行政書士と訴訟④

さて、裁判であるが、裁判所に訴状という書面を提出することによって始まる。

訴状には事件番号がつけられる。訴状には、事件番号、事件の担当部、当事者を必ず記載する。

裁判の手続きの流れは

訴状の提出⇒訴状・呼出状を被告の送達⇒被告が出頭⇒管理手続(口頭弁論、証拠調べ)⇒判決・和解

口頭弁論は、第1回目は原告が訴状を「陳述」し、被告が答弁書を「陳述」する。2回目以降も「準備書面」に記載されたことしか主張できない。(簡易裁判所での裁判ではこの制約はない。)

「準備書面」あらかじめ裁判所と相手方に渡しておく必要がある。口頭弁論は実質的には「準備書面のやりとり」である。

また、「弁論準備手続」といって、法廷以外で当事者が出頭し、争点、証拠の整理を行うこともある。

証拠調べには文書で調べる「書証」と当事者本人の尋問を行う「人証」がある。通常裁判所は和解を勧めてくるので、判決まで

いかず和解で終了する場合がかなりある。

さて、訴状の書き方であるが

①提出する裁判所  

 ・審級管轄(三審制)⇒第一審は簡易裁判所、地方裁判所、家

  庭裁判所、第一審・二審は控訴審とも呼ばれている。第三審

  は上告審と呼ばれてあり、高等裁判所が管轄である。

 ・事物管轄⇒第一審について、事件の軽重・性格によって定ま

  る。具体的には140万円以下の事件の第一審は簡易裁判所

  140万円超える場合は第一審が地方裁判所である。

 ・土地管理⇒被告の住所地

  訴額が140万円以下 訴額が140万円以上 家族の身分

  第一審⇒簡易裁判所  ⇒地方裁判所    ⇒家庭裁判所

  第二審⇒地方裁判所  ⇒高等裁判所    ⇒高等裁判所  

  第三審⇒高等裁判所  ⇒最高裁判所    ⇒最高裁判所

②訴状の記載事項

 ・事件名

 ・訴額(裁判の対象となるを金銭的評価したもの)・帖用印紙

  額(裁判所の手数料で収入印紙額)

  貸金請求の場合は、利息、遅延損害金など請求する元金額

  不動産所有権を争う場合は、固定資産評価額の二分一

 ・当事者

  法人の場合⇒商号、本店所在地、代表者名

  個人の場合⇒被告の氏名・住所・郵便番号・電話番号・

        登記簿謄本、未成年者が当事者の場合は、法定

        代理人の住所・氏名   

 ・請求の趣旨⇒原告が何を求めるか、結論部分だけを記載

        理由は記載しない。判決文の主文になるので

        正確に書く。

        不動産を対象する場合は物権目録

        訴訟費用負担(帖用印紙代、郵便

        料、証人の日当)

        訴訟の費用は被告(複数の場合被告ら)の負担

        とすると記載する

        仮執行宣言

        「・・・との判決及び仮執行宣言を求めると記

        載する。

 ・請求の原因

        請求の原因となる要点を具体的に書く。

        被告は、原告に対し、金100万円及びこれに

        対する平成20年4月1日から支払い済みまで

        年6分の割合による金員を支払え

 ・証拠方法・付属書類

        甲1号証 契約書

        甲2号証 領収書

添付書類

・甲号証の写し

・資格証明⇒代表者の資格証明書

・固定資産税の評価証明

・郵券(相手方に訴状を郵送するための郵便切手)