面白い本でした。

理念の浸透と、考える組織。
これが、経営を持続的にするための2本柱、なのかもしれませんね。


理念を実現するための方法論は、当たり前のステップだけど、
どうしても、難しいと思ってしまいがち。

でも、そこは泥臭く歩みを進めるからこそ、光が見出せると納得。



「満足BANK」の制度は、14万人もいる大企業で成功したのだから、
他の企業でできないわけがない。
どんどん広まっていったらいいですね!



本当に、素敵な企業だ、クロネコヤマト。

いつも、ありがとうございます!



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クロネコヤマトは今もなお、進化し成長し続けることができている。
それには2つの理由がある。

1つは、理念を受け継ぎながらもそれに甘んじることなく、
時代の変化に対応できるように、自分たち自身を積極的に変えてきたこと。

もう1つは、社員が自発的に動き、1人1人が新しいアイデアを出して形にするという、
「組織の力」「集団の力」。

サービスの質を向上させる。
新しいサービスを生み出す。
より広くご利用いただくための方法を考える。
こういったことを全社員で行う。


「普通の社員が最高の仕事をする」会社
「強い集団」とは、しっかりとした「理念」に支えられている集団。
集団が1つの目標に向けて、一致した思いを持てることが一番大事。

理念は、「世のため人のためになることをする」「お客様のためになることをする」
「サービスが先、利益は後」

「世のため人のため」「お客様のため」を実現したい。
だが、そのままでは利益が出ない。
では、どうしたら実現できるか、という順で考える。

つまり、「お客様のため社会のため」を実行することを前提に、
では「利益は後」をどうやって実現するかを検討する。
考えることをやめなければ、方法は必ず見つかる。
そして、「お客様のため」である以上、そこにはニーズがあり、利益が出る事業は必ず成立する。



「お客様だけでなく社員も満足する」仕組み
「満足BANK」
「お客様のために創意工夫している社員がいる」「あの人がお客様に褒められた」など、
「いいこと」をした人を見つけたら、それを社員が申告する制度。
褒めたら3点、褒められたら10点が「満足ポイント」として加算される。
ポイント数に応じ、「ダイヤモンド」「金」「銀」「銅」の4段階のバッチがもらえる。
特に点数の高い社員は、専用のホームページに掲載される。

荷物をいくつ運んだかは記録に残るが、
出先でお客様に喜んでもらったとか、褒められたということは数値には残りにくい。
だが、本当はそういう「小さなこと」こそ、仕事の原点にあるものとして評価をするべき。


『感動体験ムービー』
映像の力を活用して、
仕事の先に「喜んでくれているお客様がいる」という事実を、
繰り返し認識させる。
そうすると、困難にぶつかっても、問題を乗り越えられる。


リーダーになる基準は、「お客様のため」「世のため人のため」を真っ先に考えているかどうか。
人の上に立つ人間ほど、「考えること」を何よりも要求される。


考える社員を育てる仕組み
年間150回程度の会議で、社員と経営トップが直接意見を交わすことができ、
社員は、新サービスや新事業の提案をすることができる。
「惜しい」提案に対しては、考える上でのスタンスなどのヒントを示し、後は本人に考えさせる。
すると、最終的には、よりよいアイデアが出てくる。

時代は目まぐるしく変わっていく。
だからこそ、すべての人間がそれぞれの個性で考える「文化」をつくりたい。
そうすれば、1つの事業が行き詰っても、誰かがそれに代わる事業をつくり出すことができる。
本当に強い集団とは、臨機応変に変化ができる組織。