一昨年のチャイコフスキー国際コンクールで第3位に入賞、直後のサラサーテ国際では見事優勝の栄誉に輝いたのが有希・マヌエラ・ヤンケさんだ。


 父はドイツ人で、ミュンヘンの音楽大学のピアノ科教授、日本人の母もピアニストで父とのデュオなどで演奏活動をしていた。長女はピアノ、長男はチェロを、次男はヴァイオリンで現在ウィーン・トーンキューストラ管のコンサートマスターを務めるというまさに音楽一家。


 幼い頃はピアノも習っていたという末っ子の有希さんは、9歳でオーケストラと共演してデビュー。ドイツ青少年音楽コンクール・全ドイツ大会第1位、シュポア国際、ブラームス国際で優勝、パガニーニ国際では最高位(1位なしの2位)を獲得、国際的なキャリアをスタートさせた。現在はザルツブルクを拠点として演奏活動を展開している。


 そして昨年同様、姉である歩・マノン・ヤンケさんとのデュオによるリサイタルが6月30日、紀尾井ホールで開かれる。ベートーヴェン「春」、バッハ「シャコンヌ」、フランク「ソナタ」、ヴィエニャフスキ「華麗なるポロネーズ第1番」など王道ともよべる堂々たるプログラムをどう弾きこなすか、極めて興味がそそられる。



真嶋雄大のイマどきクラシック-ヤンケ