さて昨日の続きである。大豆がいい塩梅に煮上がったら、ザルに取って水気を切る。そうしたらいよいよ味噌作りのスタートだ。まず大豆をミンチに引く。ちょっと形状は気持ち悪いが(笑)、ただひたすら引く。
次に、米麹と麦麹、そして塩を丁寧に混ぜ合わせる。米麹は甘みを、麦麹は旨さを引き出してくれるが、その比率がポイント、これは企業秘密(笑)。また混ぜ方が足りないとムラができてしまうから要注意。伝統とワザの産物でもある。ましてや、保存料などの不純なものは一切使わない。元来味噌は保存食であり、きちんと扱えば何年もしっかり食べられるのである。
続いて、この混ぜたものに、大豆を煮た後の煮汁を加えていく。このさじ加減が難しい。あまり硬くなく、また柔らか過ぎないように混ぜていく。
そして、ついに完成だ。工程を見ても、作業自体はそんなに難しいものではない。この後の器具の洗浄の方が大変である。水は冷たいし、道具は大きいし…。といっても、この道具総てを所有しているわけではもちろんない。ミンチに引く機械とか大釜などは、みな麹屋さんで貸してくれるのだ。という訳で、出来上がったものを、カメに小分けにし、温度が低く一定で暗い場所に寝かせておく。半年くらいでもう食べることができるのであるが、やはりひと夏を超えたものが美味しい。かくて今年の12月頃には、立派な自家製味噌になるのである。