川久保賜紀 さんが、紀尾井シンフォニエッタとヴィヴァルディの「四季」をリリースした。思えば、あのチャイコフスキー国際コンクール最高位(1位なしの第2位)獲得から、もう7年も経つことになる。最近の彼女は弦もガット弦に替え、「音自体がリッチで、いろんな音が出る感覚がします。単に私がハマッちゃっただけかもしれませんが、他の弦になると変な感じがしますね」と笑う。


 かつては名伯楽ザハール・ブロンの秘蔵っ子としても知られていたが、もちろん今でもアドヴァイスを受けながら、彼女自身の道をしっかりと歩んでいる。「音楽の友」11月号で彼女にインタヴューしたが、楽器や弦、弓に対する独自の想い入れを聞けて大変興味深かった。


 また彼女のCDは、すべて異なる楽器を使用しており、「四季」ではランドルフィー、今使っているのはベルゴンツィなのだそうだ。たぶんそのベルゴンツィを用いて今年、彼女は大晦日の札幌交響楽団ジルベスター・コンサートと、来年1月16日の東京フィル「響きの森クラシック・シリーズ」に出演する。

 東京はサン=サーンス「序奏とロンド・カプリツィオーソ」とサラサーテ「カルメン幻想曲」。期待度大!



真嶋雄大のイマどきクラシック-川久保賜紀