来週の研修に備えて準備中。

 

「伝え方」、わかっているようで、わかっていないようで、奥が深い。

 

「聴く」ことも大事だけど、「伝える」ことも大事。

 

 

 

 

「相手に100%伝えることはできない」。

 

このことを忘れることなく、相手に伝えようという努力を続ける。

 

それが、「わかりやすく伝える」ために真に大切なこと。

 

 

 

 

伝えるという山を、常に登り続けたい、そんな気持ちにさせてくれた本でした。

 

 

ありがとうございました!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『伝え方の教科書』木暮太一

 

「伝える」ことがあらゆる仕事の基礎にある。

 

わかってくれない相手を責めても仕方がない。

「伝わらない」のは、相手のせいではなく、

「伝わる」ように話していない自分のせいだ。

自分の「伝え方」を工夫すればいいんだ。

 

 

 

間違えやすいポイントについては、

「ここは前にも説明したけど、もう1回説明するよ」

と言いながら、何度も念を押すように教える。

 

話題が変わる時には、必ず

「ここまで◯◯について説明してきましたが、

ここで××の説明をします。

◯◯と××の違いがわかれば、

◯◯の特徴についてもっとよくわかるからです」

などと、話の流れをわかりやすく整理する。

 

 

 

わかるって楽しい!

「わかりやすい」が人々のモチベーションを上げる。

 

「わかる」から楽しい。

楽しいから気持ちも前向きになる。

 

 

 

「伝え方」には「型」のようなものがあって、

それさえ身につければすべてのコミュニケーションに通用する。

 

 

 

<「伝え方の鉄則」>

1、「誰に」「何を」伝えるのかを明確にする

2、相手に伝わる日本語を使う

3、正しい順序で組み立てる

4、相手に伝わる言葉に言い換える

 

 

 

相手が「わかって」いなければ、それは「伝えた」ことにはならない。

 

<「わかる」の3つの段階>

1、把握:相手が言っていることを把握する

2、納得:相手が言っていることを納得する

3、再現:自分ひとりで思い出して、「こういうことだった」と再現する

 

この3つが揃わなければ、「わかった」ことにはならない。

 

 

 

忘れてはならないのが、「誰に」伝えるのか、ということ。

伝える相手が「誰か」によって、「何を」伝えるか(「何を」伝えるべきか)は変わってくる。

 

 

「誰に」は、相手の気持ち・聞く姿勢も含まれる。

ノリノリで聴いてくれる相手なのか?

時間がなくて集中して聞くことができないのか?

それも考える。

たとえ同じ人物であっても、状況や話のテーマによって聞く姿勢が変わる。

それも含めて「誰に伝えるのか?」を考える。

 

伝える相手が「誰か」によって、また、その人の「状態」「姿勢」によって、伝えるべき内容が変わる。

常に「誰に」と「何を」はワンセットで考える。

 

 

 

「相手が何をイメージするか?」まで把握した上で、言葉を選ぶ。

 

 

 

<第1章のまとめ>

1、「わかる」には3つの段階がある。この3つをクリアして初めて「伝えた」ことになる。

2、「話し方」「プレゼンスキル」では、本質的に「わかりやすい伝え方」にはならない。

3、わかりやすく伝えるためには、4つのステップがある。

 

 

 

まず「結論」を明確にする。

 

 

「結論」は常に「理由」とワンセット。

 

 

 

 

ある日の夕方、就業時間が迫って、伝票処理をせっせとこなしていると、内線電話がかかりました。

そして、すごい早口でこう伝えられました。

 

「営業部の田中です。実はですね、明日、エアソルーションという会社の専務が来社することになったんです。エアソルーションさんの新商品がすごい売れているそうで、ウチへの発注を増やしてくれそうなんです。

 それでですね、会議室を取りたいんですが、何時に来社されるのか、まだわからないんです。

 明日の10時に連絡があって、何時にお越しになるか、何人でお見えになるか、お知らせいただくことになっています。もしかすると、3人かもしれないし、6人かもしれないんですが、大事なお客様だから10人用の大会議室を取っておきたいんですね。

 2時から4時まで営業部の木下が大会議室を予約してるんですが、来客数は4人です。多少の無理もお願いできる発注先の方なので、何とか4人用の小会議室でも対応可能です。

 営業部長の了解は得ておりますので、大会議室を私名義で終日、押さえていただいて、木下の予約を小会議室に変更しておいていただけませんでしょうか?

