今年1月の「真嶋雄大の面白クラシック講座」は、延期となった。2度目の緊急事態宣言が発令されたためである。

 

 そして第1回は2月14日に、巨匠ピアニスト舘野泉さんをお迎えして開催した。舘野さんは当講座への登場は3回目であるし、ベーゼンドルファー・ジャパン「美女と野獣シリーズ」でもお迎えしている。またかつては南相馬市の「ゆめはっと」でも、2、3度共演させていただいているので、もうコミュニケーションはバッチリ。

 

 昨年演奏生活60周年を迎え、84歳となった舘野さんは、まさにクラシック界のレジェンドである。その舘野さんと何度も共演させていただくことは光栄であり、ひとつの誇りである。

 

 今回演奏していただいたのは、パブロ・エスカンデ「悦楽の祖の」からの数曲、光永浩一郎「苦海浄土によせる」より第3楽章「海と沈黙」、スクリャービン「2つの小品」の前奏曲と夜想曲、そして梶谷修「風に、波に、鳥に…」など。

 

 演奏はもちろん、トークもきわめて濃密な内容であったのだが、そこで事件が…。。(笑)。

 

 ソーシャル・ディスタンスを取るため、会場はYCC県民文化ホールの小ホールであったのだが、キャパ700席、舞台も広い。それで前半、トークを繰り広げたのであるが、スピーカーは舞台の前にあるし、ステージ上にモニター(はね返し)を設置しなかったため、お互いの話が、まったく聞き取れない。

 

 本当に何を言っているのかさっぱりわからないため、お互い想像しながら話を展開したが、よく会話が成立したと、今でも思う。ただ前半の最後で、舘野さんがかなり興味深いお話をされたのたが、まったく聞こえない私はそれに対して反応できず、そこで受講している皆さんは初めて「あれっ?」と思ったと後で聞かされた。

 

 後半はモニターを設置していただき、事なきを得たが、いろんなことがあるものである。