菊池洋子さんがリサイタルを開く。明後日16日(木)19時から紀尾井ホール。菊池洋子さんと言えば2002年、日本人で初めてモーツァルト国際コンクールに優勝した俊英である。かつて2006年の「音楽の友」で、モーツァルト生誕250年の特集があり、その中で私が「モーツァルト弾き」という文章を載せさせていただいたが、日本人のモーツァルト弾きとして3人の中に入れたお一人でもある。

 もちろんモーツァルトのみならず、多彩なレパートリーを誇っているが、今回のリサイタルでは、前半にモーツァルト「幻想曲ハ短調K.475」と「ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457」、ショパン「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲Op.2」、後半にモーツァルト「ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330とリスト 「《ドン・ジョヴァンニ》の回想S.418」という実に興味深いプログラム。

 つまりモーツァルトと、「ドン・ジョヴァンニ」に心を寄せた後年の大作曲家の作品を対比させたアプローチであり、ピアノ作家としての3人の作曲家の思想も俯瞰しているのである。まさに垂涎のプログラム。これに行かない手はない。

 問い合わせは、AMATI  03-3560-3010


菊池さん