 木下が帰社したら、私からこのことは説明をしておきます」

 

田中さんは何を求めているのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

<田中さんは何を伝えようとしているのか>

結論:

理由:

 

 

 

結論:明日終日、私の名前で大会議室を予約してほしい

 

 

 

「営業部の田中です。会議室の予約の件で電話をしました。

 明日終日、私の名前で大会議室を予約していただけますでしょうか?

 営業部の木下が同じ部屋を2時から4時まで予約していると思いますが、それは小会議室に変更していいと営業部長の了解を得ています」

 

 

 

「結論に無関係な情報」は伝えない。

「関係はしていても、言わなくても結論が伝わる情報」も伝えない。

だから、余計な情報はどんどん切り捨てる。

相手が結論を理解・納得するのに必要な情報だけを選ぶ。

これがわかりやすく伝える鉄則。

 

 

 

 

田中さんが帰社した木下さんに伝えるべきことは何でしょうか?

結論:

理由:

 

 

 

結論:明日、木下さんが予約している大会議室を小会議室に変更してもらいたい

理由:明日、エアソルーションの専務が発注増の件で来社されることになった。非常に重要な案件なので、失礼のないようにしたい。来社人数と来社時間が確定するのは明日午前10時だが、大勢でお見えになることになった時のために、あらかじめ、大会議室を終日押さえておきたい」

 

 

 

伝える内容を考える上で、最も重要なのは、「誰に伝えるか」。

 

 

<伝え方3点セット>

1、誰に 2、何を(結論) 3、その理由

 

 

 

<第2章まとめ>

1、「結論」を決めてから話し始める

2、「結論」は常に「理由」とワンセット

3、「結論」を伝えるために不要な要素はすべて切り捨てる

4、「誰に伝えるか」によって「何を伝えるか」は変わる

 

何かを伝えるときには、必ず「誰に」「何を」伝えるかを明確にする。

 

 

 

 

話すように書くな! 書くように話せ!

 

<「相手に伝わる日本語を使う」ポイント>

1、主語と述語を明確にする

2、とにかく、一文を短くする

 

 

「書くように話す」ことで、この2つがクリアできる。

 

 

 

アナウンサーの話し方がわかりやすいのは、絶対に主語と述語を明確にするからだ。

 

 

 

「アメリカに行ったとき、『ポテトチップスが好きだ』と言っていた」

 

「私がアメリカに行ったとき、スーザンは『ポテトチップスが好きだ』と言っていた」

 

「田中君は真面目なんだけど、ちょっとあれだね」

 

「田中君は真面目なんだけど、ちょっと堅苦しいね」

 

 

 

「話し言葉」では、無意識に「主語」「述語」を省略してしまうことが多い。

 

 

 

常に「5W1H」を確認する。

 

「Bさん、お疲れ様です。以前お願いしていた◯◯に関する書類を、明日の午前中までに届けていただけますか?」

 

このように5W1Hに漏れがあると、伝えたいことがしっかり伝わらないことがある。

 

 

 

 

 

1つの文章に「主語」と「述語」は1つ。

 

 

 

「彼は、今日彼女は休んで職場にいないと思っていた」

 

「今日、彼女は休んで職場にいない。彼はそう思っていた」

 

 

 

 

「彼は、彼女は昨日会社をやすんでいたはずだと言ったが、彼女は休んではいなかった」

 

「彼女は昨日会社を休んでいたはずだ。彼はそう言った。しかし、彼女は休んではいなかった」

 

 

 

とにかく一文を短くする。接続詞は一つまで。

 

