世界でもっとも期待されている若手ヴァイオリニストのひとりである。1986年生まれというから、今年でちょうど30歳。12歳でマリス・ヤンソンス指揮オスロ・フィルと公演してデビュー、国際的なキャリアを積み重ねている。

 今回の来日公演は、メンデルスゾーンやR.シュトラウスのソナタなどを弾いた王子ホールでのリサイタル、クリスチャン・ヤルヴィ指揮東京都響とのメンデルスゾーンの協奏曲であったが、いずれもデリケートな情感と零れるようなロマン、そして大きなスケールの演奏で聴衆を圧倒した。

 そのヴィルデ・フラングさんにインタヴューをさせていただいたが、実にチャーミングな上、ひとつひとつの質問に対してしっかりと考え、真摯に応えてくれる姿勢は、それだけで将来の名ヴァイオリニストの雰囲気が漂う。最近リリースされたコルンゴルトとブリテンのコンチェルトも秀逸なので、ぜひ聴いていただきたい。このインタヴューの模様は、今月18日発売の「音楽の友」7月号で…。