こんばんは。
介護労務コンサルタント(社会保険労務士、介護福祉士)の松岡勇人です。
ファッション感覚のタトゥーも社会通念上は・・・
「刺青」、「入れ墨」、「紋紋(もんもん)」・・・という言葉から頭の中に浮かぶイメージは、俳優・高倉健さんの映画・任侠シリーズや女優・岩下志麻さんの極道の妻シリーズの世界のもので、一般の方には、関係のないように思える。
では、横文字の「タトゥー」という言葉から頭の中に浮かぶイメージはどうだろうか?
「タトゥー」と横文字になると、ファッション感覚になり、最近の若い人たちの一部には、気軽にタトゥーを入れている方を見かけるようになりました。
ネットで調べてみると、「刺青」、「入れ墨」、「紋紋(もんもん)」そして「タトゥー」、その意味合いは色々とあるようですが、結果としてはどれも同じものだそうです。
介護の現場では、入浴介助の際に、通常のケアをするときとは異なり、ノースリーブや短パン姿でケアをするので、職員の肌の露出度が大きくならざる負えません。
入浴介助の際、ファッション感覚でタトゥーを入れている職員を発見したら、介護事業所の経営者の皆様は、どう対応すればよいのでしょうか?
弁護士ドットコム(2014.2.14)によれば、
「入れ墨を入れる自由については、憲法上保障されると考えられます。裁判で争われた前例はありませんが、髪型の自由などと同様、憲法13条の幸福追求権に由来する自己決定権の一つとして、保障されるでしょう。」とのこと。
裁判で争われたことはないようですが、見て見ぬふりの対応でよいのでしょうか?
憲法上は保障されているようですが、社会通念上は問題があるようです!
ファッション感覚のタトゥーも時代の変化と伴に、徐々に受け入れ始めていますが、温泉や銭湯などでは、“タトゥーお断り”の表示を見かけることからわかるように、社会通念上は、まだまだです。
もしかしたら、ファッション業界では既にタトゥーも問題ないかもしれません。
しかし、介護業界では、ご利用者が高齢者ということもあり、タトゥーには抵抗があることが想定されます。
もし、御社にタトゥーを入れている職員を発見したら、タトゥーを入れること自体は個人の自由であるが、社会通念上はまだ問題があることをお互いに確認しましょう。
そして、入浴介助などでタトゥーの入った肌を露出する可能性がある場合には、ご利用者に配慮して、サポーターやテーピングなどでタトゥー隠すよう指示しましょう。
くれぐれも、タトゥー ⇒ 悪いもの ⇒ 解雇・・・の流れは避けましょう!
今号もご覧いただき、ありがとうございました。次号もよろしくお願いいたします。