事あるごとに読み返してきた喜多川泰さんの『手紙屋』。
新人研修の課題図書に設定したので、15回目くらいの再読。
でも、今回は、かなり間が空いたので、ストーリーとしても楽しめました。
学びの種が濃縮された1冊、本当にありがとうございます!
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『手紙屋』喜多川泰
「あなたの能力は、今日のあなたの行動によって、開花されるのを待っています」
【1通目の手紙『物々交換』】
出会いは人生における何物にも代えがたい財産です。
人との出会いが人生を素晴らしいものにします。
行動する勇気を持っているという事実は、あなたの将来の成功を約束してくれるはず。
欲しいものを手に入れる方法の基本は「物々交換」じゃないかと思っている。
「相手の持っているものの中で、自分が欲しいものと、自分が持っているものの中で、相手が欲しがるものとを、お互いがちょうどいいと思う量で交換している」
「相手の持っているものの中で、自分が欲しいものと、自分が持っているものの中で、相手が欲しがる『お金』とを、お互いがちょうどいいと思う量で交換している」
もし、あなたが欲しいものを手に入れる方法として、「買う」という方法以外思いつかない人ならば、あなたが持っているものの中で相手の欲しがるものが「お金」だけであるということを、無意識のうちに認める生き方をしているということ。
果たして本当にそうだろうか?
あなたの持っているものの中で、他の人が欲しがるものは「お金」だけなのだろうか。
そんなことはない。
気がついていないだけで、あなたにはお金ではなく、もっと素晴らしいものが、相手がどうしても欲しいと思うものが、たくさんある。
それは探せば探すほど、たくさん見つかる。
自分自身を磨けば磨くほど、増えていく。
「働く」という行為もまた物々交換。
先の言葉を使えば、『会社が持っているものの中で、自分が欲しい「お金」や「安定」と、自分が持っているものの中で相手が欲しがる「労働力」や「時間」を、お互いがちょうどいいと思う量で交換している』ということになる。
しかし、もっと深く考えてみると、会社が持っているものの中であなたがどうしても欲しいと思えるものは、お金や安定、多くの休日や福利厚生の充実以外に本当はたくさんあるはず。
同様に、あなたの持っているものの中で会社が欲しがるものは、時間と労働力以外にもたくさんあることに気がつくはず。
自分自身の価値観で、それぞれの会社が持っているもののうち、自分が欲しいものをよく考えてみてください。
そして、あなたが持っているものの中で、会社や社会の人々が欲しがるものが、「時間」や「お金」しかないのかをよく考えてみてください。
絶対にそんなことはない。
例えば、笑顔や、あなたが発する言葉だって、物々交換の対象になる。
あなたには、もっともっと他の人が欲しがる魅力がたくさんある。
それをたくさん見つけて、磨いて、出し惜しみしないでどんどん周囲の人に提供してみてください。
きっと思ってもみない、様々なものが手に入るはず。
大丈夫。
あなたにはもっともっと他の人が欲しがる魅力がたくさんある。
それを見つけて、磨いて、出し惜しみしないで、どんどん周囲の人に提供してみよう。
きっと思ってもみない、様々なものが手に入るはず。
【2通目の手紙『あなたの称号』】
信用されると逆に、裏切ることはできないという気持ちになって「絶対に約束を守らなければ!」というプレッシャーを感じる。
あなたの中に、他人と交換できる素晴らしいものを増やすのは簡単。
相手がどのような人かを判断してから、◯◯な人という称号を与えるのではなく、相手にこうなってほしい、こういう人でいてほしい、という称号を初めに与えてしまうところから人間関係をスタートさせる。
「相手を変えることはできない」
「すべての人にあらゆる性格が備わっている」
このことがわかれば、あと必要なのは、あなたが相手に持っている性格の中で欲しいものを引き出してあげる存在になること。
そして、相手の性格を引き出してあげる方法が、称号を与えるということ。
人は与えられた「称号」通りの人間になろうとする。
偉人と呼ばれる人々には、ある共通点がある。
