久しぶりの再会だった。いったいいつぶりだろう。遥か昔のような気もするし、つい先日お会いしたような感覚がないこともない。

 

 最初の出会いは確か河口湖円形ホールでのリサイタルや、ティアラこうとうでのシベリウスのコンチェルトなど、2002年前後だと記憶している。もう20年前になるんだな。時の経つのは本当に速い。

 

 今回、再会の場は八ヶ岳音楽堂だった。葉加瀬太郎さんの一週間にわたる連続コンサートの一環での登場で、リサイタルのピアノは桑生美千佳さんで、葉加瀬さんとの共演も2曲ほど。

 

 プログラムは、エルガー「愛のあいさつ」、クライスラー「序奏とアレグロ」、ドヴォルザーク「わが母の教え給いし歌」、J.S.バッハ 「2つのヴァイオリンのための協奏曲より第1楽章」、パガニーニ「24のカプリスより第24番」、サラサーテ「序奏とタランテラ」、そしてフバイ 「カルメン幻想曲」など、小品主体の構成ではあったが、充分に小野さんの成熟と深化が感じられるパフォーマンスであった。

 

 ロンドンを拠点としているため、頻繁に邂逅することは難しいが、次の機会が楽しみである。