最近流行りのキーワード、「非認知能力」。
それは一体どんな力なのか?
それは、どうやったら育めるのか?
その疑問を一気に解消するのが、本書。
幸せな子どもを育てる秘訣!
『非認知能力の育て方』
ボーク重子さん
動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=6UDSMtQltb8
僕も、コーチングを通じて、目の前のクライアントさんが、
どんどん非認知能力を身につけていく姿を、目の当たりにしたことが、何度もあります。
それは、本当に、ある種の生まれ直しをしているようでもあり、
人が生きる姿のたくましさ、かっこ良さを感じさせてもらった時間でもあります。
ますます多くの方々が、「非認知能力」をブラッシュアップして、
先の見えない不安な今を乗り切る力を、身につけていただけたら嬉しいです!
今日も、生きてます!
ますます楽しみましょう!
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『心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育 「非認知能力」の育て方』ボーク重子
アメリカでは大変人気の職業「ライフコーチ」
有名な政治家やアーティストなどもみな、それぞれに自分に合った「コーチ」を抱えている。
コーチの仕事は、いろいろな質問を通してクライアントが自分を知り、自分に正直になることで、自らの心を可視化し、自信を持って前に進んでいくお手伝いをすること。
人生設計やキャリア構築のお手伝いという、時間軸が「未来」の素敵な仕事。
コーチの仕事の大きな部分は、クライアントの中の「非認知能力」を引き出し、クライアント自身がそれを育んでいくのを見守ること。
子どもだけでなく、どんな年代の方にとっても、「非認知能力」を豊かに備えている人は、とても幸せに暮らしている。
一方で、「非認知能力」が発展途上の人は、発想転換ができずに凝り固まって、自分の考えに固執してしまう。
幸福からも、自分らしい人生からも、遠いところにいる。
「非認知能力」とは、「正解のない問題に、自分らしく立ち向かって解決していく力」。
主体性、柔軟性、想像力、自制心、自己肯定感、自信、回復力、やり抜く力、社会性、好奇心、協働力や共感力などがある。
<「非認知能力」を伸ばすために家庭でできること>
1、家庭のルールづくり(世の中にはルールがあることを教え、守らせる)
2、豊かな対話とコミュニケーション(表現する力と自信を養う)
3、思う存分、遊ばせる(遊びの中から問題解決能力を伸ばす)
<子育てで大事な4つのこと>
1、子育ての目的を明確にする
2、子どもが安心してチャレンジできる「安全な環境」をつくる
【安全な環境3つの柱】
①子どもの存在を認めること
②個性を認めること(子どもを自分とは違う1人の個人として尊重すること)
③子どもが楽しむことを重視した環境
3、子どもの持つ力を最大限に引き出すための労力は惜しまない
4、自分も子どもも、ありのままの姿を受け入れ、認める
【第1章のポイント】
・非認知能力が最も伸びるのは、0歳~10歳の頃の時期
・AIが多くの仕事をこなしていく時代に求められるのは、想像力と問題解決力。
子どもの「非認知能力」を育む土台となるのが、「ルールを守ること」。
ルールを理解して守ることができる社会性を身につけた「愛される、出る杭」になることが重要。
<効果的な家庭のルールのつくり方>
①たくさんのルールを作りすぎないこと
②ルールの内容が年齢相応であること
③ルールを決める話し合いに子どもも参加させること
<我が家の3種類のルール>
1、基本ルール:どんな家族でありたいか
①いつも礼儀正しく
②正直に生きる
③主体性:自分でできることは自分でやる
④家族の責任ある一員として生きる
2、Doルール
【娘が幼稚園生の頃】
①必ず朝の挨拶「おはよう」と夜の挨拶「おやすみなさい」を言うこと
②夕食は家族皆で一緒に食べる
③夕食の際、テーブルマットを置くお手伝いをする
④靴の紐は自分で結ぶ
【娘が小学生になった時に加わったもの】
⑤食事の前に、家族全員のテーブルセッティングをする
⑥学校の準備は自分でする
⑦日曜日は、家族全員の朝食を作る
【娘が中学生の頃に加わったもの】
⑧バレエ用のトゥシューズは自分で縫う
⑨夜10時半以降は、「ママ終業時間」。ママに用事がある時は、その前までに言うこと。
3、Don’tルール
①怒鳴らない
②嘘をつかない
<ルールを作ることの効果>
1、自信と達成感が得られる
2、子どもが小さな頃から始めれば、良い習慣になる
3、子どもの自主性が育つ
4、コミュニティの一員になる訓練ができる
5、一度ルールを決めたら、親がいちいち迷わずに済む
6、子どもの自制心を鍛えることができる
我が家のルールの究極の目的は、「家族の皆が幸せになること」。
「子どもと一緒に時間に仕事は持ち込まない」が親のルール。
子どもが自立できる環境をつくるのも親の役目。
<我が家のルール(例)>
【家族の目標】家族のあり方にとって大切なこと(お子さん主導で決める)