 

 

「できるだけ短く」の目安は、「一文70文字以内」と言われているが、あくまでも目安。

「一文に『主語』と『述語』は一つ」を心がける方がいい。

 

どうしても長くなってしまうときには、「接続詞は一つまで」にすべき。

 

 

「一文を短くするのが基本ですので、『接続詞は一つまで』と心がけるべきで、接続詞を2つ以上使うと、途端に文章が複雑になってしまい、伝わりづらくなりますので、2つ以上、接続詞が入っていたら、途中で文を区切りましょう」

 

「一文を短くするのが基本ですので、『接続詞は一つまで』と心がけるべきです。接続詞を2つ以上使うと、途端に文章が複雑になってしまい、伝わりづらくなるからです。2つ以上、接続詞が入っていたら、途中で文を区切りましょう」

 

 

 

 

「結論」と関係のない言葉は一切入れない。

 

 

「今、B社のCさんと来年度の事業内容について打ち合わせているのですが、あの若いCさんがいくつも面白くて可能性のあるアイデアをもっていらっしゃり、とても盛り上がっています。事業プランの方向性を見出すまでには、まだまだ時間がかかりそうで、おそらく20時くらいまでは延びそうです。この打ち合わせ以外には、いくつか気がかりな仕事はあるのですが、どれも今日中に処理しなければならないというわけではありません。ですので、直帰に変更していただきたいのです」

 

「今、B社で来年度の事業内容について打ち合わせています。まだまだ時間がかかりそうで、会議は20時くらいまで延びそうです。私は、今日中に処理しなければならない仕事はありませんおで、直帰に変更していただけませんでしょうか?」

 

 

 

<第3章のまとめ>

1、書くように話す

2、主語と述語を明確にする

3、「5W1H」を思い浮かべる

4、できるだけ、一文に主語と述語は一つにする

5、絶対に、一文に接続詞は一つまでにする

6、結論と関係ない言葉はすべてカットする

 

一文を短くすることが、伝わる日本語にする鉄則!

 

 

 

<言葉の選び方の大原則>

1、「専門用語」「業界用語」を使わない

2、「実は何も表していない言葉」を使わない

 

 

 

 

 

 

多くの熟語は、「漢字+ひらがな」に置き換えて表現することができる。

例:黒字化=黒字になる 確実視=確実だと見る

 

「今年度のわが社の業績は黒字化が確実視される」

→ 「今年度のわが社の業績は、黒字になることが確実だと思われる」

 

「毎月の売り上げ増減に、注意しなければならない」

→ 「毎月の売り上げが増えたか減ったかに、注意しなければならない」

 

「A社が事業を拡大した動機を知りたい」

→ 「なぜ、A社が事業を拡大したのかを知りたい」

 

「消費者の商品購買意欲が低下している」

→ 「消費者が商品を買おうとする気持ちが弱くなっている」

 

 

「カタカナ語」は日本語に置き換える。

 

 

 

「わが社の経営方針を伝える。わが社はこれから、ダイバーシティを重視した経営を行う。社員一人ひとりの適正に応じたワークシェアリングを徹底するとともに、一人ひとりのモチベーション管理にもコミットしていく。一方で、マーケットの動きに素早く対応できるよう、それぞれのディヴィジョンのモニタリングを強化していく」

 

ダバーシティ=多様性・相違点

ワークシェアリング=業務分担・勤労者同士で雇用を分け合うこと

モチベーション=やる気

コミット=目標に対して責任を持つ

マーケット=市場

ディビジョン=部署

モニタリング=点検・管理

 

 

「わが社の経営方針を伝える。わが社はこれから、社員一人ひとりが違った個性を持つことを重視した経営を行う。社員一人ひとりの適正に応じて業務を振り分けることを徹底するとともに、一人ひとりの社員がやる気を持ってもらえるような仕組みづくりを責任を持って管理にも行う。一方で、市場の動きに素早く対応できるよう、それぞれの部署が行っていることを経営陣がしっかりと管理していく」

