朝日カルチャーセンターでやっているシリーズ講座に、小山実稚恵さんをお迎えした。世界的なピアニストであり、またショパン・コンクールとチャイコフスキー・コンクールの両方に入賞した日本人唯一のピアニストでもある。


 今回は「ショパンらしさ」がテーマだったので、カテゴリー別に演奏してもらい、解説をさせていただいた。「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」、「マズルカOp.67-4」、「ノクターンOp.15-2」、「華麗なる円舞曲Op.34-1」、「バラード第4番」、そして「24の前奏曲」から最終曲というプログラムであったが、まさに鮮やか。オーチャード・ホールを満員にするだけの実力を如何なく発揮してくれた。


 とは言え講座のため、受講できたのは100名足らず。まさに贅沢な空間。できれば私も解説などせず、ずっと聴いていたかったが(笑)、トークも興味深く、思いっきり濃密な時間を過ごすことができた。前もって小山さんに伝えたのは、「ショパンの魅力とその演奏について」お聞きしますよくらいで、後はすべてがアドリブ。あまり打ち合わせをしてしまうと、面白くなくなってしまうし、だからこそ彼女のほんわかとした性格がよく出ていたと思う。


 小山さんは、ふだん公開レッスンとかマスタークラスをやらないので、あまり人前で喋ることがないだけに、大変貴重な講座だった。でもまたぜひこういう機会を作ってみたい。



真嶋雄大のイマどきクラシック-小山さん①



真嶋雄大のイマどきクラシック-小山さん②