・優しくする ・家族仲良くする ・兄弟姉妹仲良くする ・正直に ・お互いを尊敬する
・心身ともに健康であること ・助け合う ・役に立つ人になる ・いつも笑顔 など
【Do ルール】目標達成のためにすること
・朝と夜の挨拶を必ずする ・夕飯はいつも一緒に食べる ・テーブルマナーを守る
・靴紐は自分で結ぶ ・学校の準備は自分でする ・食事の用意は手伝う
・ありがとう、お願いしますを言う ・毎日1回家族で顔をあわせる
・週末は家族で過ごす ・部屋に入る時はノックする ・おもちゃは交代で使う
・決められたお手伝いをする ・お稽古の準備や練習をする ・学校から帰ったら宿題をする
・自分のお皿を洗う ・自分の部屋の整理整頓 ・おもちゃは自分で片付ける
・お小遣いは自分で管理する ・共用スペースを汚したら片付ける ・ボランティアをする
・ありがとうノートを書く など
【Don’t ルール】しないこと
・兄妹喧嘩をしない ・叩かない ・無駄遣いしない ・家の中で大声を出さない
・嘘はつかない ・駄々をこねない ・ママの自分時間を邪魔しない
・人のものを勝手に使わない ・決められた時間以上ゲームをしない
・みんなのスペースは汚さない ・校則は破らない ・学校でも家でもいじめはしない
・夜更かしはしない ・暴飲暴食はしない ・親をバカにすることは言わない
・子どもを傷つけることは言わない ・悪口は言わない ・部屋に鍵はかけない
・宿題の前には遊ばない ・乱暴な言葉は使わない ・テレビを見ながら宿題しない など
【ルールを破った時】
・タイムアウト(自分の部屋で反省) ・1日好きなおもちゃを諦める
・テレビやゲーム等を1日禁止 ・就寝時間を早くする ・間違いを認めてやり直す
・スマホを1日没収
【第2章のポイント】
・子どもに明確な「限界」を提示することで、「ここまでならやってもいい」と思える安心感を与えることができる。
・ルールを守ることが定着すれば、子どもは成長すればするほど、手がかからなくなる。
・子どもがルールを守らない場合は、じっくり話を聞き、親子で丁寧に対話する
「どんな方法があると思う?」
「自分だったらどうすると思う?」
と質問することで、話を深めて広げていく。
効果的な褒め方:子どもの能力よりも、努力を褒める。
「能力」を認められたグループの子どもたちは、より難しい問題を避けようとする傾向が出る。
「努力」を褒められた子どもたちは、より難しい問題を選ぶ傾向が出る。
さらに難しい問題に直面したとき、「能力」を認められた子どもたちは、自分のことを頭が悪く、才能がないと考える傾向が出た。
【第3章のポイント】
・親が子どもに話しかける量によって、その後の子どもの学力が大きく変わる。
・子どもの「なぜ?」に「どうしてだと思う?」と問ひ返すことで、考える力を伸ばす。
・本の読み聞かせをしていた子どもは、語彙が豊かで算数のスキルも高くなる傾向がある。
・否定的な親の言葉がけは、子どもの能力を抑える。
・子どもを褒める時は、能力よりも努力を褒めると、自己肯定感が高まる。
・理由をきちんと話すことで、子どもの自制心を伸ばす。
・「今日1日あった出来事」など、テーマを決めて子どもと話す。
・親も間違ったら謝る。
子どもにとって遊びは、酸素と同じくらい大切なもの。
<問題解決能力の5分類>
1、論理的に問題が何であるか、リスクがどんなものかを正しく認識する力
2、仲間と協働する力やコミュニケーション力
3、知識や情報を使いこなす力
4、リスクを読み、対処する力
5、実行する力
スパゲッティタワー
【第4章のポイント】
・遊びは、脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にする。
・未就学児に思いっきり遊んだり、好きなことに集中していたりした人の方が、学業成績が上がる可能性がある。
・子どもは遊びながら、自制心や共感力を身につけていく。
・早期教育で知育偏重になった子どもは、精神的に不安定になりやすくなる。
・外遊びは、子どもの身体能力を高め、脳の活動を活性化させ、非認知能力をあげる。
・自然の中で遊ぶ機会の多い子どもの方が、自己肯定感が高い傾向がある。
・幼少期に体験する遊びによって、問題解決能力が上がる。
・いつか、必ず負けるスポーツは、失敗から立ち上がるレジリエンスを高める。
<自己肯定感がダントツに低い日本の子ども>
「自分はダメな人間だと思うことがある」
国立青少年教育振興機構が日本、アメリカ、中国、韓国の高校生を対象として実施した2014年の意識調査。
日本の高校生72.5%
韓国35.2%
アメリカ45.1%
中国56.4%
日本の高校生は、他の国の高校生に比べて、自信を持てていない。
OECDによるPISA(72カ国・地域における学習到達度調査)は、15歳の義務教育をお会えた段階の子どもがどれくらいの学力を身につけているかを見るテスト。
2015年の最新調査。
日本「科学的応用力」で2位、「読解力」で8位、「数学的応用力」で5位。
世界的に見て、学力優秀と言える。
しかし、日本の高校生たちの自己肯定感は軒並み低い。
