富士山河口湖音楽祭のフィナーレは、いつもの佐渡裕氏 指揮のシエナ・ウィンド・オーケストラ。このレポートは9月18日発売の「音楽の友」に書いているので、ぜひそちらを「買って(笑)」読んでいただきたい。


 音楽祭のファイナルは、8月21日。例年なら、夜になると肌寒いくらいである。ところが今年は河口湖でさえ暑い。たいてい17時頃からスタート、演奏を聴いていてふと気付くといつの間にか辺りは闇に包まれている。会場となっている河口湖ストラシアターは、ギリシャのコロセウムを模しており、三千人のキャパシティを持っている。客席の一番上からは、雄大な霊峰富士を望むことができ、夜だと登山者の明かりが揺らめいて幻想的でさえある。


 ただ最近は、舞台と客席をすべてカバーできる電動式の大屋根が備えられおり、演奏中はにわか雨を警戒して屋根を閉めてしまうため、その光景を見ることはたぶんできないだろう。


 けれども恒例のアンコール、「星条旗よ、永遠なれ」に近づくと、電動大屋根が静かに、思ったよりも速く動いて、満天の星を眺めることができる。アンコールでは、様々な管楽器や打楽器などなど、思い思いの楽器を手にした聴衆が、おそらく三百人くらいもステージに上がり、シエナと共演するのがお約束。指揮台にも幼稚園か小学生くらいの小さな指揮者が腕を振り回している。 そして最後の音が消えるとき、夜空に輝かしい何発もの花火が打ち上げられるのだ。いつもは「これにて夏も終わり」なのに、何だかいつまでも暑い…。。



真嶋雄大のイマどきクラシック-佐渡氏



真嶋雄大のイマどきクラシック-花火