田部京子さんが、いよいよブラームスに取り組んだ。これまでシューベルト、シューマン、メンデルスゾーンというドイツ・ロマンの主流に対峙してきた田部さんにとって、まさにブラームスは満を持してという感が強い。昨年12月にリリースされたニューディスクには、「6つのピアノ小品Op.118」、「3つの間奏曲Op.117」、「4つのピアノ小品Op.119」、そして「主題と変奏Op.18」が収録されているが、その濃密な内容と言い、充実した演奏と言い、崇高な精神性と言い、ブラームス演奏の最高峰のひとつと言って過言ではない。

 その田部さんが今日、ラン・シュイ指揮日本フィルと共演する。プログラムはシューマンの「ピアノ協奏曲」とくれば、これは何を置いても駆け付けなければなるまい。演奏会は本日14:00からのサントリーホール、他にメンデルスゾーンの序曲「美しきメルジーネの物語」、ブラームス「交響曲第1番」。

田部さん