「私は自分自身に満足している」45.8%(最下位:1位のアメリカは86.0%)
「私は人並みの能力がある」55.7%(最下位:1位の中国は90.6%)
これこそが、今の日本の子どもたちが抱えている問題。
学力はあるのに、半数以上の子が自分自身に満足できず、7割以上の子が自分はダメな人間だと思うことがあると答えている。
他国と比べて、自己肯定感が非常に低い。
<自己肯定感の低い人の特徴>
・常に人の目を気にしており、人との比較で物事を考える傾向がある。
・自分より劣ると思う人に対しては、見下す傾向がある。
・自信がないため、人からの言葉に傷つきやすい。
・マイナス思考に陥りやすく、「どうせ自分なんて」と卑下する傾向がある。
・何かをやる前から諦めることが多い。
・怒りっぽく、すぐに人を批判する
・他人から認められたいという承認欲求が強く、自慢話をすることが多い。
・完璧にできないと気が済まず、必要以上に自分を責めることがある
・人から褒められても、素直に受け取れない。
<自己肯定感の高い人の特徴>
・適切な自信を持ち、何事にも挑戦していける折れない心を持っている。
・必要以上に自分を責めない。論理的に物事を考えられる。物事をシンプルに捉える。
・何かを成し遂げようとする気持ちが強い。
・悩みや不安を感じて落ち込むことが少ない。また、落ち込んでも立ち直りが早い。
・感情的になることが少なく、いつも精神的に安定している。
・相手の話をすないに聞くことができる。
・仕事や学業、決めた目標などに対して、途中で挫折することが少ない。
・障害があっても、柔軟に対応策を練り、やり抜くことができる。
・自分を素直に表現でき、人のことも素直に受け入れられるため、友人が多い。
<家庭で子どもの自己肯定感を育む12の方法>
1、子どもに頻繁に声かけをする
2、子どもの話をよく聞く
3、親が感情に左右されない
4、子どもに感謝する
5、子どもをよく見て、よく褒める
6、子どもを他の人と比べない
7、欠点を直すより、長所を伸ばす
8、子どもの決断させる
9、選択肢を用意して、自分で決める力を育む
10、やってあげるのではなく、手本を見せて手伝う
11、子どもの感情が爆発した時は、子どもを責めない
12、あるがままの子どもを認める
「私たちの仕事は、子どもが自分を発見し、それぞれのペースで成長していくお手伝いをすること。そのために、私たちは、子ども1人1人の心を、繭で包むように接します」
ボーボワール校の校長先生の一言。
その子らしさを大切にするために、よく話を聞き、その子の気持ちを優先させる。
そうやって自己肯定感と自信を育み、次のステージに送り出す。
毎日のように、「あなたはパパとママにとって、一番大切な存在」と言葉に出して伝える。
子どもは自分の存在を認められ、愛されていると実感することで、自己肯定感を育んでいく。
特別だから、自己肯定感がアップするのではない。
たとえ他人からどんな評価を下されようが、自分は親にとって一番大切な存在なのだという確信は、揺るぎない自信につながる。
親から最大に愛されていること、それは子どもの自己肯定感を育むために非常に大切なこと。
親自身の自己肯定感を高める。
親の幸せも不幸も、子どもに伝染する。
<母親につきまとう不安の正体>
1、「自分のために時間を使ってはいけない」という強迫感
2、「自分はちゃんとやれていないのではないか」という自信のなさ
3、「もっともっとやれるはずだ」という焦燥感
4、「皆と同じにやれているか」という不安
5、「私は誰?」という自己喪失感
頑張るお母さんが陥りやすい「スーパーマザー症候群」
自分がなくなったかのように感じてしまう。
そして、失敗してはいけないと思い込んでしまう。
母親としての評価=自分という人間への評価と思い込んでしまう。
母親自身が人生や子育てを楽しむことなく、自分自身にダメ出しをしている状態では、子どもと楽しく接することなどできるわけがない。
完璧を目指すことを止めることが大事。
【第5章のポイント】
・親が子どもの本来の姿を受け入れず、子どもの存在を否定したり、完璧主義で押さえつけたりすると、子どもの自己肯定感が低くなる傾向がある。
・人と比べるのではなく、昨日の自分と今日の自分を競わせる。
<子どものパッションを探し支える方法>
1、様々なことに挑戦させる
2、いろいろな人に会う機会をつくる
3、子どもの「フロー状態」を見逃さない
4、見つかるまで探し続ける
5、始め方、辞め方のルールを決めておく
6、「何のために」という質問を習慣にする
心から楽しいと思えるものを持てた子どもの顔は喜びと幸せに満ちている。
そんな顔を見ることができるのは、親の最大の幸せ。
人から批判された時には、「So What?(だから何?)」の精神で。
【第6章のポイント】
・子どものパッションを探し支えるのが親の仕事。
・我が子は何に興味を持つのか、どんな時に頑張るのかなど、よく観察することが大事。
・様々な挑戦や出会いを経験させる
・子どものフロー(熱中)状態を見逃さない
・パッションは見つかるまで探し続ける
・親にもパッションが必要。まずは気楽に好きなことから始めてみる。