今川映美子さん に、朝日カルチャーでの「ピアニストの系譜」にご出講いただいた。このシリーズは、「音楽の友」で4年にわたって続けていた連載が単行本化されるのにあたり、朝日カルチャーでもというお話をいただいたもの。第1回は、中村紘子さん にご登場いただき、ジュリアード音楽院でのロジーナ・レヴィンからの系譜や、また極めて豊富な演奏活動からの興味深いエピソードを語っていただいた。


 今川さんは、エミール・ギレリスの弟子クラシミーラ・ヨルダン、アレフレッド・コルトーの弟子ディアンコ・イリエフ、リヒャルト・ハウザーの弟子ハインツ・メディモレック、ルートヴィヒ・ホフマンの弟子ローラント・ケラーなどに師事しているが、何といっても影響を受けたのは、ゲオルグ・ヴァシャヘーリ。ヴァシャヘーリの先生はかのエドウィン・フィッシャーであり、系譜を辿ればフィッシャー → マルティン・クラウゼ → フランツ・リスト → カール・チェルニーといって、6代目でベートーヴェンに行き着いてしまう。確かに凄いんだが、何だかあっけない(笑)。


 ヴァシャヘーリ自身の演奏をCDで聴きながら、今川さんにもシューベルト「楽興の時」や「即興曲」、そしてショパン「スケルツォ第4番」などを演奏していただいた。またヴァシャヘーリの人となりや指導法にも触れていただき、大変充実した講座になった。


 朝日カルチャーでの「ピアニストの系譜」、次回は11月6日に原田英代さん 、そして12月4日には河合優子さん のご登場を予定している。こちらもぜひ…。


真嶋雄大のイマどきクラシック-今川さん