内側から引き出すことを意識しているのは、
こういったイメージです。
人は、「意識」して行動しているようでいて、
「無意識下」の「セルフイメージ」=「自分はこういう人間だ」という思い込み、に引きずられてしまう、
と言われていますよね。
意識で行動を制限できる部分は、5%〜10%程度。
残りの9割〜95%は、無意識下の思い込みによって、勝手に行動してしまう。
無意識で、何も考えずに選択してしまっている。
その「無意識下の思い込み」を書き換えるために、
一つ、パワフルなのが「イメージ」の力だと言われています。
今回のクライアントさんのように、「軽やかな自分」を繰り返しイメージして、
行動し続けることによって、「本当の自分はこっちだ!」と無意識が勘違いをするようになれば、しめたもの。
そうして、行動変容、主体変容、本質的な変化へとつなげていきます。
一人一人が、本来の自分らしさを取り戻し、すべての人がその人らしく輝ける社会の実現を目指して。
目の前の方とのご縁に、感謝の心を込めて。
しっかりと向き合っていきます。
これこそが、足元からの世界平和だと思うから。
すべての人の内側には、「愛」が詰まっていると信じているから。
今日も、生きてます!
ありがとうございます!