それは、偉人として成功する前から、「将来成功する」という称号を与えられて育ったということ。
あなたの与える「称号」も、他の人にとっては、物々交換の対象になるのだということを忘れてはならない。
「お金」だけでなく、使いようによっては「言葉」だって、相手が欲しがる物々交換の対象になるということ。
周囲の人に対して、今までの経験からではなく、将来こうあってほしいという称号を与える人になるだけで、あなたの人生は一転する。
この世界に生きていく以上、成功するために他の人たちから必要とされることがどれだけ大切なことか、わかっているつもりでいたが、まだまだ自分一人の力で成功しようと考えていたのかもしれない。
人と会う度に「この人のすごいところはどこだろう…」と考えるようになり、それを感じた時には口にするようになった。
【3通目の手紙『天は自ら助くる者を助く』】
10年もすれば世の中は大きく変わる。
世間の流行も、需要も、そして、個人的な好みも。
十数年前の世の中は、ポケベルブームだった。
高校生を中心とする若い世代が初めて手にすることができる携帯型通信手段として信じられない成長を見せていた。
今の世の中で「ポケベル」を使っている人はいない。
つまり、十数年前に一世を風靡した商品も今はもう存在しない。
それよりもさらに前の時代、エリートと呼ばれる大学生たちは競ってある就職先を目指していた。
銀行や証券会社をはじめとする金融関係。
当時、誰もが銀行や証券会社に就職すれば将来が安泰だと思っていた。
終身雇用制を疑う者もいなかったし、金融機関がなくなることも、誰もが考えもしなかったことだった。
しかし、実際はそうなった。
世に言うバブル崩壊がきっかけ。
結果として、絶対安泰だと思われていた大企業が次から次へと倒産した。
もちろん、それ以上に多くの中小企業が倒産したのも事実。
歴史は同じことを繰り返している。
エリートと呼ばれる人々は就職する際に、その時代で最も有望な職種や企業を選択できる位置にいる。
だからその時代を象徴する、今をときめく企業に就職する。
ところが、十年経ったら世の中は大きく変わる。
ましてや定年退職する頃といえば、入社してから40年も経っている。
今は絶対安泰だと思われている職種や企業が、40年後もそうだという保証なんてない。
実際に、すべての企業は多くの荒波を乗り越えなければ生き残っていくことはできない。
今、生き残っている大企業も、実はもうダメかもしれないと思うような荒波を幾度となく乗り越えてきたからこそ、この世に存在しているのであり、これからもそれを乗り越えなければ存在できないのだということを事実として知っておかなければならない。
そういうことを考えずに、盲目的に知名度などを頼みに就職をする若者が絶えない。
そしていつか、「こんなはずじゃなかった」という日がやってくる。
まず最初に上の椅子を獲得できる人は、同僚の不足分を補う働きができる人で、同時にそれを自分の手柄だと主張しない人であるべき。
だから、入社後、全体のために身を粉にして働く人も、楽をして自分の権利だけを主張する人も、何年間も一律で給料が上がるのは、上司としてふさわしい人間を見極める上で、とてもいい試験材料になる。
「平時はあなたの頑張りで他の社員の分まで給料を稼ぎ出す」
不公平どころか、これほどカッコいい生き方はないと思う。
同時に、有事にはちゃんとそれまでの頑張りが認められ、その人だけが荒波を乗り越えたあと、認められる存在になる。
私はそれを十分な報酬だと思う。
あなたがそういう社員になれば、会社はあなたのことを大事にする。
会社がなくなってしまっても、他社があなたを放っておかない。
自分ではどうにもしがたい境遇に陥ってしまう人たちには、ある共通点がある。
それは自分の力ではなく、「他力」を当てにして生きようとしているという点。
会社の大きさや他人の頑張りなど、自分の人生をつくっていく上で、自分以外の他のものの力を当てにしてしまう。
一方で、会社の規模や大小や職種に関係なく、どんな状況になっても成功する人はいる。
それは、どんな環境に身を置いていても、人生を自分で切り開いていこうとする人。
他者に守ってもらうのではなく、自分にできる精一杯のことをやろうとする人。
