安岡正篤先生は、著書『憂楽志』の中で、こんな風に書かれています。

「佳書とは、それを読むことによって、我々の呼吸・血液・体液を清くし、

 精神の鼓動を高めたり、落ち着かせたり、霊魂を神仏に近づけたりする書のことであります。

 佳い食物もよろしい。佳い酒もよろしい。

 佳いものは何でも佳いが、結局、佳い人と佳い書と佳い山水との3つであります。

 しかし、佳い人には案外会えません。
 
 佳い山水にもなかなか会えません。

 ただ、佳い書物だけはいつでも手に取れます。

 不幸にして佳人に会わず、佳山佳水にもあわずとも、佳書だけはあいたいものです。

 佳書によって、われわれはしみじみと自分自身に話すことができるのです。」





これは、「佳書のすすめ」として書かれたものですが、

これを読んで僕は、「佳い山水」との出会いを、お勧めしたい気持ちが湧いてくるのを感じました。



新潟の離島・粟島(人口350人・1周23キロ)に住んで丸3年、

その後、宮崎に移り住んで3年と9ヶ月。



水と空気がきれいで、自然が豊かな土地に暮らすことの豊かさを実感しています。



いくら佳い書を読んで、佳き人と出会っても、

そもそも環境が、本来の自然から離れてしまった状態では、

本当の意味で、「自分の人生を生きる」ことにはならないのではないか、

本来の「人間らしい生き方」をすることができないのではないかと思ってしまうのです。




これは、まだ、今の僕には言語化できません。

でも、日本人の暮らしを全世界の人がしたら、地球が4個いると言われて10余年

これは、日本というよりも、東京、あるいは日本の都市の暮らしだと思っています。



生産額ベースの食料自給率、248%(2012年概算)で、全国1位を誇る宮崎県。

そこでは、ちょっと行ったら豊かな大地があり、ちょっと行ったらサーファーの憧れる海があり、

有機農業の町綾町があり、世界農業遺産に認定された高千穂があり、

そこに暮らす人々は、本当に、のんびりとした気質で、日々の豊かさを味わって生きているように感じます。




町を歩いていて、目が合ったら挨拶するのが当たり前。

中学生や高校生が、自転車に乗っていて、こちらがランニングをしていたとして、すれ違いざま、

挨拶をしてくれたのには、最初はびっくりしたものでした。




そんな人と人の心の交流、本来の人間の豊かさが、

「佳い山水」があるからこそ、守られているのではないかと思っています。




21世紀は水と食料を奪い合う戦争が始まる、なんて言われている方もいらっしゃいます。




どんな風に生きていきたいか、どんな日々を過ごしたいかを、自分自身で選ぶことが、

本当に大切になってきていると思っています。



「わもん」でも、常に、「自分はどうありたいか」を問い続けています。



結果、田舎に移住する選択をする方も、少なからずいらっしゃいます。





いずれにしても、佳い書、佳い人、佳い山水、この3つが大事なのは、間違いありません。


佳い書を読んでますか?

佳い人に恵まれていますか?

佳い山水に恵まれていますか?




大前研一さんは、

「人生を変えるには、次の3つのうちのいずれかを変えるしか、方法がない」

と言われています。



①時間の使い方

②付き合う人

③住む場所



僕は、これまでに4回、大きな方針転換をしてきましたが、

(民間企業の営業→教師の卵→島おこし→新聞記者→独立)

毎回、この3つ全部を変えてきました。



たまたまそうだったのかもしれませんが、

やっぱり、3つとも変えると効果絶大です。




いずれにしても、①時間、②人、③場所、あるいは、「書」「人」「山水(環境)」、

これらが大事だと意識して、整えていくからこそ、

未来はますます輝くものになっていくんだと思っています。




みなさんにとって、今現在の

①時間の使い方

②付き合っている人

③住む場所

④読んでいる本

は、それぞれ、10点満点だと何点でしょうか?



理想の状態は、どんな状態でしょうか?



今よりも、理想に近づけるために、できること、したいことはどんなことでしょうか?



そんなことを考えてみると、2016年の抱負、

やるべきこと・したいことも見えて来るかもしれませんね。



ワクワクを大切に、今日も素敵な1日を、

そして、よい新年を迎えましょう。




お読みいただき、ありがとうございます。