行政書士と刑法基礎53(放火罪)

放火罪は社会一般の法益に対する犯罪である。放火罪の場合には1つの放火で2軒の家が燃えた場合、現住建造物放火罪の併合罪になるわけではない。放火罪の保護法益は「社会に対する公共の安全」であるからだ。

つまり、社会に対する罪はわけることはできない。

放火罪の特徴は多くの種類の罪があることである。

1・現住建造物等放火罪(刑法108条)の要件

①放火

・可燃性が強いガソリンは、ガソリンをまいた時点で実行の着手。可燃性が低灯油はまいた時点では実行の着手は認められない。実際に火をつけてはじめて放火行為(実行の着手)になる。

②建造物

建造物の一体性が問題になる。

建造物の一体=㋐構造的一体性+㋑延焼可能性or機能的一体性

③現住性・現在性

現に人がいるか。

④焼損

火が媒介物を離れて独立して燃焼している状態。

⑤故意

人がいる「(住んでいる)建物を燃やすぞ~!」という故意が必要。「人がいない建造物を燃やすぞ~!」という故意の場合は認識事実と実現事実の重なり具合により判断する。

2・非現住建造物等放火罪(刑法109条)の要件

①放火

②建造物

③非現在性・非現住性

④焼損

⑤故意(人がいない建造物を放火するという認識・認容)

3・建造物等以外放火罪(刑法110条)の要件

①放火

②建造物等以外の物

③燃焼

④公共の危険を生じさせたこと

不特定または多数人の生命・身体・財産に対する危険。延焼の危険に限られない。

⑤故意