 

 

 

小学生に通じないカタカナ語は日本語に置き換える。

 

 

 

 

「来月のイベントに向けて、ちゃんと手配しておいて」

→ 「来月のイベントで使用する会場を予約しておいて」

 

「実は何も表していない言葉」を使ってはいけない。

必ず、具体的な動作で伝える。

 

 

 

 

「今度の月曜日に、大人数の会議があるから、広い会議室を押さえておくように」

→ 「今度の月曜日に、50人前後の会議があるから、60人入れる会議室を押さえておくように」

 

 

「明日はいつもより早く朝礼が始ります。また、参加人数が増えたので、多めに配布資料を準備してください」

→ 「明日はいつもより10分早く朝礼が始ります。また参加人数が増えたので、20枚多く配布資料を準備してください」

 

 

<第4章まとめ>

1、専門用語は使わない

2、熟語は「漢字+ひらがな」に置き換える

3、「カタカナ語」は日本語に置き換える

4、「手配する」など「実は何も表していない言葉」は使わない

5、「広い」「早い」などは数字に置き換える

 

「言葉」がわからなければ、何一つ伝わらない。

 

 

 

 

<最強の伝え方「テンプレップの法則」>

1、話のテーマ(Theme):これから◯◯について話します

2、言いたいことの数(Number):ポイントは◯つあります

3、結論・要点(Point):結論から言いますと・・・

4、理由(Reason):なぜなら、◯◯だからです

5、具体的な話(Example):例えば・・・

6、結論・まとめ(Point):以上より、私は・・・

 

 

例:新商品の説明

1、話のテーマ(Theme)

「これから求められる新商品のコンセプトについてご説明します」

2、言いたいことの数(Number)

「お伝えしたいポイントは一つです」

3、結論・要点(Point)

「私は、環境に配慮したエコ商品の開発を提案いたします」

4、理由(Reason)

「なぜなら、環境破壊が地球規模で問題になっており、消費者も『エコ』に対して強い関心をもつようになっているからです」

5、具体的な話(Example)

「実際に、多くのエコ商品がヒットしています。例えば、A社が発明した電気自動車は異例のヒットになりました。また、B社は原材料をリサイクルする取り組みで企業好感度ランキングが急上昇しています」

6、結論・まとめ(Point)

「そのため、私は、環境に配慮したエコ商品の開発を提案します」

 

 

 

 

 

必ず「概要→詳細」の順番で伝える。

 

 

 

総務課の担当者のつぶやき

 

「営業部の田中です。実はですね、明日、エアソルーションという会社の専務が来社することになったんです。

 → (な、なに? エアソルーションって何?)

 

エアソルーションさんの新商品がすごい売れているそうで、ウチへの発注を増やしてくれそうなんです。

 → (はぁ、で何?)

 

 それでですね、会議室を取りたいんですが。

 → (あ、そういうことね。用件は会議室の予約ね。早く言ってよ)

 

何時に来社されるのか、まだわからないんです。

 明日の10時に連絡があって、何時にお越しになるか、何人でお見えになるか、お知らせいただくことになっています。もしかすると、3人かもしれないし、6人かもしれないんですが・・・」

 → (なんかややこしいな、だから何なんだよ!?)

 

 

 

 

 

「営業部の田中です。会議室の予約の件で電話をしました」

最初に結論を言うだけで、話は格段にわかりやすくなる。

 

まず相手に概要・大枠を伝え、頭の準備をしてもらうことが非常に重要。

 

 

 

「結論」を最後に、もう1回繰り返す。

 

 

 

<第5章まとめ>

1、伝え方の公式「テンプレップの法則」を覚える

2、必ず、「概要→詳細」の順番で伝える

3、最後に結論を繰り返して話を締めくくる

 

 

 

 

 

<「納得」を生み出す方程式>

結論=理由+具体例

 

「結論」を支える「理由」と「具体例」を整理して伝える。

このワンセットがなければ、相手は納得してくれない。

 

 

 

