ちょうど先日は、子育ての投稿でした。
そして、昨日、うちの息子(小学校1年生)が、「学校に行きたくない」と学校を休みました。
どうすることが、この子にとって最良なのか、夫婦で考えた1日でした。
僕は、「休むこと=善」というイメージを持って欲しくはなかったので、
息子には「仕事が忙しい」と言って、「本を読んで欲しい」「外に連れて行って欲しい」
というリクエストには応えませんでした。
単発だから、それでもよかったかもしれませんし、それは間違っていたのかもしれません。
正解はわかりません。
一番大事なことは、「子どもを信じること」「子どもの成長する力を信じること」だと思っています。
娘の幼稚園へ、娘を迎えに行ったとき、息子に、
「今日は何がしんどかったの?」「何で学校に行きたくなかったの?」
と聞いたら、「全部」との答え。
「全部ってなぁに?」と聞いたら、
「全部だよ! 全部! 全部! 全部ー!!!!」
と発狂してました。
それくらいしんどいってことだよなぁと思いつつ、
そのあとは、無言で時間を過ごしました。
「心はわからない」
その前提で、「わかろうとしながら」子どもと向き合うことが必要ですね。
自分も成長させてもらえる子育て、ありがとうございます。
ますます、しっかりと子どもと向き合う時間も持ちつつ、
「あなたはそのままで素晴らしいんだよ」と言葉でも、態度でも伝えつつ、
まっすぐに「自分」を育んで行けるように、
関わっていけたらと思っています。
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『小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て』高橋孝雄
子どもたちが幸せな社会こそ、豊かで未来ある社会。
子どもたちのチカラを信じましょう。
「子どもの病気を治したければ、一緒にお母さんを治しなさい」
お母さんやお父さんたちにできることはたった一つ。
生まれてきてくれた我が子の底力を信じて、成長していく姿を楽しみに見守ること。
たったそれだけでいい。
遺伝子のもっとも重要な仕事とは、「変わらないこと」「長く維持すること」。
遺伝子が本来持っている「変わらない力」、
一人一人の個性を演出する「ゆとり」、
そして、環境への順応や努力による進歩を可能にする「揺らぎ」。
遺伝子の総合力を信じ、活用してお子さんに接すれば、それが最強の育児になる。
XY染色体を持つ僕たち男性は、Y染色体を持たない女性と比べると、性格や行動パターンにも特徴がある。
女性は様々な記念日をよく覚えているが、男は誕生日と結婚記念日を覚えておくのが精一杯。
子どもの頃は男の子の方が幼稚で落ち着きがないのもY染色体のせいかもしれない。
一番の胎教はお腹の子どもに話しかけること。
「理想の母」を追い求めない。
子どもが好きなのは、今のお母さん。
小学校1年生は、脱皮の瞬間、とても不安定な時期。
未熟な子どもに、授業中はじっと座ってなさい、黒板に書いてあることを写しなさい、みんなと仲良くしなさい・・・。
そんなことを言われてもできない子がいて当然。
初速はゆっくりでも、途中でギアが入って成功を収めている人もたくさんいる。
大事なことは、担任の先生を尊敬すること。
方便などではなく心から。
担任の先生と仲良く力を合わせていくことが、脱皮を成功に導く秘訣。
この時期に特にやってはいけないことは、できないことを探し指摘すること。
クラスメートや兄弟と比べて、
「まだできないの!? 〇〇ちゃんはできてるのに」
とご自身の焦りや苛立ちをぶつけないこと。
できないことを探して否定しないこと。
何か気になることがあっても、
「今は脱皮しているんだな」
「社会に出たてなんだな」
と受け止めて、ゆったりと構えて見守る。
また、ご自身の小学校1年生の頃のエピソードをおじいちゃん、おばあちゃんに聞いてみるのもいい。
日常的に叱り続けると子どもは耳をふさぐか聞き流す。
