力士の名前であり、四股名と書く。昔は醜名と記したらしい。「みにくい」のでなく、「逞しい」の意味なのだそうだ。今、まさに名古屋場所が大変盛り上がっているが、昨日の朝日新聞に、「珍しい四股名」が載っていた。興味を持って調べてみると、出るわ出るわ、ホントにあったのか?という四股名ばかり。ちょっと書いてみよう。

 

 まず、数字を採り入れた四股名、一二三山四五六(ひふみやま・しごろく)、九 九之助(いちじく・きゅうのすけ)、三ッ△ 鶴吉(みつうろこ・つるきち)なんぞは序の口で、格闘技らしく強そうな(?)四股名、ヒーロー市松(ひーろー・いちまつ)、雷り光五郎(いなびかり・みつごろう)、突撃進(とつげき・すすむ)、鬼ノ臍常吉(おにのへそ・つねきち)、動物もので、猪シ鍋吉(いのしし・なべきち)、膃肭臍市作(おっとせい・いちさく)、百足山千太(むかでやま・せんた)、蟻ノ子藤太郎(ありのこ・とうたろう)、大虎寅吉(おおとら・とらきち)などがいたらしい。


 なかでも猫好きにはたまらない(?)、黒猫白吉(くろねこ・しろきち)、三毛猫泣太郎(みけねこ・なきたろう)、山猫三毛蔵(やまねこ・みけぞう)、玉猫三毛蔵(たまねこ・みけぞう)、小猫三毛蔵(こねこ・みけぞう)、はたまた世相を反映した(?)、文明開化(ぶんめい・かいか)、新刑法源七(しんけいほう・げんしち)、電気燈光之介(でんきとう・こうのすけ)、自動車早太郎(じどうしゃ・はやたろう)、自転車早吉(じてんしゃ・はやきち) なども驚きだ。


 また、凸凹太吉(でこぼこ・たきち)、ステッセル寅太郎(すてっせる とらじろう)、兎角是非内(とかく・ぜひない)、忍山色助(しのぶやま・いろすけ)、晴天照蔵(せいてん・てるぞう)、不了簡綾丸(ふりょうけん・あやまる)、軽気球友吉(けいききゅう・ゆうきち)、豆鉄砲芳太郎(まめでっぽう・よしたろう)、馬鹿の勇介(ばかの・ゆうすけ)など、こうなるともう何が何だかわからない。


 その中に、元はもしや編集者かと訝るような、〆切り玉太郎(しめきり・たまたろう)という四股名があって、大いに笑えた。



真嶋雄大のイマどきクラシック-大相撲