化石も終わりにしてそろそろコインの話をしましょう。

 

帝政ローマ 117-138年 ハドリアヌス帝

セステルティウス銅貨

NGC AU Strike4/5 Surface3/5 Fine Style. smoothing.

 

ハドリアヌス帝は以前にデナリウス銀貨で紹介しましたが、セステルティウス銅貨は初めて手にしました。

35mmに25g弱の大迫力の大型コインで重さもズッシリとした存在感があり、かなり満足度が高いです。ちなみに材質は黄銅なので作られた時は金色の輝きのコインだったそうです。

 

ローマコインを集める上で避けては通れないのがセステルティウス銅貨ということもあり、紹介の物は”smoothing”評価で付着物を剥がした跡があるものの、AUグレードでFine Styleとあって私が入手できる上限かなと手にしてみました。ずいぶん昔にXFグレードのFine Styleを入手する機会もあったのですが我慢して正解だったかも。

 

裏面は以前に同じ図柄を紹介した花を持った希望の女神スペス。

特徴的なのは大きく打ち出されたSCの碑文。

帝政ローマでは銅貨の鋳造権は元老院が持っており、SC(Senatus Consulto :元老院の決議により)という表記が刻まれました。

 

セステルティウスはローマの資産の基本単位としてしばしば登場しまして、例えば解放奴隷は3万セステルティウスで自由民として市民権を得られたり、ローマ元老院の資格条件として資産が100万セステルティウスだったり、市民の生活でも買い物や物価の単位としてもセステルティウスが語られる感じですね。

現代の価値に換算は諸説出ていて難しいのですが、1セステルティウスは数百円~数千円の間くらいだったみたいです。

 

さて、材質的に古代の銅貨の腐食は不可避という事で、発掘された銅貨は今回の物のようにパティナと呼ばれる酸化物等の緑色の付着物とコイン自体も緑色に変色した見た目であるのですが、埋没していた条件よっては稀に”テヴェレパティナ”と呼ばれる褐色~黄銅色の物が存在しまして、それが最上とされるそうです。

中には表面を削って内部の黄銅の地肌を出したなんちゃってテヴェレパティナもあるみたいですが、文字通りローマを流れるテヴェレ川の川床のような環境に置かれ、腐食が少なく状態の良い物は黄銅色が図柄の立体面に輝くようなコントラストで目を惹きます(テヴェレパティナがテヴェレ川全ての発掘品や同じ色彩の物を指すのかは諸説あるみたいで、元は特定の場所からの発掘品のみとも聞きます。あんまり詳しくないので間違ってたらすみません。)

 

中には金貨や銀貨以上に評価されるセステルティウスもあるようで、もし古代ローマコインで最高の物を一つだけ手元に置いておくとするとアウレウス金貨やデナリウス銀貨じゃなくてテヴェレパティナで芸術性の高いセステルティウス銅貨を選ぶなんて古代の収集家も多いのではないでしょうかね。

 

私は一つなんて選べなかったり予算の限界もあるのですが、こうして銀貨と銅貨のハドリアヌスが来ると次は金貨…と考えたいもののこれが高いのですよねー。いつかはアウレウス金貨なのですがいつになる事やら。

 

ではこんな所で。