「叱る」のではなく、「教える」ことが基本。
いざという時に一つ叱るためには、9回はほめておく。
忍耐強くほめ続けることで、お子さんは人の話に耳を傾けるようになる。
これは共感力を養う上でも大事なこと。
習い事は長続きしなくてもいい。
むしろ、いろいろなものに挑戦させるべき。
習い事に根性論はいらない。
子どもの意思に寄り添ってあげること。
「やめたい」と相談されたら、理由を聞いて話し合うこと。
そうして、自分の意思で決めさせること。
成績の優劣で一喜一憂するのは、愚かなこと。
お母さんが子どもの能力の批評家になってはいけない。
批評からは何も生まれない。
自分から「勉強しようかな」と思わせるように、子どもが自分で考える「余白」を心の中に作ってあげる方がうまくいく。
お母さん、お父さんが「英語がペラペラ喋れるようになりたかった」と子どもに夢を託すぐらいなら、今からでも遅くない。
時間をやりくりして、基礎からもう一度、やり直すべき。
子どもに「英語力をつけさせてあげたい」と思うなら、まずはご自身から。
お金をかけずに学力を上げるには、とにかく褒めること。
できているところに目を向けて、「すごいね」「さすがだね」と褒める。
そうするうちに、だんだんその気になる。
テストの点数がたとえ30点だったとしても正解したことを褒める。
子どもを褒めるのにお金はかからない。
親も本人も気づいていないだけで、子どもはみんな生まれながらにして才能の芽をもらっている。
それをどうやって見つけるか。
それは本人が、自分は何をしたいのか、何をしているときに気持ちが鼓舞されるのか、素直に感じ取っていくしかない。
才能を花開かせるコツがあるとしたら、タイミングを逃さずに構わず前に出ること。
その時まで、親は心を柔らかにしておくこと。
「子どもが不登校になった。いい機会だから、子どもを連れて旅をしている」というお母さんもいた。
「育児はルーティンとノンルーティンに分けられる」
ルーティン、定型的な作業は手を抜いてもいい。
しかし、ノンルーティンな時間は人任せにしないこと。
ノンルーティンを大切にしながら、ルーティンを誰かに託すことは、子どもにとってもいろいろな大人と関われるいい機会。
「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」、この3つを育てることが何よりも大切なこと。
共感力:誰かの気持ちに寄り添える力
意思決定力:自分のことを自分で決める力
自己肯定感:生まれてきてよかった、自分は自分でいいと感じる力
「自己肯定感」は、遺伝子が責任を持って、すべての子どもたちに与えた天性の力
「笑顔が消える」「表情がなくなる」というのは、子どもにとって最大の危機、SOSのサイン。
他人と比べない、こまめに褒める。
それが「自己肯定感」を伸ばす基本。
「自己肯定感」とは、子ども自身が、「生まれてきてよかった」と感じること。
それさえ達成されれば、子育ては成功したと思ってもいい。
虐待を受けている子ほど、親の近くから離れようとしない。
「僕が悪い子だからこんなことをされる。どうしたら、もっと好きになってもらえるのかな」と。
自分の周りで起こる悪いことは、すべて自分のせいだと感じる。
子どもの頃に成功体験を積んだ人間は強い。
「やればできる」「自分のことが大好き」ということは、子どもにとって大きなチカラになる。
「叱らずに褒めることで何かを伝える」
ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換える。
「廊下は走らないで。危ない、走っちゃだめ」→「廊下はゆっくり歩こうね」
「もう、うるさいな。黙りなさい」→「元気な声だね。今は静かにできるかな」
「字が汚い。こんなの読めないよ」→「ゆっくり書いてみようか」
「忘れ物しちゃダメでしょ」→「一緒に持ち物リストをチェックしてみよう」
子どもたちの自己肯定感を育んでいくのは、お母さん自身の自己肯定感。
