プレイングマネジャー(中間管理職)が人を動かし、結果を出す上で欠かすことのできない「コミュニケーション力」を高めるための58の具体策。
プレイングマネジャーは忙しいが故に、やるべき順番を逆に考えていることが多い。
日々のコミュニケーションを仕組み化、習慣化することから始めると、部下が自立して動くようになり、マネジャーの負担が減り、より大きな仕事に着手できるようになる。
こうした好循環を生み出す上で最強のコミュニケーションツールが次の4つ。
①引き出し力・・・相手の話を聞くことに徹して、相手が何でも話してくれるようにする力。
相手が何でも話してくれるようになるための第一歩は「話しかけられ上手」になること。
日頃から「いつで も話しに来ていいよ」という雰囲気を演出しておくことが大事。
②観察力・・・・・部下や上司を観察し、相手の状況を知る力。
ここぞというタイミングで「最近どう?」と声をかけることができれば、相手から「実は・・・」と大事な 話を引き出すことができるようになる。
例えば、トラブルの電話をしていた部下がいたら、「さっきの電話、 大変そうだったね」と一声かけることで、いち早く部下からトラブル発生の報告を受けることができる。
③ハブ力・・・・・価値観の異なる人の意見を集約し、それぞれの価値観に応じた表現にして伝え直す力。
④根回し+場回し・チームのメンバーが自発的に動くための環境づくり。
<5秒でできるコミュニケーション>
・「話を聞く用意はある」と伝える。
「今はダメだけど、15時から5分ならOK」と伝えることで、部下は安心することができる。
・「良い話? 悪い話?」と聞く
部下がためらいがちに声をかけてきたら、「何? 良い話? 悪い話?」というフレーズを返す。
そうする と、部下は、「悪い話をしてもいいんだ」と若干プレッシャーから解放される。
そして、ありのままを報告 できるようになる。
悪い話ほど、リアルタイムで伝わってくるように上司は全力を尽くす必要がある。
・成功プロセスを評価する。
部下が嬉しい報告を持ってきたときには、「よくやった!」と褒めるのと同時に、「どうしてお客様はうん と言ってくれたの?」と手柄を具体的に質問する。
そしてその時に、「よくそこを見抜いたね!」などと、 具体的な相槌を打たれると、部下の心は達成感で満たされる。
さらに、業務プロセスが整理され、ノウハウを抽出できるので、同じやり方で別の顧客にもアプローチできるようになる。
・人格を傷つけずに部下を叱る
「どうしたの? あなたらしくもない」というフレーズを使うと、相手を肯定しながら、失敗を指摘するこ とができる。
・情報の垂れ流しで信頼関係を深める
プレイングマネジャーが心がけることは、「部下に任せる仕事を増やす」こと。
そのために、「情報を垂れ 流す」習慣を持つと、部下は、自分の存在意義を認識できるようになる。
小さな情報も、すぐに伝える習慣 を持つようにすることで、仕事に対する当事者意識が高まり、結果として部下が成長し、任せる仕事を増や すことにつながる。
<コミュニケーションを仕組み化する>
・コミュニケーションのTO DOリストを作る。
・部下のための30秒をスケジューリングする。
たとえば、「毎日、17時半から18時までの30分は部下のための時間」と決め、他の予定は入れない。
・部下の仕事のデッドラインも手帳に書く。
たとえば手帳に「締め切り3日前」と書いておくと「あと3日で提出だけど順調?」とリマインドできる。
・デッドラインの2日前報告を仕組み化する。
「あの企画書ですが、予定通りお見せできるよう、準備を進めています」と報告すると上司は安心する。
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忙しいプレイングマネジャーだからこそ、「コミュニケーションは苦手」「後回し」にしてしまいがち。
そうすると、負のサイクルが回り始めてしまう。
そうではなく、積極的に、部下とのコミュニケーションを仕組み化・スケジューリングしていくことで、どんどんいいサイクルが回り始める。
そのための教科書的内容。
コミュニケーションの質が高まると、日々、違った関係性が社内でも育まれ、毎日が楽しくなること間違い無し!
日々の何気ないコミュニケーションを重視する企業が、もっともっと増えますように。
