友人でもある古今亭志ん輔師匠 の落語会に行ってきた。9月にも「志ん輔三夜」という3日連続の公演の初日にお邪魔したが、やはり「志ん朝七夜」を連想してしまうので、こちらも気合が入る。そのときの演目は40分近い「大山詣り」と1時間ほどの大ネタ「唐茄子屋政談」。師匠の後者は初めてだったが、ともにすばらしく充実した出来だった。


 そして10月に同じ国立演芸場で開かれたのは「寛輔の会」。つまり福原流笛方の福原寛(ふくはら・かん)さんと師匠とのコラボレーション。福原さんは現在、各地にての笛リサイタル、歌舞伎、日本舞踊、長唄演奏会などの演奏活動の他、テレビやラジオ、海外演奏などにも参加、また十八代目中村勘三郎襲名披露興行に出演するなど多彩な活動を行っている。


 演目は福原さんの独奏「寿 三番叟」や、太鼓や三味線なども加わっての師匠と福原さんの話などを織り込みながら、太神楽などもあり、締めは師匠と福原さんの笛、梅屋右近さんの太鼓が絡み合う「お若伊之助」。この噺を師匠の高座で聞くのは2度目で、また味わいが違って興味深かった。


 ただこの日、仲間内に声をかけて10数人で伺ったのだが、落語が一席だけとは思わず、誘った手前ちょっと気が引けた。だから寄席に通うT部さんやA原さんは物足りなかったかもだが、「すごく面白かった。落語ばかりだと飽きるかもと思っていたけど…」という感想が大半。さすが音楽家たちだと感心しきり…(笑)。



真嶋雄大のイマどきクラシック-師匠