「この子がいてよかった。この子を産んだのは私」
という気持ちは、お母さんの自己肯定感を大きく膨らませる。
反対に、「この子のせいで私の生活は台無し。でもこの子を産んだのは私」
という気持ちは、お母さんの自己肯定感を破壊しかねない。
頭に浮かんだことを口にする前に、3秒だけでいいから考えること。
思ったことを単刀直入に投げつけずに、穏やかに幸せになるためには、これだけは欠かせない。
意思決定を自分でできることが、幸せな人生を歩む秘訣。
「自分に自信が持てない」
と心を閉ざしがちな子どもに親がしてあげられることは、
「あなたはあなた」
と折に触れて声をかけること。
最終的には、「あなたが自分で決めていいんだよ」と保証すること。
子どもに最終的な決定権を委ねることで、
「親のいいなり」ではなく、親子の間に「議論と話し合い」が成立する。
人生は選択の積み重ね。
子どもに養ってほしい第三の力は「共感力」。
誰かの気持ちに寄り添い、自分のことのように喜んだり悲しんだりできること。
子どもに共感力を持ってほしいと思うなら、まずは大人が子どもに共感すること。
「男の子は宇宙人みたいだ」と戸惑うお母さんがいるが、そこは、「ふ~ん、そうきたか」と見守る方がうまくいく。
共感力を高めるマジックワードを一つだけ選ぶとしたら、「大丈夫」。
語尾を少しあげて気遣う心を伝えたり、やや下げて励ます気持ちを伝えたりする。
子どもが健やかに育つために欠かせないことの筆頭は、
ケアギバー(育児を担当する人)が心も体も健康であること。
子どもを支える人が病んでしまったら、子どもはたちまち拠り所を失ってしまう。
子どもの健やかな成長を願うなら、
お父さん、お母さん、おばあちゃん、おじいちゃん、
ケアギバーの皆さんが、心も体も健やかに過ごすこと。
子どものためには、まず自分自身の健康管理を心がけること。
男の子でも、女の子でも、母性に守られ自己肯定感、意思決定力、
そして共感力を育み、社会に育てられて不正を膨らませていく。
瞬き一つ、意識してやってみると、目力がつく。
オバマ元大統領はかつて、瞬きが多いということで、修正するトレーニングを受けた。
人知れず瞬きの癖を修正したオバマさんは、やがて世界中の人を感動させるスピーチの名手になった。
無視されると、成長が止まる。
親の愛が、子どもの成長の鍵を握っている。
子どもには親を思う遺伝子がある。
お母さんだって人間。
失敗もするし、我慢しきれずに子どもに手をあげることもあるかも知れない。
ただ、どんな時でも、「無関心」だけはダメ。
子どもへの関心だけは、何があっても絶やさないことが大事。
子どもの心には、遺伝子が描いた天使が住んでいる。
どんなにやんちゃで、ぼくたちを手こずらせた子どもでも、最期はみんな、いい子になる。
子どもたちはきれいな心で、じっと我々大人の振る舞いを見守っているのかも知れない。
社会の一員として誰もが「子育て」に参加することが、人の心を豊かにし、社会を豊かにする。
電車の中で、赤ちゃんや子どもに出会ったとき、
目が合ったらそっと微笑みかけるだけでも、それは社会的な育児参加。
駄々をこね、泣き止まない子どもに肩身を狭そうにしているお母さんを
「大丈夫。気にしないでね」と優しい眼差しで見守るだけでもいい。
そんなささやかなことの積み重ねで、
お母さんが、子どもたちが、幸せになれたら、
それだけでみんなが、社会全体が、幸せになれるのではないか。
それがぼくの願い。
4歳の時、父を脳腫瘍で亡くして、母がぼくと年子の弟を女手一つで育ててくれた。
母子家庭で生活保護世帯だったから、
家族旅行なんて高校に上がるまでしたこともなかったし、
晩御飯のカレーの具は決まって魚肉ソーセージだけだった。
母は、一度も「勉強しろ」と説教することはなかった。
貧乏な母子家庭で育ったぼくだったが、
幸運にも学費免除の奨学金をいただき、医学部を無事卒業することができた。
後悔ほど、深い愛情はない。
男には男の出番がある。