「音楽の友」で私が連載をさせていただいている「あの時あの場所で、実は…」の今回は、横山幸雄さんである。彼にはこれまで、いったいどれほど取材をさせていただいたろう。対談や電話での取材も含めれば、おそらく両手の指では足りないはず…。。

 今回も連載用に、ちょっとした失敗談をお話していただき、それは「音楽の友」7月号に掲載される。と同時にショパン・コンクールについても語っていただいた。今年10月には第17回のショパンコンクールが開かれる。横山さんが第3位に入賞したのは1990年の第12回。日本人としては、1970年の第8回で第2位に入賞した内田光子さんに続く成績であり、ともに唯一である。

 日ごろ横山さんは、ベートーヴェンとショパンは自らの両輪と語っており、特にショパンについては6年前から、1日に200曲以上の全曲演奏などを敢行し、ギネス記録も持っている。以前、それにしても食事はどうしているのと聞いたところ、もう何年も前から、食事は1日1食、夜だけらしい。その代わり、ものすごく食べて飲むんですと笑っていたが、だからこそ1日中集中して演奏することができるのかもしれない。