昨日は、松実高等学園の卒業式に、来賓として参加させていただきました。
春日部市倫理法人会の、会長が、来賓で呼ばれ、その代打(事務長)としての参加でしたが、
本当に、感動! 感涙! 心の洗濯ができたあっという間の3時間でした。
特に後半の、「歓送の言葉」(担任の先生から生徒たちへのメッセージ)は圧巻!
各クラス5分〜10分程度をたっぷり使って、
中学校の担任の先生(男性)は、涙を流しながら、
もう1人の中学校の担任の先生(男性)は、ユーモラスに、子どもたちのおふざけを描写しながら、(それでも最後には涙を流していました)
ある高校の担任の先生(男性)は、全クラスメイトへの一言ずつのメッセージをにこやかに爽やかに送りながら、
ある高校の担任の先生(女性)は、自身も9年前に松実学園を卒業したOGとして、
「何があっても本気で向き合っていこう!」と覚悟を決めた話や、
「正直、逃げたいと思った日もあった」「けれど、皆さんのことを考えなかった日はなかった」と、
号泣しながら語っていました。
別の高校の担任に先生(女性)は、自分の都合に合わせて週1日〜通学できるコースのため、
ほとんど学校に来ない生徒たちとの距離感に戸惑いながらも、
個性豊かで、自分をしっかりと持っている生徒たちと向き合ってきた思い出を語り、
「みんなが思っている以上に、みんなのことが大好きです」と締めくくっていました。
その後の、卒業生代表挨拶もまた、感動的でした!
中学校3年生の春に、見学と体験をして、入学し、1年間を松実で過ごした女の子は、
中学に入学して、学校に行けなくなってしまった日々のことを、こう語っていました。
「感情や意見を出せずに、ビクビクしながら過ごす毎日。先生にも不信感。
家を出ようとすると腹痛に襲われ、そんな自分にも嫌気がさし、孤独感を味わった。
自分を責めた。
体験に来た時にはまだ、母を通して会話することができず、だんだんと、安心して過ごせるようになっていった。
『そんなに抱え込まなくていいんだよ』といってくれた先生方の温かさに支えられ、
何気ない日常が、掛け替えのない思い出になった。
居場所のある安心感を松実学園は、私たち、44通りの課題を持つ44名に与えてくれた」
高校生の代表の挨拶も立派で感動的でした。
「中学校2年の冬に松実に入学した自分は、人を信用できなかった。
でも、そんな自分に、親しく話しかけてくれる先生とクラスメイトのおかげで、
人との対話の楽しさを知り、幸せや喜びを味わうことができるようになった。
高等部へ進学してからは、『選挙』と『カフェ』という形で、自分なりの思いを形にしていくことができた。
安心して通える場があること。
先生たちが努力をして支えてくださったことや、親の支えにも心から感謝。
『自分の人生は自分が生きる』
自分にウソをつかない。
他人のために生きない。
気を遣いすぎない。
誰かに人生を左右されない。
他人の人生を生きない。
自ら選択することで、幸せが訪れる。
恐怖と対峙し、自分の人生を自分らしく生き、幸せになろう」
保護者代表の挨拶では、「なぜ松実に入ると子どもたちが劇的に変わるのか!?」のヒントが垣間見えた気がしました。
「他者との比較なし。安心して発言できる環境。自由。子どもへの信頼。それが松実の誇り」
それぞれに、地元の学校には通えなかったなどの様々な問題を抱えながら、
松実に出会い、しっかりと、自分という大地に根を張って、生きていけるようになった彼らは、
むしろ、普通に幸せに、元気に学校に通って、卒業する中学生・高校生よりも、
苦しみを乗り越えた分、輝いて見えました。
「花の咲かない寒い季節に、下へ下へと根を伸ばした」からこそ、今がある。
全ては繋がっている。
人生で起こること、全てに深い意味がある。
その意味を、しっかりと見つめて、見出して、自分なりの答えを見つけて、
自分の心の声に正直に生きていくということ。
一方で、人と一緒に作業をする、過ごす限りは、「自分だけ」の想いで生きては行けない。
お互いに、歩み寄り、お互いの深い想いを聴き合うことが必要となる。
松実の子どもたちは、そういうことができるようになっている、高いEQ(心の知能指数)を持っていると感じた。
春日部には松実がある。
残念ながら、卒業式の来賓には、久喜市の教育委員会の方は来られていたが、
春日部市の教育委員会の方は来られていなかった。
でも、春日部には松実がある。
全ての教育は、「子どもの自立」のために、行われているはず。
そこに、「私立」だとか「公立」だとかの境はないはず。
お互いに、いいところは学び合い、取り入れられるところは取り入れて、
より良い教育を、改めて、今の21世紀にあった教育を、
常に模索し続けることが、必要だと思う。
もはや、前近代型の、金太郎飴のような、工場で働く人たちを大量生産する教育システムでは、
本当の意味で、生き生きと生きられる人を育てることはできない時代に入ってきているのだから。
今朝は、子ども食堂の野口和幸さんのお話を伺った。
2日続けて、子どもと教育にまつわる、熱いお話を伺ったので、
「自分には何ができるんだろう?」
という大いなる問いが自分の背中にのしかかってきている気がする。
自分にできることから、一歩ずつ。
今ある幸せに感謝しつつ、楽しみつつ、やれることをやっていきたいと思う。
貴重な機会、本当にありがとうございました。