見返りとして何がもらえるかを考えて自分のすべきことを決める人ではなく、報酬に関係なくその時その時に自分のベストを尽くして毎日を生きようとする人。
あなたの就職先が大企業であれ、小さな企業であれ、大切なのは自分の人生は自分でつくっていくという強さを常に持ち続けること。
いや、むしろ大きな企業であればあるほど、その意識が薄れやすいのでしかと心に留めておくべき。
「天は自ら助くる者を助く」
いつの世でも同じ。
第2期 挫折、そして成長
自分の人生と真剣に向き合い始めたときに変化は起こる
【4通目の手紙『思い通りの人生を送る』】
「ピンチ」を「チャンス」に帰るということが、多くの成功者にとっては不可欠だった。
人生における「思い通りにいかないこと」は避けようとするものではなく、心待ちにして、やってきたら「よし来た!」と、自分の持てるあらゆる知恵と勇気と行動力を振り絞って歓迎するべきイベント、すなわち自分を成長させるイベントだ、ということがわかる。
「人生は思い通りにいく」
多くの成功者が座右の銘にする言葉。
「人生は思い通りにいかない」
夢を実現できなかった、もっと多くの人たちが感じる人生の教訓。
人生の教訓がこれほどまでに違うのはどうしてでしょうか。
前者にとって思い通りにいくことは「当然」であり、後者にとって思い通りにいくことは「ラッキー」でしかない。
頭の中にいつも「天秤」を用意する。
そして、天秤の片方の皿の上には、あなたの手に入れたいものを載せる。
そして、それと釣り合うものを、釣り合う量だけ、もう片方の皿の上に載せたときに、あなたのほしいものが手に入る。
「チームで一番野球がうまくなりたい」のであれば、もう片方の皿の上には、「チームの誰よりも意味ある練習をたくさんする」というものを載せれば釣り合う。
もし、「日本で一番野球がうまくなりたい」という目標に変えたら、もう片方の皿に何をどれだけ載せなければならないか、答えが変わってくることもよくわかる。
自分が手に入れたいものに対して、反対の皿に載せているものが違っていたり、足りていなかったりするにも関わらず、それが手に入ってしまうことが、人生の中では何度かある。
それこそが、「本当のピンチ」。
そういうことが一度あると、その後の人生においてそれを期待することになるかもしれない。
近い将来必ず、「なまじ、あのときうまくいってしまったばっかりに…」なんて後悔することになる。
乗り越えた逆境が多ければ多いほど、強い人間になれる。
そして、そういう人ほど、成功に近い。
逆境は自分を成長させるための道具だと思って、嫌がらずにどんどん受け入れていく。
【5通目の手紙『ある人の人生』】
<幸せに長生きする法人とは>
まず、その活動を世の中の多くの人から長期間にわたって必要とされ続ける法人。
そして、自分の生存を収入の範囲内で賄うことができなければ、生き残ることはできない。
すべての法人は、生存するためにこの2つのことを達成しなければならない。
1、多くの人から長期間にわたって必要とされ続けること
2、収入ないの生活をすること
多くの人は生きていくために何が必要かと問われると、「働いて収入を得ること」と考えがち。
でも、それは1つの結果論にすぎない。
本当に必要なことは、理想論のように聞こえるかもしれないが、「多くの人から必要とされること」。
働くことはそのための手段にすぎない。
会社の持つ性格や考え方、生き方、さらにどうやって世の中の人たちから必要とされようとしているのか、それらが自分の考え方と合う会社を選ぶべきだと思う。
それがたとえ、生まれたばかりの小さな会社であろうとも。
就職活動は、大好きになれる人探し。
そして、場合によっては一生付き合っていくことになる人探し。
その人の財力や知名度で選ばず、「性格」で選ぶのが長い目で見ると一番いい。
その法人がどうやって多くの人から必要とされようとしているのかをよく観察する。
友達や恋人を選ぶときにその人の社会的地位や知名度、もしくはお金持ちかどうかで選ぶのはとても卑しい考え方だと思っているはずなのに、自分がその一部になろうとしている法人を選ぶ際には、自分がその卑しい考え方にどっぷりつかっていたんだということを思い知らされたような気がする。
どんな状況であれ人生を楽しむことは大切なこと。
