行政書士と訴訟②

法的に解決できることは限られていることに注意しなければならない。

例えば、夫婦関係であるが

①離婚が認められるか

②子供の親権をどちらが持つか

③財産分与はいくらにするか

については判断を下すことができる

が「夫婦円満にしろ」とは命令できない。事実上の限界の典型は、お金を持っていない者に対してお金を払えと命ずる判決だ!

さらには、法的解決が望ましくない場合もある。離婚などの家族間のトラブルも、当事者間で解決が望ましい。法的解決は最後の手段なのである。

国が用意したトラブルの解決の法的手段が、より使いやすく整備されているからである。

弁護士に依頼せず一人で訴訟ができる場合はどんな場合なのだろうか?相手方がこちらの主張を争ってくる事件については、当方・相手方がどちらかが裁判官を説得するかが肝心なので、裁判官を説得する方法・技術は弁護士長けているので弁護士依頼するのが望ましい。

具体的な解決手段には次のようなものがある。

当事者間交渉

(メリット)

・手間かからず柔軟に対応することができる。

・穏便に解決できる。

(デメリット)

・解決のためのルールがない。

・暴力団との当事者交渉はできない。

・解決するとは限らない。

・強制力がない。(自力救済の禁止)

 ただし、公正証書を作成すれば裁判を行わず強制執行できる。

 また、不動産の明け渡しについては即決和解をしておけば判決

 をとらなくても強制執行できる。

 また、当事者間の交渉では内容証明郵便を活用するのが望まし

 い。

 ①借主に出ていってもらいたいとき

 ⇒まず「催告」の内容証明郵便を出す。

 ②建物の明け渡し

 ⇒「契約解除の通知」内容証明郵便を出す。

 ③債券が時効にかかり消滅しそうなとき

 ⇒裁判以外での請求では、請求のときから6カ月以内に、支払

 い催促・調停等等のさらに強力な手段を取らなければならな

 い。

 ④債券の譲渡

  債券を譲渡した旨の通知に確定日付が必要

 ⑤当事者間で話がまとまったとき

  公正証書、もしくは即決和解にしておく。

  金銭の支払い⇒公正証書(本公正証書記載の金銭債務を履行

  しないときには、直ちに強制執行に服する旨陳述した」とい

  う強制執行認諾文言を入れる。)

  金銭債務以外⇒即決和解(当事者間の申立てによって簡易裁

  判所で和解調書を作成する。

第三者機関を利用した交渉

①ADR(裁判以外でのトラブル解決手段、建設工事紛争審査会、労働委員会、紛争解決センター、示談あっせんセンター、仲裁センター、家電製品PLセンター、医薬品PLセンター)

②民事調停・家事調停

③法テラスの利用

法テラスは政府が全額出資した公的法人が「法テラス(日本司法支援センター」

・資力の乏しい人に対する法律相談

・民事法律扶助業務

・国選弁護業務

・情報提供業務

 電話番号 0570-078374 午前9時から午後9時まで

④国民生活センター・消費生活センタ

(メリット)

・相手方を説得しやすくなる。

・当事者間の力関係の影響を受けにくい

・専門知識の活用ができる。

(デメリット)

・強制力がない。

 ⇒「仲裁(当事者双方が仲裁人の判断には従うという合意をし、仲裁人が当事者の主張を聞き判断する。)」という手続きが

ある。