 

1、結論

「経営状態を改善させるために、御社は弊社製の会計ソフトを導入すべきです」

2、理由

「なぜなら、経営を改善させていくための第一歩は、現状把握だからです。自社の会計状態を正確に、かつ、迅速に把握することが経営判断を速めます」

3、具体例

「現に、弊社の会計ソフトをご導入いただいた100社のうち、83.7%の社長様が1年以内に経営状態が改善できたとおっしゃっています」

 

 

 

 

「なぜ、今その話をしているのか?」という「意味付け」をすることで、納得感が圧倒的に増す。

 

 

 

 

<第6章まとめ>

1、納得してもらえなければ、伝えたことにはならない

2、納得してもらうには、話が論理的でなければならない

3、論理的に伝えるために、ロジカルシンキングは不要

4、「結論」を支える「理由」と「具体例」を伝えればいい

5、複雑な話はシンプルな話の積み重ね

6、他の選択肢を消さなければ、納得してもらえない

 

 

 

 

 

相手が忘れてしまったとしても、それも伝える立場の人の責任。

考えるべきことは、「どうすれば相手が覚えておいてくれるか」。

 

 

 

<相手の記憶に残すための5つのポイント>

1、相手が記憶できる情報量に調整する

2、「重要ポイント」は繰り返し説明する

3、「間違えやすいポイント」は繰り返し説明する

4、「暗記ポイント」を明示する

5、箇条書きで「重要ポイント」を示す

 

 

 

 

話した内容を覚えてもらえない。

その最大の原因は、情報量が多すぎることにある。

 

「誤解しないように、正確に伝えよう」としすぎると、情報量が多くなりすぎる。

その結果、聞いた内容を覚えていられなくなってしまう。

 

 

いわゆる専門家は、しばしば「正確性の罠」に陥りがち。

 

 

「基本的には」「原則的には」といった言葉を添えて、ざっくり伝える。

そうすれば、相手は「ああ、例外もあるということだな」とわかってくれる。

 

 

 

大事なポイントは、何度も繰り返し説明することで、相手の記憶にしっかりと定着させる。

 

・プレゼンの最後に「今日お伝えしたこと」を箇条書きでリストアップする

・資料を渡して、それを持ち帰って見返してもらう

・ビジネスで打ち合わせをしたときには、議事録代わりにポイントを箇条書きにしてメールする

 

 

<相手に話の内容を覚えてもらうためのポイント>

1、相手が記憶できる情報量に調整する

2、「重要なポイント」「間違えやすいポイント」は繰り返し説明する

3、話の前提となる「暗記ポイント」を明示する

4、箇条書きで重要ポイントを示す

 

 

 

 

<「わかる」3つの段階【対応策】>

1、情報の内容を把握する

【対応策】・相手に伝わる日本語を使う ・話の「全体像」を伝える

2、情報の内容を納得する

【対応策】・テンプレップの法則

3、情報の内容を再現する

【対応策】・相手が記憶できる情報量に調整する ・重要なポイントを繰り返し説明する

・「暗記ポイント」を明示する ・箇条書きで重要ポイントを示す

 

 

 

<第7章まとめ>

1、相手が話の内容を一人で再現できなければ、「伝わった」とは言えない。

2、相手が記憶できる情報量に調整する

3、「重要ポイント」を繰り返し説明する

4、「間違えやすいポイント」を繰り返し説明する

5、「暗記ポイント」を明示する

6、箇条書きで「重要ポイント」を見せる

 

 

 

 

<「わかりやすく伝える」ために、本当に大切なこと>

1、相手に合わせて、相手が理解できる言葉で伝える。

2、相手に合わせて、相手が理解できる「論理の行間」で伝える。

 

 

 

重要なのは、自分が伝えた「文字列」によって、相手がどんな「心象(イメージ)」を抱くか。

 

正しく伝えたいのであれば、正しいイメージを描いてもらえるようにしなければならない。

 

 

 