就職活動という道具を利用して、自らの成長を楽しむくらいの余裕を持って過ごしてほしい。
自分に合う育て方は、自分で発見するしかない。
【6通目の手紙『自分に向いていることを探さない』】
本人が気付いていないような可能性を開花させる方法は、本人だったら選ばないような仕事をやらせること。
会社はそのことをよく知っている。
だから、「これは自分には向いていない」と工夫も努力もせず、その本当の面白さや重要性を理解することなく、第一印象のみで仕事の種類や会社を取捨選択しないほうがいい。
「自分に向いている職業」を探すことによって、自分ではまだ気付いていない自分の才能を開花させるチャンスを失う恐れがある。
そんなことを考えるよりも、向いていなくてもいいから、その会社の活動が自分をワクワクさせる、そんな会社を探してみる。
大切なのは、どの船に乗るかではなく、その船がどういう目的で航海しているか。
それぞれの船には出航する目的がある。
あなたが重視しなければならないのは、その会社という船の航海の目的が、乗組員であるあなたをワクワクさせるものかどうか。
何しろ航海には船の大小を問わず危険は伴うわけですから、「これをやるためなら命をかけられる」と思えるほど興味をそそらせるものでなければいけない。
人生のスタート地点はそれぞれ違う。
人間は目の前に壁があると、どうしてもその壁を乗り越えることだけに意識を集中してしまう。
実は、壁を乗り越えることよりも、どう乗り越えようとしたかのほうがはるかに重要。
とにかく、目の前に現れるものすべてに全力でぶつかる。
それらすべてが魅力になって、あなたの夢を実現する手助けをしてくれるはず。
間違っても、自分の都合で、「英語を必死でやりたいから数学は捨てる」なんてことはしないこと。
あなたの目の前にあるものは、将来絶対に必要だからこそやってきた神様の贈り物だと思って大切にしましょう。
自分の夢を実現するためには、『しっかりしたゴールを持ち、常にそのゴールを忘れない』ことが大事だとよく言われる。
しかし、素晴らしい成功の人生を送るためには、それ以上に大切なことがある。
それは、『今、目の前にあるものに全力を注いで生きる』こと。
このことを忘れてはいけない。
目の前に現れる壁は、一見、あなたにとって、必要なさそうなものに見えても、自分が進もうとする人生にどうしても必要だから現れる。
例えば、受験を控えて、英語の勉強が大きな壁となって苦しんでいる受験生はたくさんいる。
でも、その壁で苦しむ理由は、本人が大学進学という道を選んだからであり、大学進学を全く考えていない人にとって、英語学習は壁でも何でもなく、やり過ごせばいいものでしかない。
人間が壁と感じるものはすべて同じ。
自分がどういう生き方をするかを決める。
それに応じて、全く同じ出来事が壁にもなり、何の障害でもない暖簾のようなものにもなる。
場合によっては、楽しみにだってなる。
目標を持つから壁が現れる。
壁はその人がよりよく生きていこうと考えるときに必ず現れる。
そういった意味では、壁は自分が頑張って生きていこうとしている証として誇り、歓迎していいもの。
人生におけるあらゆる壁は、あなたが決める生き方に応じて目の前にやってくる。
だから、目の前にやってくるものを取捨選択しないこと。
「これはいる、これはいらない」と、そのときの自分で判断していると、後悔するばかりでなく、自分の持っている秘めた可能性を開花させることはいつまで経ってもできなくなる。
【7通目の手紙『急がば回れ』】
1日も早く起業を実現するために…と、あまり焦らなくてもいい。
それよりも重要なのは、「目の前にあるものに全力を注いで生きること」。
このことは、今日、今この瞬間からでもできる。
たとえ初めは具体的目標を持っていなくとも、目の前にあるものに全力を注いで生きているうちに、自然と自分の進むべき道が開けてきて、うまくいったという成功者は数多くいる。
おそらく、初めに大きな目標を掲げて成し遂げたという成功者よりも、その数は圧倒的に多い。
誰もが知っている有名な人物であれば、豊臣秀吉などもそのタイプ。
彼は初めから天下人になろうとしていたわけではない。
そのときそのときを命がけで、自分にできることを続けた結果、ふと気づくと天下人になることができる場所まで来ていた。
