こんばんは。
介護労務コンサルタント(社会保険労務士、介護福祉士)の松岡勇人です。
今週号のテーマは、「虐待」である。
虐待、高齢者ばかり注目されるけど・・・
「2013年度に発生した介護施設などの従事者らによる高齢者への虐待件数が、過去最多を更新し、200件を超えたことが厚生労働省の調査で分かった。(CBニュース.2015年2月6日より抜粋)」という報道があった。
毎年のように報道されるこの種の内容、介護業界のことを知らない人からみれば、「介護の施設で介護職員が高齢者に虐待するなんて、けしからん!」という反応でお話は終わってしまうでしょう。
しかし、介護の現場では、この逆もある。
高齢者(介護サービスのご利用者)とその家族が、介護職場で働く職員に対して色々な嫌がらせをする「ケア・ハラスメント」である。
残念なことに、高齢者への虐待は報道されるが、介護職員に対する嫌がらせ=ケア・ハラスメントはほとんど報道されない。
ケア・ハラスメントを理由に介護の現場を離れていく介護職員が、少なからず存在するにもかかわらず・・・。
極論だが、私はケア・ハラスメントがあるからこそ、高齢者への虐待もあると考えている。
あってはいけないことだが、介護する側も人間だ!
一定以上の負荷がかかれば、当然に負荷に耐え切れず、必ず爆発するときが来る。
身体的虐待を通り越して、最悪のケース、介護殺人も十分に考えられる。
介護事業所の社長の皆様は、御社のケア・ハラスメントの状況をキチンと把握していますか?
介護の現場では、ご利用者の日頃の様子はチェックしてその対策を取っていますが、多忙のあまり、介護職員の日頃の様子はほとんどチェックしていないのが、現状ではないでしょうか?
ニュース等で、事件を起こした犯人が、事件を起こす前に不審な行動を取っていた・・・と報道されるのと、同じです。
必ずサインを出しているハズです!
ケア・ハラスメントにもっと真剣に取り組めば、高齢者への虐待も減る・・・はあまりに短絡過ぎるかもしれませんが、介護事業所の社長の皆様以下、管理職の方には、介護職員の日頃の様子をチェックして頂きたいと思います。
今週号もご覧いただき、ありがとうございました。次号もよろしくお願いいたします。