<第8章まとめ>

1、人間の脳は、入ってきた情報をすでに持っているイメージと付け合わせて理解しようとする。

2、そのイメージを「心象」という。

3、さらに「心象」には関連情報もくっついてくる。それを「スキーマ」という。

「スキーマ」とは、「その人が無意識のうちにしてしまう、ある決まったものの見方・考え方」

4、「心象」と「スキーマ」が異なれば、話が通じなくなる。

5、相手の「心象」と「スキーマ」から逆算して伝えなければならない。

 

 

 

 

「相手に合わせた言葉を選び、相手に合わせた表現をする」

 

 

 

伝える時に、「正確性」にこだわりすぎるのは間違い。

 

100%正確に伝えることよりも、要点を伝えるために、「ざっくり」と伝える技術こそ、身につける必要がある。

 

 

 

 

 

「論理」には「行間」がある。

 

A:日本の景気が悪い

→ だから B:日本で商品が売れない

 → だから C:日本企業の業績が悪くなる

  → だから D:一般的に考えて、業績が下がれば株価も下がる

   → だから E:株価が下がる

 

相手に合わせて「論理の行間」を調整する。

 

 

 

 

最も重要なのは「誰に伝えるか」。

すべて、相手に合わせた表現で行うべき。

 

 

「誰にとっても絶対に100%わかりやすい伝え方」というものは存在しない。

 

 

<「相手にぴったりの表現と行間を選ぶ」ことができるようになる方法>

相手に興味を持ち、相手を知り、相手になりきる。

これが唯一の方法。

 

「推測」するだけではなく、「相手を知って、相手になりきる」ところまでやる。

だからこそ、伝わる。

 

 

相手と向き合っていると、お互いに別の世界を見ていることになる。

だから、話が伝わらない。

 

 

相手に何かを伝えたいと思ったら、「相手を知る」ことから始めなければならない。

そして、相手になりきってみることこそが、わかりやすく伝える「奥義」。

すべて、出発点は、「自分」ではなく「相手」。

 

 

 

考えるのではなく、経験をすること。

相手と同じような経験をすることで、「相手だったらどう考えるか」を感じることができる。

そして、相手が思い浮かべること(心象)と、連想すること(スキーマ)が見えてきて、「この内容を伝えるのであれば、こんな表現がいいだろう」「この説明の、この部分がイメージしづらいだろうから、丁寧に補足しよう」ということがわかってくる。

 

相手に興味を持ち、相手を知り、相手になりきる。

そのためには、できるだけ相手と同じ経験をしてみる。

頭で考えるのではなく、身体を使って経験してみる。

 

 

 

エステー株式会社の宣伝部長・鹿毛康司さんの言葉

「絶対に、お客様と同じ目線を持つことはできない。そう肝に命じています。

 なぜなら、『同じ目線を持てた』と思い上がった瞬間に、目線が大きくズレるからです。

 自らの無力を自覚するからこそ、何とかお客様の目線に少しでも合わせられるように努力するのです。

 その謙虚な気持ちを持つことこそが、せめて私にできることなんです」

 

 

「相手になりきった」と慢心した瞬間に、「自分目線」になってしまい、「伝わらなく」なる。

 

そう考えると、「伝える」とは、「不可能への挑戦」なのかもしれない。

しかし、「わかりやすく伝える」ためには、少しでも「相手」に近づこうとしなければならない。

その意味で、「伝える」とは終わりのない試みなのかもしれない。

 

 

 

「相手になりきることはできない」。

この謙虚な気持ちを忘れることなく、相手に伝えようという努力を続ける。

それが、「わかりやすく伝える」ために真に大切なこと。

 

 

<第10章のまとめ>

1、相手に興味を持ち、相手を知り、相手になりきる。これが、相手に合わせて伝えるための鉄則。

2、そのためには、できるだけ相手と同じ経験をする。

3、ただし、絶対に相手と同じ目線は持てない。この謙虚な気持ちを忘れずに、相手になりきろうと努力する。

 

これこそ、わかりやすく伝える奥義。