「目の前にあるものに全力を注いで生きる」ことは、何よりも大切な成功法則と言える。
つまり、この生き方をするだけで、どこで何をしていてもあなたの成功は約束されているということ。
その船が誰のものであるか、自分が船長か船員か、船は大きいか小さいかなんて、実はどうでもいい。
大事なのは、その船が何を目的として航海をするか。
私はそれこそが、「人生の目的」であり、それが達成されることが「夢の実現」であると考えている。
人生を通じての自分の目標をしっかり持つこと。
それを持ったときから、自分の人生が始まる。
そして、それさえあれば、その目標のために「今日を生きる」という確固たる生き方ができるようになる。
その目標を達成するために乗る船が、大きいか、小さいか、その船が自分でつくったものか、他人がつくったものかということにのみ固執して、大海原に目標もなく漂うことは成功の人生とはいえない。
あなたはこれから先の人生を何をすることに捧げますか?
人生の目標を持ったときから、あなたの人生が始まる。
目標をしっかりと持てば、「今日を生きる」という確固たる生き方ができる。
就職について、あるいは起業について考えれば考えるほど、その考える姿勢が真剣であればあるほど、ある1つの問いにぶつかる。
その問いとは、「なぜ働くのか?」。
「会社という法人を世に生み出して、世の中の多くの人たちを幸せにする。
そして、多くの人から必要とされる法人へと成長させる」
それこそがビジネス。
多くの人たちを幸せにするために働く。
多くの人たちから必要とされる会社をつくるために働く。
誰かがつくった会社の一員として働く場合も、自分がつくった会社を経営する場合も変わらない。
僕の航海の目的は、1人でも多くの人を幸せにすること。
【8通目の手紙『あなたの成功は世界を変える』】
一個人であれ、一法人であれ、働く「人」はみな、できるだけ多くの報酬を得るよう努力すべき。
ただ、それは多くの人から必要とされるようになれば、結果的に自然とそうなるからであって、多くの報酬を得ることを第一目的として達成するべきものではない。
夢の大きさを考えるときには、注意が必要。
ほとんどの人は、自分の能力を過小評価してしまいがちだから。
夢を考えるときに忘れてはいけないこと。
それは、自分のやりたいことが、一見、世の中の誰も実現できそうにないことであっても、絶対に「これは無理だから…」と自分の中から切り捨てないこと。
忘れないでください。
どんなに大きな壁であっても、乗り越えられないものはありません。
一見無理なように感じても、自分から切り捨てたり、途中で諦めたりしない限りは乗り越えられるもの。
別の言い方をすると、乗り越えられる壁しかあなたの前には現れてこない。
人間は一人一人考え方が違う。
ということは、当然思い描く将来の夢も違う。
ある人が思い描く夢が他の誰とも違うのは、その人にしか実現できない夢だから。
あなたが思い描く夢を実現できるのは、それを考えたあなたしかいない。
あなたにはそれを実現する力があるからこそ、その夢を持つことができたのだ。
若い人たちには、「できるだけ大きな壁を、たくさん越える生き方をしなさい」と言ってあげたほうがいい。
あなたの成功は、成功した後に出会うたくさんの人たちによって心待ちにされている。
あなたは成功するために生まれてきた。
自分らしい、自分にしかできない大きな夢を実現するために生きている。
どんなに大きな、実現が難しそうな夢であっても、あなたがその目標に向けて努力をし、全身を続ける限り、それは絶対にたどり着ける場所。
企業が成長するということは、その企業の製品やサービスを使って生きる人が増えるということ。
つまり、あなたの夢が実現するということは、将来の日本中の、もしくは世界中の消費者たちにとって、あなたの会社から生み出された製品やサービスがかけがえのないものになるということ。
別の言い方をすれば、あなたの夢が実現した世界では、あなたは世の中の多くの人たちから必要とされ、期待され、その人たちの幸せな生活にとってなくてはならないものを生み出す貴重な存在として生きていることになる。
【9通目の手紙『自分を磨き、行動する』】
あなたの部屋や机の上はきれいに掃除されていますか?
