2005年のロン=ティボー国際音楽コンクールにおいて第2位を受賞、一躍脚光を浴びたのが南紫音さんである。コンクール当時はまだ高校生で、その初々しさも実に印象的だった。

 その紫音さんが1月17日(火)19時から紀尾井ホールでリサイタルを開く。プログラムはプーランク、ラヴェル、そしてフランクの、いずれもヴァイオリン・ソナタという重厚な構成。ピアノは紫音さんが絶対の信頼を置く江口玲氏である。

 先日紫音さんにインタヴューをさせていただき、その模様は音楽の友12月号に掲載されているが、これまでにもインタビューを2010年に、また演奏会批評やらびわ湖ホールでの曲目解説など、幾つかの場面でお会いしている。でもその清楚な雰囲気や外見などが、何年か経ってもちっとも変わらず、また受け答えも至って真面目でまったく気取るところはない。

 だいたい一流の音楽家になればなるほど、立ち居振る舞いは控え目で、きちんとした方が多いが、彼女もまたその資格は十分である。かなり以前から考えていたというプログラムであるし、近い将来には留学も視野に入れているので、ぜひ今の彼女の音楽を聴いていただきたい。


南紫音さん