市原愛 さん。すばらしい才能と、そして美貌に恵まれた新進気鋭のソプラノ歌手である。東京藝術大学からミュンヘン国立音大大学院に学び、内外の国際コンクールに上位入賞、現在はヨーロッパを軸として、オペラ、宗教曲などオーケストラとの共演、リサイタルと、意欲的な活動を展開している。
またシドニーオリンピック日本選手団解団式で、「君が代」を独唱したなどというエピソードも持っている。
その彼女が、日本で久しぶりのリサイタルを開く。来週1月13日(水)19:00から、横浜みなとみらいホールの小ホール。プログラミングが実にいい。まずは有名な「歌の翼」からスタートしてメンデルスゾーンを4曲。続いては、なんとクララ・シューマンの歌曲を4曲。確かに今年はローベルト・シューマンの生誕200年でもあるが、クララの歌曲を聴けるコンサートはそうあるものではない。可憐でメロディアスな佳曲が紹介される。そして前半の最後は名曲「君を愛す」などのグリーグを…。
後半は早坂文雄の「うぐいす」で始まって、R.シュトラウスの歌曲が3曲、そして最後はドヴォルザークの歌曲集「ジプシーの歌」全曲。第4曲の「わが母の教え給いし歌」は超有名だが、全曲が歌われる機会はまずない。
ロマンティックで叙情的、そして親しみやすい曲目もだが、彼女は際立った資質を持っている。魅力的な美しい声、伸びやかで繊細な表現力、一方でダイナミズムは幅広く、スケールは大きい。何より佇まいがいい。
必ずブレイクすると私は確信しているが、まずはぜひリサイタルを聴いてほしい。
チケット・問い合わせは「フューチャー・デザイン 」。03-5730-0050