本を読んだら、自分の意見を書いてまとめるということをしなければならない。
それは図でもいいし、文章でもいい。
とにかく、そこから得られたものを自分なりにまとめるという作業が大切。
自分を変えてくれるような本を読み、自分の意見を書き綴っていく。
このことで自分を磨くことができる。
けれども、1回だけではすぐに埃をかぶってしまう。
習慣化することが大事。
そして、もう1つ、埃をかぶらずにすむ方法がある。
それは常に動き続けること。
「転がる石に苔はつかない」
動き続けているものに、埃がかぶることはない。
「止まっている人は止まり続けようとする。
動いている人は、動き続けようとする」
お金のためではなく人のために働き、お金以上のものを受け取るという「物々交換」。
【10通目の手紙『人生の始まり』】
夢を叶えることができなかった人たちが、その理由を自己分析すると、必ずこういう答えが返ってくる。
「私には才能がなかった」
一方で、夢を叶えることができた人たちが、その理由を質問されると、不思議なことに、これもまた同じ答えが返ってくる。
「どうしてもやりたいことを、情熱を持って続けてきただけ」
夢を叶えることができなかった人たちの理由が「才能がなかった」ならば、夢を叶えた人たちは口々に「私には才能があった」と言ってもよさそうだが、成功した人で、それを口にした人は誰一人としていない。
ここに、成功する人と、成功できない人の考え方の相違がある。
失敗する人は、『才能』を頼りに夢を叶えようとする。
別の言い方をすれば、「自分が成功できることは何か?」を考えている。
実は、この人たちは大きな勘違いをしている。
「成功は才能によって得るものだ」という勘違い。
残念ながらこれは間違い。
なぜなら、夢を叶えた人は誰一人として、「才能があったから成功できた」とは言わないのだから。
一方で、成功した人は『情熱』を頼りに夢を叶えようとする。
別の言い方をすれば、「何をやれば成功できるか」ではなく、「自分がどうしてもやりたいことは何か」を考えているということ。
夢を実現したすべての人がこの方法を使った。
長い期間をかけて情熱を持って行動を続けた人が夢を叶えることができなかったなどということは、起こりようのないこと。
あなたに必要なのは才能ではない。
やりたいことに情熱を注ぎ込むこと。
そうすることによって、あなたは才能を開花させることができる。
あなたの夢を叶えるために、才能は必要ありません。
ただ、必要なのは、それをやりたいという『情熱』だけ。
あなたはもう1度、自分に質問しなければならない。
僕にはどうしてもそれをやりたいという情熱があるか、と。
『情熱を頼りに生きる』ということが決まったなら、やるべきことは1つ。
『行動』すること。
今すぐ行動すのは勇気がいること。
でも、絶対やり遂げるという情熱を持って、第一歩を踏み出さなければ、あなたの思い描く夢にはいつまで経っても近づけないし、逆に一歩でもいいから踏み出してしまえば、あなたの目標までたどり着くことは、思った以上に簡単なこと。