AWですが私は参加しないので去年入手した物の続きです。

 

ササン朝ペルシア シャープール1世 240-272年

ディナール金貨

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前回の記事でも触れましたが、ここの所見る機会が多い中東近辺のコインであるシャープールのディナール金貨。

私は収集対象でなかったササン朝という事もあり、銀貨くらいで入手はいいかなあなんて去年はしていたら、古代関係の皆様がシャープール、シャープールとどんどん入手報告を…。

そんなにシャープールがいいのならササン朝の家の子になっちゃいなさい!と心の中で言い聞かせて我慢しつつもやっぱりシャープール欲しいかも…となってきて、我慢できずに年末のNCAのオークションで落札。これで私もササン朝の家の子ですね(笑)

 

表面は城壁冠の上に球状のコリュンボス(宇宙、世界を象徴するとされる装飾。)を戴くシャープール1世。肖像の作りはササン朝のコインとしては頂点を極めたと言っていい素晴らしい出来ですね。

 

コリュンボスと共にもう一つ特徴的なのは髭の下を縛り球状にした独特な装飾ですが、これは時代が経るにしたがって小さくなっていってしまうそうです。時代が下ると写実性が後退するせいなのか、王のファッションも流行り廃りがあるのでしょうかね?

ちなみに、パフラヴィー文字の碑文は”マズダ神信奉者、神聖なシャープール、イランの諸王の王、神の子孫”との事(パフラヴィーってまるでミミズのような文字ですが本当にこれ読めるのかしら。)

 

裏面は拝火壇と城壁冠の二人の従者。

ミントマーク的な刻印がある物もありますが、ちょっと知識が無いので今回の物がどこで作られたかは良く分からないです(多分クテシフォン?)

 

拝火教(ゾロアスター教)というと過去のアケメネス朝でも崇拝されていたササン朝の国教であり、当時はペルシアのみならずインドや中国にまで広がっていた宗教なのですが、イスラムの台頭に伴い衰退して現在ではメジャーな宗教とは言えないですね。

 

さて、少しササン朝とシャープール1世の話をすると、アレクサンドロス大王によって紀元前330年に滅亡したアケメネス朝ペルシアの後、セレウコス朝やパルティアといった勢力の支配下でもペルシア人自体は存在しており、パルティアの属国であったペルシスのアルダシール1世がパルティア王に勝利したことにより226年にササン朝ペルシアを建国。

シャープール1世はアルダシール1世の息子として父の後を継ぎ即位しました。

 

当時は東のササン朝に対して西は帝政ローマの時代となっており、ササン朝はローマにとっては好戦的な国家であったようで度々衝突を繰り返し、シャープール1世の時代には主要都市のアンティオキアの占領やウァレリアヌス帝の捕虜という大打撃を与えています。

更にはインド側のクシャン朝を破ったりと西に東にと奮戦して、攻められた方としてはたまった物じゃありませんがササン朝を強国へと成長させた偉大な君主ではありますね。

 

ローマの皇帝を跪かせるシャープール1世を彫ったナクシュ・イ・ルスタムの磨崖像。

 

という事で、平山氏の”シルクロードのコイン”の表紙にも抜擢される金貨という事もあり、オリエントのコインとしては目を惹くこちらをコレクションに加えてみました。

ヘリテージの出品が多かったので入手するならそちらかなと考えていた所に、丁度NCAのオークションで出品されておりまして国内オークションでの入手となりました。最近は円安もありますので高額コインは国内で入手するに越したことはありませんね。

 

こうして手にしてみるとオリエントのコインも魅力的で、だんだん他のササン朝やクシャン朝のコインとかも欲しくなって来るのですが、他のコインも考えないといけないですし、しばらくは我慢ですね。

 

ではこんな所で。